2014/1/25
A、高坂 記 高坂
行程
美濃戸(05:41)-(07:17)林道からの分岐(07:50)-(09:22)小ピーク(10:00)-(13:10)6p終了点-(13:42)阿弥陀岳山頂-(14:50頃)行者小屋-美濃戸
過去に2度の敗退を喰らっている阿弥陀北西稜。
日曜日の天気予報が芳しくなく土曜日のみ日帰りの計画になり、去年のラッセル敗退が頭を掠めるが前週の日帰りの記録に勇気を貰って片付けることに。
仕事の都合で早上がりもできず23時に都内を出発し、小淵沢で3時間ほどの仮眠の後に美濃戸まで車で入る。
ワカンをどうするか迷ったが、ルート上に被ったところは無く装備の重量が心配になることもないと判断して持ってゆくことにした。
南沢のコースは凍結箇所が出ていなくて歩き易い。
行者小屋手前、一度開けた雪原に出てからの樹林帯の中に緑ロープと大量のテープを見つけ、先週のものかトレースも発見。
壷足のままこれを追う。
沢を渡る手前でトレースが一部消えて、柔らかい雪に埋もれた踏み跡を探るように進み北西稜の下部に取り付いた。
稜線に乗るまでに部分的に膝下程度のラッセル、露岩を過ぎてからの尾根上で膝上まで潜る箇所はあったが、大した距離は無く9時半前には岩稜手前の肩に到着した。
風は八ヶ岳にしては微風、気温も高く気象条件は申し分ない。
ガチャとアイゼンを装備して岩稜帯を進み、ペツルの支点が整備されている取り付きでロープを結ぶ。
10月に下見をしたときは自分が奇数ピッチ、Aさんが偶数ピッチだった。
今回はそれを入れ替えてのオーダーとした。
1P
Aさんリード。
右のバンドからのトラバースルートを選択。
バンドから左に上がってゆくところでペツルの中間支点があるのだが、10月月に自分がリードしたときはそちらはホールドが乏しく思えたのでそれを使わず、手前から草付きを直上してランナウトしたところだ。
しかし今回はヌンチャクが掛かっている。
下りトラバース気味に回収した。
岩には乾いた雪が軽く乗っているがベルグラなどは皆無でフリクションも良く、なかなかに快適。
普通に手で持てるのでアックスがむしろ邪魔だった。
2P
高坂リード。
続けて稜線を目指すルート。
ホールド豊富で特に問題はないけれど、あれれ、上部ってこんなにランナウトしたっけ。
1cmも無い溝にスリングを回してランナーを取るとちょっとは気休めになる。
3P
Aさんリード。
稜線を越えて左のバンドを進む。
10月より着膨れしているので岩が胸の前に迫ってきて歩きにくい。
足場が崩れないよう確認しながら進んだ。
4P
高坂リード。
出だしは確保支点の左側から上がった。
右に移りバンドを進むとスリングが見えるが、これは敗退スリングらしい。
バンドを奥まで進むとハーケン連打のスラブである。
雪を払ってホールドが無いか探してみても滑らかな岩肌が現れるばかり。
10月はA0だったが磨耗した岩はとてもアイゼンで乗れる気がせず、さっさとアブミを広げてしまう。
人エだとハーケン間隔が近いこともあって困難もなく、アックスに掛けたアブミに乗ったりのやりたい放題。
最後のガバにアックスを引っ掛けて体を上げ、手で持ち直してハングを越えて終了。
Aさんはアブミを出さずに越えてきた。
平坦なところまで行ってロープを仕舞い、阿弥陀岳山頂から中岳沢を降りた。
ベルグラに追い返された一昨年、ラッセルに阻まれた昨年からするとあまりにあっけなく終わって拍子抜けしてしまった。
トレースと天候に助けられ、先行渋滞も後続の追い上げもない出来過ぎな内容で、会の皆さんには申し訳ないような。
装備について
今回はワカンは使わなかったが、下部でトレースを外すと腿まで潜ったので前日までの天気次第では装備したほうが良いように思う。
やはり出番の無かったダブルアックスも雪の付きが多ければ使うかな。
中間支点が無いので、ランナーのヌンチャクはパーティーで6本もあれば十分。