唐松岳 不帰Ⅲ峰A尾根

2014/5/3-5
桜井(CL)、山本、玉田(SL)、福田、A氏、阿部、川村、中村、待井、梅沢、大塚  記 大塚


日程
2014/5/3(土)~5/5(月)

参加メンバー
桜井(CL)、山本、玉田(SL)、福田、A氏、阿部、川村、中村、待井、梅沢、大塚(記)

天候
2014/5/3(土) 晴れ後雨
2014/5/4(日) 晴れ
2014/5/5(月) 雪、雨

アクセス
車[5/2(金)発]
都内~中央高速/上信越道~道の駅安曇野松川~八方尾根ゴンドラリフト 八峰駅

山行タイム
2014/5/3(土)
(10:45)八方尾根ゴンドラリフト 八峰駅(11:15)~(11:25)兎平駅~(11:35)黒菱平~(11:40)八方池山荘~(16:30)唐松山荘

2014/5/4(日)
(3:30)起床~唐松山荘出発準備(6:00)~Dルンゼ下降開始(6:25)~(7:00)不帰Ⅲ峰下部到着~(7:35)A尾根取付き到着~A尾根登攀開始(7:45)~(10:00)P1付近到着~(12:00)P2付近到着~(16:36)P3付近到着~(19:00)A尾根頂上到着~(19:35)唐松岳山頂到着~(19:50)テン場到着~(22:40)就寝

2014/5/5(月)
(6:00)起床~(8:30)撤収完了~下山開始(8:40)~(10:25)八方池山荘

山行記録
嵓に入会して今回、自分は初めての長期山行に参加させてもらった。
山行計画では5/3(土)~5/6(火)の4日間の計画であったが悪天候の影響で結果的には3日間の行程となった。

2014/5/2(金)
車は計4台が出動、山本号・大塚号は新宿、玉田号は川口、街井号は板橋でそれぞれ待ち合わをした。
急な体調不良で残念ながら三好さんが当日不参加となったがワザワザ新宿まで食料等を届けてくれた。

次は道の駅安曇野松川で集合、テントを張り寝酒を飲んで就寝。

2014/5/3(土)
7:30 起床
既にこの時間には道の駅のお店開店の準備が始まっており、道の駅利用客もそこそこ多くなってきていた。
テントを撤収し玉田号組が道の駅白馬付近の某レストランで食事を取っていると連絡が入ったので、このレストランに移動し荷分けを実施。

10:45 八方尾根ゴンドラリフト 八峰駅到着
ここからはゴンドラ、リフトを利用した楽ちん登山。

天気も良く八方池山荘からの歩荷は大汗必須と思われた。

11:40 八方池山荘到着
残念ながらここから歩荷スタート。
山本さんから預かった酒が肩に食い込みヨレヨレで歩荷を行う。

トイレを通過して更に二つ目のケルンを通過した頃から急に雲行きが怪しくなり始めついに雨となってしまった。
視界20~30m程度の霧となり始めて八方尾根を登る自分としてはいつになったら唐松山荘に到着するのかと気が遠くなるばかりだった。
標高が上がるにつれ雨は冷たく着替えたカッパ表面は凍りつき始めてきた。

歩きながら
「これじゃーテント泊は無理だなぁ~、小屋泊しないと何にも乾かないぜ。。『男なら黙ってテン泊だ!』っとか言い出されたらどうしよう!?(泣) あ、でも今回女子が3人もいるから大丈夫かなぁ~? って言うか荷物重すぎ!頭クラクラしてきた。。」
っと妄想と現実を行き来していた。

16:30 唐松山荘到着
心配とは裏腹に結果的には小屋泊まりとなり服やカッパなどを乾かすことも出来、快適な環境で夕ご飯はすき焼きを食べ、宴会を行うことができた。

就寝時間は記憶にございません。。

2014/5/4(日)
3:30 起床
外に出てみると風は強く雨に濡れていた窓ガラスはびっちり凍りついて当然雪も凍りついた状態。
しかし、星空で晴天の兆し。

昨晩のすき焼きの余りを利用してすき焼きうどんが朝食。

様子見含め5:30出発目標で準備を進めた。

6:25 Dルンゼ下降開始
何だかんだ(小屋から荷物を出して移動させたり集合写真撮ったり諸々。。)と目標時間を過ぎてしまいDルンゼの下降開始したのは6:25となってしまった。
雪の状態は締まっていて良い感じ、天気も最高で晴天。
しかし、それは日が上がるに連れ雪がグサグサに腐ってくることも意味していた。

7:00 不帰Ⅲ峰下部到着
写真などで見たとおりの尾根が3つ並んでいた。

玉田、A氏、大塚の3名はA尾根
桜井、中村、川村の3名はB尾根
山本、阿部の2名はC尾根に取付く。

我々A尾根班はBルンゼ側へ上り返し取付きポイントを目指した。

7:35 A尾根取付き到着
予想通り段々と雪が柔らかくなり始めてきていた。

7:45 A尾根登攀開始
1ピッチ目
雪壁をノーザイルで登りシュルンドの雪の切れ目でロープを出しピッチを切る。

2ピッチ目 玉田リード、大塚セカンド、A氏ラスト
シュルンドから雪壁の残り数mを登り切り凹角を人工登攀、再び雪壁となり途中にある木で支点を取った。
セカンド、ラストは支点で確保を取らずそのまま雪壁を登りナイフリッジに出て2ピッチ目は終了。
トポや過去の記録ではいきなり人工登攀を伺わせる記述もなく出だしから”悪い”なと感じさせた。
多分、ここがP1付近だと思われる。

