八ヶ岳大同心ルンゼ大滝

1997/12/27
メンバー:田島寛・伊平  伊平 記


冬合宿、八ヶ岳集中の初日は赤岳鉱泉までのボッカ。小田桐さんはジャンボエスパース、田島さんはすき焼きの生材料、伊平は大鍋と、肩と心臓と足に悪い。
赤岳鉱泉に天幕を設営し終わったのは、午後1時過ぎ。絶好の天気に、空元気を出して田島さんと噂の大同心大滝をチョット見学してくることに。
大同心ルンゼに入り40分程で5mの小滝となり、アイゼンをつける。この上でルンゼが左に曲がると噂の大滝が見えてきた。
「オー・・・で・か・い」ちょっとビビる。「まあ、見学だけだから」。間近で大滝をよく観察すると、基部20mかなり立った中間部15m、落ち口からスドンと落ちている最上部の氷柱15mと3つに分かれている。1パーティが取り付いていた。
「せっかくだから基部まで」なめ滝を快適に越えて基部まで。「ついでだから取り付きのビレー点を確認しておこう」基部をノーロープで登り出す。緩傾斜に見えたが左側は垂直のつららで登れず、右側も途中Ⅳ級程度となる。
基部落ちロを左に横断すると左側草付きの霧岩にベツルの支点がある。このビレー点から見ると中間部も中央付近は10m位が垂直に近い。(2日後にここを登った時にはV級-に感じた)「でも、ここまで来たから上部の支点も見ておこう」
先行の終了を待って、ロープを出し傾斜の強い中央を避け左側の氷の薄いカンテ沿いにスクリューを1本打って、最上部の氷柱の基部まで登る。西日がまともに当たっているので氷が溶けて表面を水が流れ、氷質は悪い。最上部の氷柱の基部左側は岩のくばみになっていて、ベツルの支点がある。ここは氷柱の裏側もよく見え、2~3人は安定して立てる。先行のトップが奮闘している。
遠く中央アルプスに日が暮れようとしていたが「だめもとでチヨットやってみる」先行が終わるのを待って、伊平、最上部左側の浅い凹角に取り付く。出だしで1本、2m程でもう1本とスクリューでランナーをとる。さすがに傾斜がきつくスクリューを打つ間が辛い。さらに2m程で次のスクリューを打つが左手がパンプしそうで、アックスからフィフィでテンションを取るというインチキをしていたらアックスがはずれあえなく墜落。下の2本のスクリューはがっちり効いており大丈夫。
しかし、落ちた衝撃で左足のアイゼンも外れてしまい、田島さんの所まで降ろしてもらう。この頃には、とっぶりと日も暮れてきて再度挑戦する意欲もなくなり支点を回収して懸垂する。
大滝最上部氷柱3分の1で敗退でしたが、Ⅴ級の氷にリードでチャレンジしたのでまあいいか。言い訳すれば、ボッカで疲れていたのと、行き当たりばったりだったことです。

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