前穂高岳北尾根-A沢-中又白谷

2015/8/02~8/03
田中,他 記:田中


昨日の北条・新村ルートの疲れが取れていないが,今日はN君の行きたがっていた北尾根だから行くしかあるまい。
下りが一番の懸念事項である。

8月02日 晴れ(5・6のコル経由で前穂北尾根→A沢→中又白谷)
05:50 BC発
08:30 5・6のコル
3峰の取り付きで40分ほど待ち
12:10 前穂山頂
13:00 3本槍を越えた先のコルの40m手前
13:15 A沢の下降開始
16:00 中又白谷への踏み替え点
17:10 奥又尾根に乗る
18:00 BC着

昨日下った超ザレを登り返し,またアリ地獄をトラバースして4峰まで登るのかと思うと嫌気がさす。
尾根ルートか雪渓ルートかを悩み,30分ロスした。しかし知っているルートだと随分とスムーズに動けるものだ。

rimg0500  今日もドピーカン

北尾根は登山靴で登れるほど簡単だったので記録は省略。3峰の登りで,25mずつ4ピッチはロープを出して登攀した。
前穂山頂から明神に向かって下り,3本槍の先のコル40m手前に左へ下る踏み跡とケルンがある。
ヒロケン本ではコルまで降りると読み取れるが,それだと少し行き過ぎ。

rimg0509  真ん中から右へ3本槍(たぶん)

rimg0514  A沢への目印(写真は明神方面を向いている)

10mのルンゼを下るとA沢への下降点(踏み替え点)に到着した。なかなかの傾斜で,N君の軽アイゼンとチコハンマーでは下れそうにない。

rimg0519  A沢へ入っていく。奥には奥又白池

自分は12本爪なので,先にステップを切りながら下りてみるが,雪渓の末端までははるか遠くラチがあかない。
どうしようかと迷っていると,右岸に古い懸垂支点を見つけた。
とりあえずその懸垂支点を利用してN君を50mいっぱいロワーダウンし次の支点を構築,自分は普通に下りる案を採用した。
するとどうだ,約25m毎に左岸右岸に古い懸垂支点が現れ,それを利用してロワーダウン9回ほどで急峻な雪渓を末端まで下ることができた。
12本爪アイゼンとピッケルがあれば十分に下ることができる傾斜だと思うが,みんな同じような状況に陥っているのだろう。
万が一,また来ることがあればお礼を込めて支点整備をしようと思う。

rimg0521  懸垂支点は大体こんな感じ

rimg0520  ロワーダウンで何度も降ろす

rimg0523  A沢雪渓の末端まで着いた

もう終わりだろうとアイゼンを外し,A沢の雪渓末端から右岸のガレ場を少し下ると,中又白谷への踏み替え点に到着したが,またしても雪渓が現れて狼狽した。
こちらも踏み替え点のところに懸垂支点があり,25mいっぱい懸垂したが,次の支点が見つからなかった。
後続の落石を避けるために,少し下へ歩いて岩の後ろに回り込んだところ,次の懸垂支点を見つけてホッとした。なんて絶妙(微妙)な位置に打ったのだろう。
もう一度25mいっぱいの懸垂で雪渓の末端を越え,またしてもガレ沢を下って奥又尾根に乗ったところでN君と握手を交わした。
核心は下りにあり。

rimg0526  中又白谷への踏み替え点

rimg0527  またしても雪渓

rimg0528  最後はお花畑

またしても12時間行動となってしまった。無事帰ってきたので反省はせず,食料を食いつくして,キャンプファ○ヤーで燃やし尽くす。
誰もいないって素晴らしい。

8月03日 晴れ(奥又白池→上高地)
07:00 BC発
08:40 中畠新道取り付き
12:15 上高地

登りですら悪いと思った中畠新道の下りは,神経をかなり集中して臨んだ。ヤハリ悪い。
徳澤から上高地までも大変しんどかった。
ラッキーなことにずっとピーカンで,「ちょっとは曇ってくれた方が涼しいのに」と贅沢なグチもこぼしていた。
中畠新道へはまたいつか…きっと来ない。

・北尾根は変なルートに迷い込まなければ登山靴で十分
・A沢を下るのならば,アイゼンピッケルが吉
・懸垂支点は古いので多少の整備をしてあげるとよい

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