北岳バットレス ビラミッドフェース~第四尾根主稜

1997/7/20
メンバー:田島寛・高橋・坂口  坂口 記


朝、4時半に白根御池をヘッドライトをつけて出発する。昨日、登撃具は下部岸壁にデポしてきたので、朝から軽快に歩く。寛さん、高橋君が今回のパートナーだ。
下部に6時ごろ到着。すでにかなりの数のパーティーがおり、さらに続々と大樺沢より登ってくるのが確認できる。
ビラミッドフェース、1P目取り付きがよく分からず、先行組について行く形で、今回の幕は開けた。どう見ても明らかにトポと異なるルートをAOで強引に越える。とても三級には思えない。
2P目、緩やかな草付きを左上する。どこでピッチを切って良いかわからず、しまいにはdガリーまで出てしまった。やや戻ってビレイ。
3P目、横断バンド下まで直上したいのだが、少ないピンに導かれ、右上する。
4P目、トラバース点まで行くには、今度は左上しなければならぬ。しかし、横断バンドの崩壊がひどく、這いずる。風化しており落石に冷や冷やする。見事に高橋君はこのトラバースでスイカ程の落石を下に落とした。
5P目、バンドを右上する。ここまでdガリーからトラバースしてくる奴等もいる。なかなか利口である。
6P目、逆層であるけれど、快適なクラック、フェースだ。
7P目、ここも快適。
8P目、このまま直上すると4尾根にでてしまうと思われるところで、ルートは左に巻く。
9P目、上部が垂直のコーナークラックを登る。なかなか手強く、クラックにはピンがないのでこのルート最大の核心地であろう。
10P目、四尾根への最終ピッチ。なるべく早くから右へ右へと行った方がザイルの操作、が楽と思われる。

第四尾根主稜

きっと晴れていれば、結構そのロケーションの良さで面白いのだろうけど、渋滞とガスのために、もうどうでもよくなっていた。頂上到着5時半。最後はただ疲れただけだ。急いで下山を開始する。テント場に戻ったのは8時前だった。

この後、三浦さんより相原遭難の報を聞く。軽い休息後、撤収、広河原へ。出合に到着したのは午前零時だった。長かった一日は終わることなく延長戦となった。

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