谷川岳万太郎谷

2012/7/14-16
坂口 桜井、大沼 桜井 記


盆休みに黒部上ノ廊下へ行こうという計画が上がってから大沼さんからその前にどこかトレニングをというリクエストがあった。
4月に入会してからいろんなところへ釣り山行はしていたようだが会のメンバーとどこへも行っていなかったので7月の3連休に実川を途中までという案があった。
当初SさんKさんという会員以外の方と行く予定であったがいろいろ変更があり最終的には坂口、大沼、桜井の三人で谷川岳を代表する万太郎谷へ行こうということになった。

7/14
小田急線鶴川駅集合でグッチの車で出発する。今日は早めに出発し越後湯沢で買い出し土樽駅周辺で宴会とする。アプローチと下山を考えたが土樽に車をデポし万太郎谷を詰めた後、谷川岳の稜線を回って茂倉新道を降りることにした。
天場を捜してみると吾作新道と茂倉新道の分岐から少し行ったところに広い駐車スペースがありゆっくりテントを張ることが出来た。

7/15
車を吾作新道の方へ少し移動させ関越道がすぐ見えるところにデポする。関越トンネルを見上げる高速道の下をくぐり登って行く。やがて万太郎谷に降りる地点で入渓の支度をする。いきなり変わった堰堤から始まり腰まで水に浸かるようになる。気温と天気は今一で水の中を積極的に入って行く気分にはならない。流水に磨かれたナメ床はこの谷の下部の美しさの特徴であり明るい渓相はとても素晴らしい。
時折、腰の深さまで水に入るがまだちょっと冷たいのは上流に雪渓があるからだろう。
途中魚止めの滝で釣り師2人と出会うがここは右から巻いて進む。やがて谷の中に関越道の排気塔が姿を見せる。自然の景色の中にあって何か異様な光景である。
下部の一つの見せ場である「オキドウキョウのトロ場」はわずかの距離を泳げばすんなり通れるのだがこの陽気ではそんな気分になれず少し様子を見に行ってから戻り右岸から巻いてしまった。
この後しばらく行くと大きな雪渓が現れた下を行くには狭いので左側から上を乗りこすことにする。スノーブリッジの通過はいつも怖いものがある。
やがて一の滝が現れる想像していたよりかなり大きく感じる。直登は右であるがすこし戻り右から大きく巻くことにする。ガイドにあるルンゼを登るが踏み跡がかすれている。やがてそれもなくなりしばらく草付の溝を登って行くがこれはどう考えてもルートじゃないなということで一旦懸垂で降りることにする。
少し登りすぎたのだろうということで今度はもう少し下から左のルートを探すことにする。今度は最初からロープを付けて登りだすがどうも左へ行けるラインが見いだせず結局さっきと同じところを登ることになる。ここから強引に左の灌木帯に突っ込んで左へ左へと猛烈なヤブ漕ぎをする。何か所か垂直に切れ落ちているところもあり灌木だけが頼りでぶら下がる場面も何か所もあった。なんとか見当を付け懸垂で1の滝の上部へ降り立つことが出来た。最初にに登りだしてから3時間が経っていてもうくたくたである。当初は2の滝上でビバークすることにしていたがもういい時間なのでこの先適当な場所を見つけて今夜の宿とする。
各人が用意した食料で酒を飲みながら焚火に当たる。これで魚があれば最高なのだが。

7/16
天気は薄曇りであるが雨の心配はないようだ。ビバークサイトから暫く行くと2の滝が現われる。ここは傾斜の緩い右側から明瞭な踏み跡を辿ってノーロープで登れる。
やがて最大の滝である3の滝が現れる。ここで本谷は大きく左へ曲っており正面に一本滝がかかっているが我々が登るのはその左の滝である。ルートは水流のすぐ右とさらに右に回り込んだ岩の所であるが水流近くは立っておりとても登る気にならない。
我々が登ったルートは右の凹角から左のリッジへ移りトラバースしていき最後は右へ移る。
二段目はバンドを水流の中を左へトラバースしてから左のリッジを登るとあるが水量が多く水流をトラバースするのは大変そうなので右側の壁を左上してトラバースし残置シュリンゲをつかんで小テラスに降りてルンゼに入った。このルンゼを少し登り細くなったところで左のブッシュ帯に突っ込むがそこからは明瞭な踏み跡がありそれを辿ってトラバースしていくと最後は滝の上に降り立つことが出来た。
ここを過ぎると後は大きな滝もないが小滝が結構連続して現れる。やがて水も涸れ稜線が見えてくるがここからが結構長い。熊笹と高原植物が咲き誇る中岩のルンゼを登って行くが昨日のヤブ漕ぎが結構効いてきてかなり疲れる。
やがて踏み跡に導かれていくと肩の小屋が見えてきた。暫く辿ると登山道に飛び出て小屋に到着し握手で終了する。小屋で買ったビールで乾杯とし大休止をする。ここまで結構時間がかかり土合に降りて電車で土樽へ向かうことも考えたが(時間的にはそう変わらなかった)当初の計画通り茂倉新道経由で土樽へ向かう。
トマの耳から先はもう何年振りだろうか。オキの耳を過ぎると人もほとんどいなくなり一の倉岳、茂倉岳を超えるともう登りはない。結構きれいな茂倉の避難小屋を過ぎると左下には昨日から辿ってきた万太郎谷がよく見下ろせる。さらにこの先長い長い道のりを下って車にたどり着いたころは暗くなっていた。それでも岩の湯に入り汗を流して帰った。

7/15 万太郎谷出合い8:20-オキドウキョウ10:00-一ノ滝13:20-ビバーク地17:00
7/16 ビバーク地6:40-二ノ滝7:00-三ノ滝7:50-肩ノ小屋13:00-土樽18:00

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