3ピッチ目 玉田リード、A氏セカンド、大塚ラスト
ナイフリッジを渡るのだが雪庇にヒビが入っており慎重に渡ることとなる。
ここも過去の記録の写真などを見るともっと雪が乗っており岩なども出ておらず今年の雪の少なさを実感させられた。

4ピッチ目 玉田リード、大塚セカンド、A氏ラスト
ここも雪壁を登るのだが、好天の影響でかなり雪の状態が悪くなってきた。
3点支持で騙しだまし登らないと簡単に雪が抜けてしまう状態。

5ピッチ目 玉田リード、大塚セカンド、A氏ラスト
大きな岩のまわりにシュルンドが出来ておりようやく安定したポイントでビレイが出来た。
この岩の左側から雪壁を登り雪稜に出る。
多分、この5ピッチ目終了点がP2付近と思われる。

6ピッチ目 玉田リード、大塚セカンド、A氏ラスト
再び人工登攀の後、ブッシュをのっこし雪稜に出る。
きっと、雪が多ければ2ピッチ目といい5ピッチ目といいアブミを出す必要は無かったろうと思われる。

7ピッチ目 玉田リード、大塚セカンド、A氏ラスト
ブッシュ帯のガレのルンゼを登る。
浮き石だらけのガレガレのルンゼで石を落とさないように慎重に登る必要があり肝を冷やした。
きっと、ここも雪があれば何のこともない単なる雪稜登りになるのではないか。

8ピッチ目 玉田リード、大塚セカンド、A氏ラスト
ここも人工登攀。
大きなルンゼで中がW状になっていて右も左もハーケンは打たれているが我々は左側から登る。
抜け口がいやらしく、抜けた後は這松をつかんで上部へ出た。

トポに書いてあった頂上直下の人工登攀がキモのように書かれていたので、これで最後はテレテレっと登れば頂上に出れるのかと思いきやそれは甘かった。。
多分、8ピッチ目の終了点がP3ではないかと思う。

9ピッチ目 玉田リード、大塚セカンド、A氏ラスト
岩の脇を這うようにして右から回りこみブッシュを越えて雪壁登り。

10ピッチ目 玉田リード、A氏セカンド、大塚ラスト
ここがいよいよ本当の頂上直下の人工登攀。
相変わらず人工の抜け口が悪く非常に怖い。
人工が終わると頂上までひたすら這松のブッシュを木登りする。

19:00 A尾根頂上到着
A尾根頂上に到着して間もなく日暮れとなってしまったが逆に日が出ているうちに登攀が完了して本当に良かった。
トポや過去の記録では実際に5時間ちょっとでこのルートは登られており今回のように時間がかかったような記録は無かったのだが、写真にある通りそれは雪の量が多く不要に人工を必要としないしブッシュやガレ場を登る必要も無かったためだろうと思う。

19:35 唐松岳山頂到着
ヘッデンをつけながら歩き唐松岳山頂到着。

19:50 テン場到着
既に、B尾根班、C尾根班はテン場に到着しており更に幕営と食事の準備まで済ませてくれていた。
言うまでもなくお疲れ様の乾杯ビールは最高に美味かった。

2014/5/5(月)
6:00 起床

朝食は昨晩のトマト鍋を使ったトマト鍋うどん。
味が馴染んだのかもしかすると夜ご飯よりも美味しかったかも知れない。

天候は前日の天気予報よりも早い時間から悪く吹雪いていた。
この天候で登攀は中止。
スケジュール的にも下山という事となった。

8:40 下山開始
テントを撤収し下山を開始。

10:25 八方池山荘到着

山頂付近は雪でもやはり下山してくると雨に変わりみんなびしょびしょになってしまった。
帰りは温泉に寄りレストランで食事をとりここで解散。
連休の央高速の渋滞は尋常じゃなく7時間の運転でようやく新宿に到着する事が出来た。

感想
今回、自分が登ったA尾根のルートは全ピッチを玉田さんにリードしていただいた。

後半の途中で玉田さんから
「どう?後輩に次に『不帰のA尾根やりたいんです!』って言われたら連れて行ける?」
と言う質問を受けた。

多分このような条件だった場合、初見でいきなりリードしてメンバーを引っ張って行くのは無理かも知れないなと思った。
しかし、”次に”またと言う事であれば既にルートも難しい所も分かっているため大丈夫かなと言う印象だった。

何より、今回より悪いコンディションはナカナカ無いのではないか?
っと言うよりもこれより悪条件であればそもそもが敗退せざるをえないと思われる。
雪の条件一つでトポの参考タイムの倍になってしまうと言うのは今回非常に良い勉強になった。

”悪い”条件でオールリードしていただき本当にお疲れさまでした!
有り難うございました。

戻る

Bookmark this on Yahoo Bookmark
Bookmark this on Google Bookmarks