スコーミッシュ ~梅澤編~

2014/9/13-23
玉田、梅澤  記 梅澤


The Chiefの写真を見た時から憧れていたカナダ・スコーミッシュ。
昨年に引き続き、海外クライミング第2弾に行ってきた。

○期間:2014年9月13日(土)~9月23日(火)<11日間>
○トポ:Squamish Select 2012 Edition
○ギア:Black Diamond C4 #0.5-#4×3セット(#4は2本)、Alien(赤/灰/黄/緑/青)×2セット
ナッツ 1セット、ヌンチャク×20本、60mロープ×2本

▼9/13(土)快晴 <移動日>
21:55羽田発 14:55バンクーバー着 17:00バンクーバー発 19:00スコーミッシュ着

約9時間のフライトでバンクーバー到着、トーテンポールに出迎えられる。
日本より寒いと思っていたが、照りつける日差しは強くTシャツ1枚でも寒くない。
空港でレンタカーを借り、約2時間のドライブでスコーミッシュ到着。
町は小さく宿泊ホテル『Hotel Squamish』もすぐにわかった。
お部屋はリビングとベットルーム、リビングにはテレビ、ソファー、テーブル&チェア、電子レンジ、冷蔵庫、コーヒーメーカー、グラス類完備で快適。
チェックイン後、近くのスーパー『Save On』へ買い出し。
お夕飯はお惣菜コーナーのローズマリーたっぷりロテサリーチキン(1羽)とマカロニサラダ。なかなか美味。

▼9/14(日)快晴 <クライミング1日目:Shannon Fall/Shannon Fall Wall>
7:30起床 9:40ホテル発 10:30取付着 17:50取付発

易しめのショートピッチで岩に慣れる。
アプローチは気持ちのよい森の中を15分程。

○Klahanie Crack(5.7/30m)<TOP100> L:玉田/梅澤
30mの綺麗なクラック。壁は寝ていてハンドもフットもバチぎき!
プロテクションセットを忘れてサクサク登ってしまいそう。

○Cardhu Crack(5.8/35m)<☆☆☆> L:玉田/梅澤
一番端の35mあるロングルート。
60mロープでは足りないためバックロープを引いて登り、懸垂下降。なかなか面白い。

○Split Decision(5.10a/30m)<☆☆☆> L:玉田/梅澤
クラックとボルトのミックスルート。
下部のクラックは簡単、10aグレードは上部のボルト部分についてるみたい。
恐怖のスラビィートラバース。痺れる!

○Dirty Dickey(5.8/30m)<☆☆☆> L:玉田/梅澤
ナメめてはいけない5.8。
中間部からややワイドになり、ワイド苦手な私は一度カムエイド。
でも色々な要素があり一番面白かったルート。

全ルート30m以上あるので登り応えがあった。
明日登るマルチピッチ「Skywalker」の取付を偵察し、初日終了。
キッチンがないため山道具屋さん『Climb On』でガスを購入、持参したフライパンで玉田さんがステーキ肉を焼く。
綺麗なミディアムレアに焼きあがり、筋もなく美味!

▼9/15(月)快晴 <クライミング2日目:Shannon Fall/Shannon Fall Walll>
7:30起床 9:40ホテル発 10:35取付着
11:10 1P目 11:40 2P目 12:14 3P目 12:50 4P目 13:15 5P目 13:30終了・昼食・滝見学 14:25取付戻り

久々のマルチ、海外初とあって朝からやや緊張。

○Skywalker(5.10a var./5ピッチ)<TOP100>
【1P目(5.7/30m)L:梅澤】
先行、後続パーティがいたためストレッチもそこそこにC4とAlien各2セット、その他ガチャ類をぶら下げ離陸。重たい。。。
出だしはスラブ、細かなスタンスを拾って慎重にクラックまでたどり着く。
中間部のやや被ったクラックでぶらさげているカムがクラックにつっかえ乗り越えられず、セットしたカムをつかんでクライムダウン。
カムを反対側に回して態勢を整え再トライ、無事終了点のテラスに到達。

【2P目(5.10a/25m)L:玉田】
私がとった1P目の終了点は間違っていて、本来のビレイ点は右に少し上がったコーナー下にあった。
玉田さんは本来のビレイ点右側のコーナークラックが5.8の正規ルートだと知っていたが、意外と離陸が難しそうだったのでビレイ点左側を探ってみると登りやすそうだったので取り付いたところ、登るにつれてクラックが浅くなりこちらが10a var.だと気がつき痺れたらしい。
中間部はクラックが細く浅くカムは気休め、絶対落ちられない。フォローはなかなか快適。

【3P目(5.7/30m)L:梅澤】
寝ているが登り応えのあるロングルート。
眼下には素晴らしい景観が広がり、岩登り感をたっぷり味わえる。
最後抜け口が嫌らしいが、1P目ほどの緊張は強いられず楽しく登れた。
終了点はピカピカのアンカーボルト、横にはスターウォーズの名セリフ『May the force be with you』のプレート付き。
シャレてる!

