ジャンダルム飛騨尾根

1997/4/26~28
メンバー:山口博・節  節子 記


4/27 沢渡~上高地~岳沢~天狗沢~天狗のコル
4/28 天狗のコル~ジャングルム飛騨尾根~天狗のコル~天狗沢~岳沢~上高地~沢渡

4/27 晴れ。前日バス会社に確認しておいた5:30発の始発バスは、ゲートが開く8:00までは出ないという。この路線は、建設省やら環境庁やら警察やらが複雑にからんでいてシーズン初めや、工事があるときなど地元タクシーの人でも、とにかく現地に行かないと情報がつかめないらしい。おかげで上高地を出発したのは、予定時間をかなり遅れて9:15になってしまった。連休前半は飛び石の休みのせいか、岳沢に入る人は少なくテントも3張のみだった。天狗沢にはトレースがなく、バテバテになって登った。天狗のコル着17:00。
4/28 5:20起床。空はどんより曇っているが、視界は充分あり周囲の山々はまだくっきりと見えている。6:30にテントを出発し、約2時間程でジャンダルムとコブ尾根ノ頭の間のコルに着く。ここから急峻な雪渓を下降するのだが、私にとってはあまりにも傾斜が強く、取り付きへのトラバース点までの40分、ほとんど後ろむきで下りていった。このトラバースでロープを出す。
1P目、2P目は2級~3級程度の岩稜をそれぞれ約40mほどロープを伸ばす。ハーケンは両方のピッチとも2ヶ所打たれていた。3P目、クラックを左上、結構高度感があり緊張する。4P目、出だしから快適なフェースを40m程登る。  5P目、3m程のクライミングダウン。岩と岩の間が50cm程切れていて飛び移る感じだが、ソロリソロリと腰を低くして移動する。後は雪の付いた岩稜となる。6P目、ナイフエッジを15m程トラバースし、カンテを超えてクライミングダウンとトラバース。この後そのままやさしい岩稜を登り、終了になるのだが、私たちはここで終了し、急な雪壁をトラバースしてコルに出る。コル者12時10分。この頃からパラパラと降っていた雪が吹雪に変わり、終了点から天狗のコルへの下りの稜線は、ベットリと雪が付き緊張の連続だった。途中で西穂まで縦走予定という3人パーティを追い抜き、天狗のコルについたのは2時半を過ぎていた。テントが60cmはど埋まっており掘り出すのに1時間近くかかってしまった。
その間、追い抜いた3人パーティが下りてきて「西穂への縦走をやめて天狗沢を下ることにした」と言って私たちの一足先に下りて行った。彼らは「新穂高温泉に車が置いてある」と言っていたが、またどこかを登り返すのだろうか。とにかく彼らのおかげでトレースがつき上高地には6時30分着。ゲート閉鎖の7時にギリギリ間に合った。
今回は天気に恵まれなかったが、晴れていればジャングルム飛騨尾根は、アプローチは大変だけどブッシュもなく、スッキリしていて快適な登攀が楽しめると思う。

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