ウグイスの鳴く春の五竜岳東面

2002/4/26~29
メンバー:桜井・羽場・中島・横澤  羽場 記


4月26日(金)
八王子駅集合(除く、中島)。昨年は、羽場が遅れたので早めに集合場所に到着するも、今回は最寄駅のチャリンコ駐輪場が知らぬ間になくなっていたハプニングがあり、桜井リーダーが遅刻。桜井Lは日頃のトレーニング不足の上に、チャリンコの駅間移動による疲労が加わり前途多難な出発となった。

4月27日(土)
3時頃、神城駅着。徳山から名古屋まで各停で乗り継いで来た中島が既に熟睡しており、迎えられるでもなく、早速就寝。昨年の信濃森上駅よりも更に快適なステーション・ホテルでお薦め。

昨年同様6時頃には電車も動き出し、起床せざるを得ず。やおら起き出し、眠気眼のまま、各自持参の朝食を取り出す。豪華な朝食でもなく、時間もさほど費やすことも無く、また、費やす場所もなく、テレキャビン発着所に行くも、8時30分まで動かないとのことで、車の中でそれまで停滞。
テレキャビンが動き出しいざ出発。乗り場で、ザック料金を節約しようとした中島が、ザックを持ち上げつつ計量しようとしたがすぐに見破られ全員おとなしく正規料金を納入。気持ちよく出発。
テレキャビンを降り、9時過ぎにやおら歩き出す。今日はテン場までの約4時間少々の行程でもあり、のんびりと歩くこととなったが、桜井Lは少々お疲れでやや遅れ気味。大遠見への道半ばまでは天気もよく、五竜の割菱も唐松・白馬方面も見えていたが、徐々にガスも出始め、大遠見を過ぎる頃には、五竜も見えなくなった。
登るほどにガスは濃くなり、現在位置を見失うこととなり、テン場予定地を通過し、白岳の頂上まで登って、やっと現在位置を確認。思っていたコースタイムより早くついてしまったこともあり、頂上まで行くはめとなってしまった。重い荷を背負いよくも頂上まで登ったものだ。
全員頂上で揃ったところで小休止の後、同じ道を下山。下山する頃から徐々にガスも薄くなり、14時過ぎに中遠見尾根のテン場に着くころには現在位置もはっきりとわかるようになった。
15時過ぎにはテントの中に入り、てんでに惰眠を貪るなり、酒を飲むなりして時を過ごし、中島の徳山みやげ(ふぐの干物)で話も盛り上がるも、翌日に備えそこそこの時間帯に就寝。

4月28日(日)
本日はGⅡ中央稜を目指し5時45分テン場出発。見晴らしもよく、桜井Lはこれから登攀する稜線を撮影しつつシラタケ沢へ。傾斜はかなりあり、向かいの五竜の稜線を見ながら、あれを攀じるんだなと話しつつも、慎重に下降。下降したところで取り付く稜を皆で話し合うとこれがまた一致せず、桜井Lのビデオで確認をしつつ迷いながらも取り付き地点を決定。雪が少なく、過去の山行記録を見てもよくわからなかったのが、迷った主因であった。
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登り出しから急な傾斜で、久しぶりの雪稜にやや緊張。急な雪壁を登ると次は一つ目のピークと思われる壁に出あう。藪漕ぎ混じりの微妙な登りとなったがなんとかクリア。どうもGⅡの登攀記録と違うなと思いつつ登っていたが、桜井LからここはGⅣ・GⅤ中間稜のようだとの発言有り。そう言えば向かいの雪の無いざれた稜線がGⅡであることがわかる。怪我の功名か、GⅡでは雪稜登攀にはならないように思われた。
次はほんの1~2mのナイフエッジ(?)を通過した上に岩峰があるピークとなり、本日始めてロープを出すこととなった。登り切ったところは、尖峰となっており見栄えのするピークであった。この尖峰からの下りは、ピークのビレ点を使い下降となる。セカンドのビレイは下のビレイ点からほとんど形だけとなっていた。こんなとき中島はさっさとトップで降りてしまう。つめたい奴だ。次のピークは藪漕ぎ混じりの力づくの登りでクリア、やっと一段落し、しばし休憩。
GⅣ・Ⅴ中間稜のようであるがそう断定できたわけでもなかったことから、現在位置、先行きルート不明な状態にあり、これから進む方向をしばし議論。このとき全員「先はどうなるやらヒヤヒヤ」の状態であったことが後で判明。
左側ルンゼは雪がほとんどなく行くと手詰まりになる可能性がありやめる。(このルンゼを詰めるとGⅣ・Ⅴ中間稜の本来のコースだと後で判ったが、今シーズンは完登は無理なようだった。)右手GⅡ方向の雪壁はいやらしそうなので、先は見えねどGⅣとGⅣ・Ⅴ中間稜の間のルンゼの雪壁沿いに登ることに決めた。傾斜もかなりあり、かわるがわるステップを切って高度差で200m登ったところで、稜線の登山道に抜け11時に登攀完了。
『登山体系』にあった、ウグイスの声は無く、「こんな時期にウグイスが鳴くわきゃねえよな」と変に納得し、大休止。その後、五竜岳頂上まで40分、頂上から白岳経由、途中、小屋でガス補給をし、14時30分テン場着。
昨日同様の時間を過ごし就寝。明日はG0を登って帰ることにする。

4月29日(月)
今日はG0を登ることにしたが、コース取りでまたしても悩むも、6時5分前にテン場出発。今日は白岳への上り口の鞍部から下降。昨日より下りやすくGⅤへのアプローチでもこちらから下降したほうが楽だ。シラタケ沢に下りてしばらく行くと、メットとザックが目に入る。一瞬、オロクかとヒヤッとするが、人はおらず。(いったいなんだったんだろう?)20分程で取り付き点へ。
今日も見た目より急な雪壁から始まる。一つ目のピークらしきものを過ぎると雪も切れ口を開けているところに出る。右側ブッシュ帯を苦も無く登り、また雪壁に。トップをかわるがわる交代で登っていると、中島が「羽場さんの後は登りやすい」なんてことを言いだすも、見え見えでその手には乗らず。
桜井Lはビデオで皆を上からも下からも撮影する活躍を見せる。天気は快晴とは言えないまでも上るにはいい天気で、雪壁やハイマツ混じりのブッシュ帯を軽快に登り、9時G0の頭に到着。頭の手前で『ウグイスが鳴いたよな!』と感激。『登山体系』の昔と変わらぬことに感激。しばし休憩の後、白岳経由テン場の慣れた道に向け出発。途中、五竜頂上からシラタケ沢へ下降する山スキーヤーに会う。かなりな急斜面を苦も無く滑る技術に感心。goryu02
テントを撤収し、テレキャビンへ向け出発。桜井Lに鹿島槍の稜線を聞いたり、来年はどうしようかとか、後半の連休はこうしようとか話しつつ下山。昨年の例(八方尾根のゴンドラをただ乗り)もあるので、テレキャビンで再度ただ乗りの打診をするも鼻でせせら笑われてあえなく敗退。正規料金を支払い気持ちよく乗る。
帰り道、昼食で昨年は紙のようなカツを食べさせられたことから、慎重に店を選定し、ファミレスへ。慎重なはずであったが、やたら薄いコーヒーを飲まされ、中島憤慨。皆も試飲してみると中島の憤慨に納得、中島を焚きつけるも乗らず。
帰りの車は、運転手が沢山いたので楽な帰郷となった。中島は実家に1泊の後、南アに入山するとのこと。お元気なこと。

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