【4P目(5.6/20m)L:玉田】
メインピッチ「Skywalker」。
5.6だが足元はスラブのトラバースなので気が抜けない。
でも景色は最高!とても絵になるピッチ。

【5P目(5.4/30m)L:梅澤】
5.4というグレードを初めて登る。
ナメてかかったら後半はスラブのボルトルートで一瞬焦る。終了点は立木で。

素晴らしい景色を眺めながらの昼食は格別。
下山は登山道を15分程下ればSkywalkerの取付に戻るので、アプローチシューズ要持参。
5P目終了点から数分登ると美しい釜がある滝を見ることができる。

心地よい疲労感で本日は終了、片づけしていると地元の女性クライマーさんがお勧めマルチピッチを何ルートか教えてくれた。
ホテルに戻り、昨日の残りのステーキ肉を焼いて食べるが、昨日ほど食が進まずほどなく爆睡。

▼9/16(火)快晴 <クライミング3日目:The Chief/Bulletheads South>
7:00起床 9:15ホテル発 10:10取付着 14:20駐車場戻り

トポの写真を見たときから、かっちょいー!とチェックしていた2ピッチのマルチ「Slot Machine」へ。
森の中のキャンプ場を通り抜け、炊事場の脇から登っていく。
取付直下はフィックスロープが張ってあるもののかなりの急登なので、特に下りは注意が必要。

取付には一生懸命地面を掘っている可愛らしいリス以外誰もおらず完全貸切。
リスを眺めたり、木々のいい香りに包まれてクライミングできるなんてほんと幸せ。

○Slot Machine(5.8/2ピッチ) <TOP100>
【1P目(5.8/30m)L:玉田】
メインピッチ「Slot Machine」。
上部は綺麗な1本のクラックだが、下部には2本走っており、カムもきめ辛くなかなか嫌らしい。
上部はハンドバチぎき!超きもちいい~。

【2P目(5.6/20m)L:梅澤】
下部のクラックは寝ていて快適そのもの。
でも登っていくとクラックが途切れ、これ以上登れない感じ(じつは登れる)。
左にトラバースすると立木に残置スリングと下降用リングがあり、あそこが終了点だとトラバースするがプロテクションの取り方が悪くロープが屈曲して引き上げが大変。
玉田さんはほぼフリーソロで上がってきた(すみませぬ。。。)。
終了点は立木ではなく、その先のスラブを登るとアンカーボルトがあったよう。

明日も晴れのち曇予報なので、今日は無理せず他の岩場見学をして、洗濯するため早めに切り上げる。
アプローチを下り、途中から左にトラバースすると「Campground Wall」がある。
TOP 100ルートの「A Pitch in Time(5.10b/15m)」、「Rainy Day Dream Away 5.10c/32m)」などを見学。
短いが被っていたり、長くて最後がフィンガーだったり実力つけないと登れないルートばかり。

ホテルに戻り、ホテル内のランドリーで洗濯。
洗濯機、乾燥機は無料、洗剤はフロントで1ドルで買える。
洗濯を終えてレストラン『Big D’s』でお夕飯と意気込んで出かけると、なんとClosed。
よくよくみると「15:00まで」と書いてる。閉店早すぎやろー!
他のお店も軒並み営業時間は15時まで。
仕方がないのでスーパー近くのピザ屋さん『panago』でピザとチキンをテイクアウト。

▼9/17(水)雨 <レスト1日目:ジムトレ@Whistler>
7:30起床 11:20昼食 14:10ジム入り 19:00ホテル戻り

晴れのち曇のはずが、起きると雨降り。身支度するもこれはダメそう。。。
急遽昨日お夕飯を食べ損ねた『Big D’s』にランチでリベンジ、その後ウィスラーにあるクライングジム『The Core』でジムトレに予定変更。

