読売新道

2012/8/16-19
玉田、他  記 玉田


何年も前から計画していながら天候不良等で延期としていた読売新道走破。
まるまる天候安定するのを狙っていてもキリがないのでお盆休み後半戦で実行することにした。

8/15 扇沢に移動
小川山を昼過ぎに出て前半戦パートナーを韮崎駅で降ろし、スーパーオギノで後半戦の食料買い出し&隣接するコインランドリーで洗濯。
あっという間に時間は過ぎて改めて韮崎駅で後半戦のパートナーをピックアップ、諏訪湖SAで花火大会を見物しようとする車列を横目に一路扇沢へむかう。
扇沢でいつも通り上の駐車場に停めようとしたら全て有料に変わっており、無料なのは下だけになっていることにびっくり。
幸い到着時は下の無料駐車場は8割程度の埋まり具合で駐車できたが、朝にはすっかり埋まっているところからして今後前泊でテントを張るのは遠慮した方がいいかもしれない。

8/16 上高地~ババ平
朝一番のバスで信濃大町へ、そのまま電車とバスをつなげて移動。
松本駅での乗換時間1分に成功したこともあり約1時間前倒しで上高地到着、たんたんと横尾まで歩いて槍ヶ岳方面の道へ入っていく。
樹林帯の中を登っていき槍平ヒュッテに到着、テントの手続をすると「それほどいないと思いますよ」とのこと。
それなら多少ゆっくりしてもいいかと思って長めの休憩をとってからババ平へ登ってみると結構な数のテントが張られているではないか。
下山するパーティは手続のために小屋まで降りる訳はないし、小屋番も集金に来ないから「わからない」というのが本当のところだろう。
居心地のよい場所は空いている訳もなく、なるべく凸凹のない場所を選んだ結果トイレにほど近い場所になってしまった。

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あれこれ考えても仕方ないのでとっとと設営してパートナーがボッカした餃子を食べながら夕食の準備開始。
今回は鍋の代わりに家庭用小型フライパンを持っていったのだが、多少重いにしても料理のしやすさからするとフライパンの勝ち。

本日の夕食
ご飯、スープ、キャベツ&ソーセージの塩ダレ炒め
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8/17 ババ平~三俣山荘
長丁場となる1日のため早出を目指すも早速30分の寝坊、慌ててお茶漬けをかきこみ出発。
照りつける太陽のもと徐々に標高をあげていくと東鎌尾根、殺生ヒュッテ、槍ヶ岳など、これまで雨やガスで見ることができなかった風景がひろがり、ようやく頭の中で地図と実際の位置関係のリンク付けが完了。
冬山のことを考えるとこの位置関係をわかっているかどうかは大事だと思う。
正月以来の槍ヶ岳は大渋滞かと思いきや人影まばら、これ幸いとピストンへ。
まだ先は長いのでそそくさと写真を撮って降りてくるとなにやらパートナーがゴソゴソとペットボトルを出し始めており、聞けばトレのため家から2Lボッカしてきたとのこと。
扇沢の時から何か重めだなぁと思った要因の一つがこれってことか。
速攻で取り上げるもそのまま捨てるのはもったいないのでスポーツドリンク粉末を投入&がぶ飲みして軽量化。
まだ行程半分も来ていないのでいそいそと出発する。

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槍ヶ岳から千丈沢乗越まで一気に下った後は想像していた以上にアップダウンをくり返す稜線歩き。
そして午前の晴れが嘘のようにだんだんとガスが濃くなり、あと一息で双六山荘というところで雨につかまりカッパを着る羽目になる。
最近はきっちり雨に降られている中を歩くことが少なかったこともあり古ゴアカッパを延命していたけれど、さすがに吸水率100%以上か?とも思える濡れっぷりに買換を決意する。
小雨があがった双六山荘で長めの休憩をとって三俣山荘へ向かう。
分岐まで登って一考、既に頂上踏んだことある上に行っても何も見えないな・・・いざ双六岳へ!という気にはならず巻き道へ直行、これも以外と長かったけれど後々の乾燥作業を考えると正解だったと思う。
ほどよいスペースを見つけて設営、幸い雨が上がったこともあり着干ししながら夕食の準備開始。

