黒部・丸山東壁 左岩稜

1999/10/23~24
メンバー:宮城・木元(A.R.Ⅰ)  宮城 記


今シーズンの僕は過去に例の無いほどモチベーションに欠けていて、はとんど満足のいくクライミングなど皆無に等しかった。そんな日々が続くく最中、ある日木元氏から誘いがかかり、「たまには行くか・‥・。」とオヤシラズで腫れ上がったほっぺをおさえながら重い腰を上げて出先したのだった。
10/23、始発のトロリーバスで黒部ダムまで行き、不要品をデポし、左岩稜基部にAM9:15頃着。過去に僕はGWにしか来たことがないのでこのブッシュには焦ってしまう。木元氏リードでAM10:00登攀開始。
1P目 ノーロープ。
2P目 木元リード(以下つるべ)スラブ状フェースを直上後、もろいフエースを登る。
3P目 右にトラバース後、カンテに出て快適なA1で直上しビレイ点をパスし、そこより水平に左にイヤラシイトラバース。大木でビレイ。
4P目 木登りの後気持ちの良いA1からレッジに上がるフリーが鹿な感じ。木登りも普段やっ。たことないからここも恐ろしい。
5P目 頭上のハングは直登できず、左のブッシュand大木より強引に登りこ、フェースに出たら右にトラバースしカンテを直上、大テラスに出る。ここからの中央壁、右岩稜フランケ(敗退した京都府立大ルート)の景色がチヨー サイコー!
6P目 草付きカンテを直上。広場に出る。
7P目 悪いクラック草付きを登りA1でボルト2本のレッジへ。浅打ちなのでリスを掘ってエイリアン#3/4で補強する。
8P目 左のラダーからA1となり、ビレイ点直下のフリーは極悪である。
9P目 ボロボロの凹状を直上。大バンドに出る。
10P目 最初は洞穴横のハングから登ったがテラス上のピッチが悪く、とりあえず大バンドまで戻る。ふと敗退の文字が浮かんだがトポをよく研究し、10mくらい左の凹状草付きより登り始める。垂直プッシュを超えかん木にてビレイ。
11P目 右にトラバース後非常に悪い革付きを右上しザレテラスに出る。
12P目 ここよりヘッドライトをつけ暗くなるのに備える。トポには効きの悪い人工とあるが、そうは感じなかった。左上してからブッシュ凹角に入る。50m近くロープをのばし、広いテラスに出る。フォローの宮城は真暗の中を奇声を上げながら登った。
13P目 広いテラス状バンドを右に10Mくらいトラバース。やや外傾しているが安定したテラスでビバークとする。PM6:15。

10/24、AM5:30起床、AM6:45出発。本日も素晴らしい天気だ。
14P目 ノーロープで5m右にトラバースし、大木の生えた所より直上。木登りから露岩、そしてかん木帯へ。AOのピッチだが少々キツイが、右のコーナーにハンドクラックがあり、ジャミングばっちり。
15P目 かん木帯から草付きバンドを左上。
16P目 チムニーから右壁をA1、そして垂れ下がった枝へ。このピッチは少々キツイ。
17P目 垂れた枝を直上しすぎたので、足下の空間が素晴らしい大木をぐるりと回ってテラスに出る。
18P目 ブッシュ帯を直上後、凹状部を露岩にぶちあたるまで直上。
19P目 左にトラバース。立派な岩小屋を過ぎて大木でビレイ。
20P目 露岩沿いのバンド状を左上し、つきあたったら右上する。
21P目 プッシュ帯を直上、尾根へ。終了AM9:45。
1時間程大体止し、不要なギアをしまってから猛烈なプッシュ漕ぎでAM11:45北峰着。頂上は意外にヤプが多く、それほど展望はきかない。
さて問題の下降だが、踏跡は皆無に近く主峰に続く細い尾根をはずさないように忠実にたどり、うまく目印のスリングのかかった大木を発見。がなんとそこからは蛍光赤布が内蔵助平方面に続いており、楽々下山できた。黒部ダムにはPM14:45に到着。とても順調に進んだクライミングであったと思う。
最後に今までの僕の知識からすれば、「左岩稜」は冬ルートであると思っていたが、今回登ってみて決してそんなことはないと言い切れる。逆にこのようなルートを無雪期、積雪期問わず登って行けば、クライミングの楽しさをもっと深めてくれそうな気がする。

※ ギアはクラッシックルートなので一般装備+カム類少々。ロープは当然50m×2本がBEST。

※ トポに関して 日本の岩場のトポはだいぶ考えさせられる。出発前によく勉強しよう!

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