『Big D’s』では看板メニューのBig D’s Burgerとスモークサーモンサラダを注文。
具が大量すぎてサンドできないが、マッシュルーム山盛りで美味しい!
スモークサーモンも肉厚でアボガドとのコラボ最高。
食べ終わる頃雨が上がってきたので、町から一番近いエリア「Smoke Bluffs」の駐車場まで行ってみるが、また雨が降り出す。

あきらめてジムへ転進。1時間程のドライブでウィスラーに到着。
きれいな街並みだけにお天気がイマイチで残念。
『The Core』はフィットネスジムで、クライミングジムが併設されている。
ルートはトップロープのみだが5面ほどあり、ボルダー、スラックラインもある。
ルートはとにかくハイステップさせられることが多くホールドが遠い。手足の短さに泣く。
スラックラインは人生初挑戦、結構いいとこまで行ったが最後の金具を跨げずゴール手前で落ちること数回。
最初は私よりも絶望的と思われた玉田さんだったが、コツをつかみだしたらあっという間に3回も渡りきった。
くやしー!こんなところに宿題を残してしまった。

帰りがけにスーパーでお夕飯調達。
初日に食べたロテサリーチキン&マカロニサラダAgain。チキンは今回の方が美味しかった。

▼9/18(木)雨 <レスト2日目:山道具屋さん巡り@Vancouver>
7:30起床 10:45ホテル発 12:45山道具屋さん巡り 14:00昼食 15:35アークテリクス・アウトレット 19:00ホテル戻り

予報どおり朝から雨降り。登りナシの完全レスト、バンクーバー観光する。
山道具屋さん『MEC』、『Valhalla Pure』を巡り、スコーミッシュに4回来ているクライマーさんから事前に教えてもらったオススメのお寿司屋さん『KAMEI Royale』でランチ。
食べたかったハート型の生サーモンロール『MAO Roll』を注文。
肉厚の生サーモンはとっても食べ応えがあり美味しいっ!久々の和食に心からホッとする。
午後は郊外にある『アークテリクス』のアウトレットを覗いてみたが欲しい商品はなかった。

お夕飯は同じくクライマーさん御用達の『Zako’s Deli』でテイクアウトしたスモークビーフサンドとターキーサンド。
スモークビーフサンドはジューシーでビールによく合う。
ターキーサンドにはジェノベーゼソースがきいていてイタリアーンなお味。白ワインにぴったり!
明日も雨予報だったので心置きなく深酒。

▼9/19(金)雨のち晴れ <レスト3日目&クライミング4日目:Smoke Bluffs/Lower Crag X>
9:30起床 14:00昼食 16:55取付着 19:35ホテル戻り

雨降りなのでゆっくり起床。レストラン『Mountain Burger』で遅い昼食。
看板メニューのBig Mountain Burgerと地中海風オムレツを注文。
ハンバーガーは『Big D’s』よりも素朴な感じだが、やはり大量のマッシュルーム入り。
地中海風オムレツはブラックオリーブ、トマト、チーズ、ほうれん草がたっぷりで美味!

外に出ると雨は止み、道路が乾きだしている。
スーパーでお土産を物色し一旦ホテルに戻り、夕方町から一番近い「Smoke Bluffs」へ向かう。
岩はすでに乾いていたのでアプローチ3分のルートを登る。

○Easter Island(5.8/15m)<☆☆☆☆> L:玉田/梅澤
私には出だし核心。ハンドが決まる位置まで思い切って身体を上げるのがポイント。
最後がスラブでややビビる。

○Out to Easter(5.9/18m)<☆☆☆> L:玉田、F:梅澤
恐怖の超トラバースルート。
リードする勇気はなく、フォローで振られ落ちの恐怖と戦う。ムズイ。。。

日が長いので19時過ぎまでは明るい。明日のエリアを下見してホテルに戻る。
お夕飯は胃が脂にやられつつあるので、スーパーでサッポロ一番を購入、レタス、ハム、ゆで卵をトッピングして簡単に。
うま~!

