2016.3.26
高坂 記
土樽駅(07:11)-(07:25)カドナミ尾根取り付き-(10:58)荒沢山JP(11:20)-(12:13)コソドのコル-(14:43)足拍子岳-(17:00)南峰-(19:20)土樽駅
土樽駅に前泊し、6時起床。ここの水道が飲めないのを忘れていて水の調達にコンビニまで戻り、出発は7時を回ってしまった。
駅からの車道がU字に下るところの橋を渡り、林道を下流に進む。カドナミ尾根の下部は広いので、適当に登りやすそうな斜面を探していたらピンクテープが巻かれた太い木があった。急な土の斜面を木登りを交えて上がってゆくと次第に尾根は明瞭になり、地面も雪に覆われてくる。上越の湿雪は固まったり流れたりで一歩一歩に時間が掛かる。
ジャンクションピークでハーネスとアイゼンを装着し、トレースの無い稜線に進む。程なくして痩せた岩稜になり、雪を払ってのスタンス探しに時間を取られる。灌木帯に入って暫く行くと残置スリングとフィックスロープのあり、ここからコソドのコルへ懸垂下降。
登り返しを正面から見ると立った壁に見え、ロープを抜くときにはちょっと覚悟した。しかし近くに寄ってみればたいした傾斜ではなく、締まった雪と石楠花ホールドで難しくは無かった。
そこからはずっと痩せ尾根で、尾根の上を短い歩幅で踏み固めて行くか、左右にオフセットするか悩みながら進む。無頓着に雪庇の上に付けられているウサギのトレースは一応の目安になった。あんなところは手をついてもダメだ。
ほぼ同一高度の水平移動なので進路は見渡せず、視界を遮る藪セクションを越える度にそろそろ楽させて貰えるかなと期待するが、相変わらず現れるのは両側スッパリのナイフリッジと藪だった。
13時を廻ったあたりでツェルトビバークが頭を掠める。急いでも危険なだけなので、できれば今日中に南峰は越えたいなくらいに考えことにする。
安心できる斜面に出たのが14時。核心部の通過には3時間掛かった。ここから山頂まではところどころでシュルントが隠れていて、固雪の部分を探して登っていった。
辿りついた平らな山頂からは360度の眺めが素晴らしい。そして南峰から向かってくる稜線にはトレースがあった。おそらく橋で準備していたハイカーのものだ。あそこまで行けばきっとルーファイせずに下山出来る。
下山路は来たトレースを少し戻り、岩を避けて藪の中をトラバースした。
ここからまた痩せ尾根、5m程の岩稜のクライムダウン、そして急な藪で行き詰まった。支点になりそうな木を探すと新しめのスリングが潅木を束ねて残置してあり、これで懸垂下降。雪が少ないと30mロープでは足りないかな。
その先にはホールドスタンス乏しそうな岩稜が続いていた。細すぎて上を歩くのは無理。側面も立った露岩で無理。結局、右側に3m程の懸垂で、そのままロープを引いてトラバースした。ここでトレースに合流。もう何にも考えなくても良いはず。
南峰を越えて暫くは順調に下る、雪が少なくなってくると土の急斜面が現れるようになった。750mのあたりで堪らずに右手の沢に逃げる。もうヘッ電なので急ぐ必要もなく、沢に降りきるところで一回懸垂し、雪に埋もれた沢を歩いて橋まで戻った。