剣岳長次郎谷~本峰

2014/8/13-15
桜井、山本武、N、斉藤 桜井 記


turugimap ここ数年は夏合宿で沢に行く機会が多かったが今年は岩登りがしたい思いが強くなってきた。
6月の谷川岳の山行の時に剣の岩場が私の中でクローズアップされてきた。ずっと昔から憧れ続けていたが中々行く機会が無かった剣尾根を池の谷から詰めて下部と上部を登れたらという構想であった。

まあそうは言っても現実は厳しいだろうということで長次郎を詰め三の窓をベースにしてチンネと合わせて定着で計画を立てた。
集まったメンバーは私を含めて4人であるがうち2人はアブミ初心者であり三つ峠にて練習を行った。

今年の夏は週末になると雨にたたられていた。大風11号の上陸で前の週から天気も悪く先行きが心配されたが大きな崩れもないようなので出かけることにする。

今回のメンバーの1人斉藤が前の週から知り合いのいる池の平小屋に入っているので8/13の13:30に長次郎谷の出合いで待ち合わせることにする。

8/12 東京出発

中央道日野のバス停で待ち合わせるが途中、武さんから車がパンクしたので大幅に遅れるとの連絡が入りそれなら八王子で待ち合わせをしようということになった。
八王子の駅で合流し中央道から安曇ICで降りて安曇野松川の道の駅にテントを張って寝るつもりだったが買い物がありコンビニを捜すうちに道の駅に戻る距離が伸びてしまったのでこのまま扇沢まで行くことにする。扇沢に着き幸いにも下の駐車場に車1台分のスペースが確保できたので軽く酒を飲み車中伯とする。午前2時くらいだったか。

8/13 扇沢~熊の岩

8時30分発のトロリーバスで出発しアルペンルートを室堂まで行くが観光客と登山者で一杯だ。観光客に混じって歩き雷鳥沢のキャンプサイトで一休みする。天場はお盆の休みで賑わっている。
ここからは雷鳥坂は急だから止めようということで新室堂乗越経由の尾根道を上がることにする。こちらの方が距離はあるかもしれないが時間的にはさほど変わらず急登も無いので楽だと思う。
高度が上がるにつれ振り返ると雷鳥平や地獄谷、見上げると雄山や浄土山などがパノラマのようだ。急登ではないがだらだらとした登りを続けていくとようやく剣御前小屋に到着、ここも大勢の人でにぎわっている。いつも思うのだがここまでくると剣の全貌が見渡せられああ剣に来たんだなと思うひと時である。
ここからは剣沢をひたすら下っていくことになる。小屋を過ぎしばらく下ったところから雪渓が始まりアイゼンとヘルメットを付けることになる。雪渓のくだりは装備さえちゃんとしていれば夏道よりも早い。所々開いたシュルンドに注意して下っていき武蔵谷、平蔵谷を過ごして長次郎谷の出合いに到着した。ここで先に来ていた斉藤と約束の時間に大まか合流できた。
小休止の後は長い長い登りが始まる。傾斜もそれほどきつくは無いのだが睡眠不足がここで一気に襲ってきた。疲れはさほど無いのだが如何せん眠くてたまらない。立ち止まってはストックに寄りかかって休むとそのまま眠ってしまいそうだ。そんな状態を繰り返しているうちに熊の岩が見えてきたがそこからがまだ長い長い。ようやく熊の岩に到着するがわずかなスペースにテントが数十張あり何とかスペースを見つけるも岩がごろごろしている状態で横になっても体が平らにならない状態であった。明日は三の窓に移動するので仕様がないがここしかないので我慢することにする。

8/14 熊の岩~剣岳頂上~剣沢

前日、長次郎谷の上部でどうやら遭難事故が会ったようで朝から剣沢の救助隊がスノーボートを担いで上がってきている。鍛えれれているのであろうがボートを担ぎながらも雪渓の上をガンガンと登ってきているのはさすがだと思う。やがてヘリも飛んできたが現場近くを暫くホバリングしていたが状態が悪いのかピックアップできずに下っていった。
この日も天気がはっきりとせず雨がぽつぽつ来ていたので6峰フェースに行こうかとも考えたのだがみな同じ考えなのかこの天場にいるパーティが続々と取り付きに向かっている。
ここにいてもしょうがないのでとりあえず三の窓へ移動することにする。テントを撤収し雪渓を登り先行パーティの一組が滑落していくのが見えた。大した傾斜でもないのに滑落停止姿勢がとれずズルズルと滑っていくのがみえた。近くにいた別パーティの人が救助に向かいロープを出して降ろしていた。様子を聞くとアイゼンもピッケルも不十分なようでここから下山を促していた。
我々は長次郎雪渓を詰めていくが池ノ谷乗越に近づくと昨日の遭難者を救助隊が遭難者を乗せたスノーボードを搬送している場面に出会った。
どうやら昨日はチンネを登攀し池の谷乗越を過ぎたこの場所にある雪渓の大きなギャップに気付かずに落ちてしまったらしい。
池ノ谷乗越に到着するも天気もはっきりしないのでチンネはあきらめて三の窓へは下らずにこのまま北方稜線経由で剣の頂上を目指すことにする。
もう20年ぐらい前になるが剣沢から頂上経由で三の窓へ向かった時にこのルートを逆方面から下ったことがあったがどこをどう通ったかは覚えている訳もない。
一般路とは違ってバリエーションの一角になってはいるが危ないところにはクサリも付けられてはいるが所々トレースも明瞭でなかったり懸垂下降もあったりで慣れない人にはチョッと厳しいだろう。
やがて剣の頂上に到着するがガスっていて何も見えない。祠の前で写真を撮って下ることにする。こんな天気なので頂上も登山道も人はまばらでカニの横ばいも渋滞無く通過できた。
別山尾根を下って剣沢に戻ってきたのは2時半くらいであったが、それまで何とか持っていた天気もテントを張って暫くすると強い雨が降ってきた。本当にラッキーであった。
今回は軽量化と個食に徹したので皆さん食料はジフィ-ズの類であったが昔と違ってそれぞれ美味しく食べられた。

8/15 剣沢~扇沢

今日は下山するのみで剣御前までの登りを過ぎればもう大したことも無いだろう。この日の天気もはっきりとせずガスも濃く風が強かった。
憧れていた剣尾根どころかフラットソールも履かない山行で終わってしまったが剣のピークを踏めただけでも良しとしようか。次は何時行けるのだろうか。

8/13 室堂 8:45 - 剣御前 11:40 - 剣沢 12:20 - 長次郎出合い 13:40 - 熊の岩 16:00

8/14 熊の岩 7:20 - 池ノ谷乗越 8:30 - 剣岳 11:00 - 剣沢 14:30

8/15 剣沢 5:00 - 室堂 7:30

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