谷川岳一ノ倉沢衝立岩ダイレタトカンテ

1997/5/31
メンバー:伊平・飯田  伊平 記


金曜夜発で一の倉出合着が午前1時30分。小雨模様で天気予報も雨、明目は登れないだろうと安心して寝ていると、午前4時飯田さんに起こされる。外はどんよりと曇りで衝立にはガスがかかっていていかにも悪相に見える。雨になるのは時間の問題と思われたが、行けるとこまで行こうということで、出合いを午前4時50分に出発。
中央稜基部が午前5時40分、小雨がパラパラと来るがすぐあがる。天気が悪いせいか登ってくるのは嵓のパーティばかり。ここで準備をしてアンザイレンテラスに笹をつかんで登り、ここから15mほど右斜め下に懸垂で降りて取り付き到着。
午前7時登攀開始1P目、飯田リード。右側から巻くように易しいフリーで上部バンドにあがる。カンテの真下でビレー、35m。
2P目、伊平リード。ビレー点から右側のカンテに2mほど登って人工の始まり。垂壁を上部に見える斜めに切れ落ちたカンテの下を目指して真っすぐハーケンをたどる。ピンの数は沢山あり、間隔もそんなに遠くないが、ほとんどは古い錆付いて細くなったハーケンで延びきったリングボルトも少し混じっている。何本か最近打ったペツルがあり、はっとしてランナーを取る。カンテ下を少し左上して、カンテの側壁に沿って直上するが、カンテ下では左にトラバースする所で、左のあぶみに乗り移ろうとして、体重をかけたとたんハーケンが抜けてしまった。墜落はまぬがれたが、左手を延ばして縦リスにハーケンを打ち直す作業に時間を取られてしまった。雲稜第二の大ハング真下の直径25cmばかりの円筒形の岩の上に乗ってビレーとなる。40m。
3P目、飯田リード。大ハング下までハーケン、ボルトをたどり、大ハングの横からカンテのややかぶった側壁に移りカンテを乗り越す。このピッチには要所にはペツルが打ってある。カンテの上に出てすぐあぶみビレー、20m。
4P目、伊平リード。出てすぐに秋野・中田ルートのラインと交差する。右斜め上にトラバースしながら北稜を目指すが、ピンの数が少なく、良く探さないとラインがわかりずらい。フリーで少し登って人工がワンポイント入るといったパターンだが、トラバースなのでフリーの部分がいやらしく感じる。40mで北稜に入り立木でビレーして終了。午前11時、ちょうど4時間でした。
北稜の下降は良かったのですが、コップスラブの横断と衝立前沢の下降が雪渓で悪く、装備も無かったので苦労してしまい、出合い着は午後1時30分となってしまいました。
この時期、雪渓の装備はやはり持っていくべきでした。
天気も尻上がりに良くなり、順調に憧れの衝立に第一歩を印すことが出来ました。

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