▼9/20(土)快晴 <クライミング5日目:Smoke Bluffs/Upper Tier、Krack Rock、Supervalue>
7:30起床 9:00ホテル発 9:45取付着 14:20駐車場戻り 16:30ホテル発 16:45取付着 18:30ホテル戻り

町から一番近い岩場「Smoke Bluffs」へ。朝から清々しい森を歩く。

○Laughing Crack(5.7/25m)<TOP 100> L:玉田/梅澤
フィンガーバチぎきの5.7とのことだったが、私はハンドバチぎきだった。
やはり外人さんサイズ?!アップに最適。

エリアを移動し、昨日下見したKrack Rockへ。

○Popsicle(5.7/20m)<☆☆> L:玉田/梅澤
10aと間違えて登る。快適。

○Koko Krack(5.10a/20m)<☆☆☆> L:玉田/梅澤
お買い得10a。中間部ハンドバチぎき!
最後のちょいトラバースにややビビる。

お昼を過ぎると岩に陽が当たりとても暑くなる。
15時まで町でファーマーズマーケットが開いていたので、一旦町に戻り、メープルバターを大量ゲット。
ホテルに戻り小1時間レスト後、再びSmoke Bluffsのアプローチ激近の「Supervalue」へ。

○Cold Comfort(5.9/20m)<☆☆☆☆> L:玉田、Tr:梅澤
休憩を挟んだら疲れがでてしまいリードする気が失せる。
カムセットしながらトップロープで登ったがフェイスちっくなフィンガークラック。5.9にしては悪い。

○Triage Arete(5.9/25m)<☆☆☆> L:玉田
カンテ沿いのボルトルート。4ピンしか打ってないのでランナウトして怖そ~。

ホテルに戻って2度目の洗濯。お夕飯はサッポロ一番Again。やっぱうま~!

▼9/21(日)快晴 <クライミング6日目:The Chief/The North Apron>
7:30起床 9:40ホテル発 10:30取付着 11:40 2P終了・懸垂下降(捜索) 14:00 3P終了 16:30クライムダウン開始 17:20取付戻り

2日目に会った地元クライマーさんオススメのマルチピッチ「Calculus Crack」へ。

○Calculus Crack(5.8/6ピッチ)<☆☆☆>
【1P目(5.7)L:梅澤】
出だしは木登り、クラックもあるが基本ガシガシ登る。終了点は立木で。

【2P目(5.8)L:玉田】
中間部のフィンガーが分かりにくく嫌らしい。後続がいたので焦って登ったら落ちてしまった。
レイバック気味にパワーで登る。

【3P目(5.6)L:玉田】
3P目スタート直後に事件は起きた。
ビレイしながら写真を撮ろうと片手でiPhoneをポケットから出した瞬間、手からiPhoneが滑り落ちる。
「Rock!(iPhoneだけど)」と叫び、あとは呆然としていると玉田さんが懸垂下降して捜索すると言う。
私の不注意で大タイムロス、余計な力を使わせてしまい本当に申し訳なかった。

捜索虚しくiPhoneは見つからず、待っている間に登ってきたフランス人3人パーティに先を譲ったのが運の尽き、このパーティが遅いのなんの、3時間以上待たされ結局時間切れ、メインピッチの4P目目前でクラックをクライムダウンすることに。

私は初めてのクラックマルチ敗退だったので、敗退方法を体験できたのはよかったが、クライムダウンは何より危険だし、玉田さんにはただただ申し訳ない限りだった。
でもどんな状況にも冷静に対処してくださり、本当に心強かった。

昼食抜きだったので2人とも腹ペコ、お夕飯は『panago』でピザをテイクアウト、ペロリ完食。
この日飲んだビールは色んな意味で身体にしみた。

▼9/22(月)曇のち晴れ <移動日>
8:00起床 11:00スコーミッシュ発 13:00バンクーバー着 16:50バンクーバー発 9/23(火)19:00羽田着

最終日は移動のみ、空港までは約2時間のドライブ。
空港内のレストラン『KOHO』でカナダ最後の昼食にサーモンバーガーとシーフードペンネを注文。
どちらのサーモンともとても柔らく程よい脂で大満足だった。

▼最後に
海外クライミングと言うと敷居が高く感じられるが、スコーミッシュは様々な難易度ルートが揃っており、タイプもクラック、スポート、ボルダーと選択肢が広い。
岩のスケールも大きく万人が楽しめる岩場だと思う。
町から近いのでドライバーの負担が他の岩場よりは少ないのも良い。
スコーミッシュにはバンクーバーからバスか電車でアクセスできるので、前入り、後入りも可能。
これから海外クライミングをしたい方にはオススメの岩場。私はリピーター決定です。

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