本日の夕食
ご飯、スープ、茄子とキャベツの肉みそ炒め
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8/18 三俣山荘~奥黒部ヒュッテ
今日も長丁場、今日はさすがに寝坊することなく起きて出発。
朝イチの鷲羽岳の登りで強制的に目を覚まし夏山JOY!的な雰囲気の道を歩きながら水晶小屋へ向かう。
初めて水晶小屋に来たのはもう20年以上前、その時の印象はぼろいバラック小屋だったけれど今回改めて見ると小綺麗な小屋になっており、百名山ブームもあって建て直ししたのかもしれない。

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水晶小屋から稜線歩きで40分ほどで水晶岳に到着、狭い頂上で写真を撮りながらこれからのルートを見ると赤牛岳ははるか先。
ここまでは想定内のペースだし大丈夫かと思っていたものの次第にパートナーの歩行速度が思うように上がらなくなり、強制的に1/3ほど荷物没収してスピードアップを図ることにする。

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多少速くなったものの赤牛岳を越えることはできず、前日とほぼ同じ時間にガス&小雨が始まった上今度はだましではなく雷雨が直撃。
稜線上で逃げることもできず待機していると幸いなことに雲が安曇野方面に移動、これから向かう大町側には晴れ間が見えている。
雷が落ちないことを祈りながらじりじり稜線を歩いて赤牛岳に到着。
噂の展望はさっぱり見えなかったが残念という感情はなく、そんなことよりも早く安全圏まで降りてしまいたい一心であっさり頂上を後にする。

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しばらく見晴らしの良い稜線を下降、その後樹林帯に入りドロドロ&木の根が張り出した悪路を降りていく。
楽しいとか綺麗とか思える要素はこれっぽっちもなくなり、楽しみといえば時折出てくる道標の数字を見てあと1時間、あと30分と妄想することだけになってくる。
もうさすがに着くだろうと思った頃に黒パイプが登場し、ほどなく奥黒部ヒュッテに到着。
ずぶ濡れの上明日の起床がさらに早いこともあり躊躇無く素泊まりに決定する。
まさかあるとは思っていなかった風呂に入って乾燥室に濡れ物一式を吊したところで夕食の準備開始。

本日の夕食
バジルご飯、スープ、ミートスパゲッティ
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8/19 奥黒部ヒュッテ~扇沢
前日夕食時に何時の船に乗るかを話していると1便目と2便目それぞれ分かれていたが、結果的には2便目の人達も1便目狙いにしたようで午前3時には小屋内にヘデンの明かりが溢れることになる。
前夜下見していたこともあり迷うことなく橋を渡り対岸へ移動、そこからハシゴのアップダウンをくり返すこと数知れず。
約2時間で平ノ渡場に到着するが、道が道だけに暗闇の中落ちたらサヨウナラというのはなかなかのプレッシャーを感じる。

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平ノ渡場で朝食をとり船を待っていると時間通りに到着し対岸へ。
移動中振り返ってみると船着き場らしき建造物が見えたので聞いてみると、確かに船着き場だが針ノ木側だけでなく平ノ小屋側も地震で崩壊して今は木製ハシゴを組むのが精一杯らしい。

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平ノ小屋で一休みしつつルート状況を確認すると、この先1時間は我慢、その次はある程度歩きやすくなる、とのこと。
歩いていくとまあその通りで、木製ハシゴのアップダウンが続いた後徐々に幅広の道に変わっていきロッジくろよんに到着する。
ここから先はもう下界同然、一刻も早く風呂に入りたい一心でトロリーバスを目指し扇沢へ。
そして黒部方面に来た時の定番薬師の湯で汗を流して山行終了。

所感
長年歩きたいと思っていた読売新道に行けたのはよかったが、水晶岳~赤牛岳の稜線は良しとして赤牛岳~奥黒部ヒュッテは想像以上に歩きづらく、残念ながらまた歩きたいとは思えない。
晴れていればまた条件が変わると思うものの、下山して10日ほど経ってこの印象だから本当に行くことはないだろう。
ではどこがいいかと問われれば栂海新道や黒戸尾根だろうか。
こちらのルートの方がまだ自然なライン取りができているように思う。

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