荒川出合ネルトンフォール

1997/2/9
メンバー:宮城・小林・伊平  伊平 記


建国記念日の飛び石連休を利用して、南アルプス荒川出合の氷瀑にチャレンジアイス!
土曜日夜、小林さんの車で出発中央高速甲府南インターから国道52号線をたどり、奈良田温泉から野呂川林道に入ると、いきなり奈良田第一発電所横のトンネル入口のゲートが閉まっており冬期通行止となっている。
あわよくば野呂川林道を荒川出合まで車で入れるかなと考えていたが、ここから歩くとなるとまだ10kmはある。思案をしながらゲートを調べてみると、鍵は掛かっていない。しかし、車で入ってしまってからゲートの鍵を閉められたら一大事。入るか入るまいか3
人で相談するも決心がつかず、時間も遅いのでその場所に天幕を張って仮眠する事とした。
翌朝7時、車の音で目がさめる。天幕から覗いて見ると、クライマーらしき車が2台ゲート前に止まっている。すると、宮城さんが「新保さんこんにちは」と大きな声。あのアイスクライミングで有名なチーム84の新保さんでした。新保さん達はいとも気掛こゲートを開け「じゃあ行こう」と車で入って行ってしまい、別パーティの1台も続いて入るので、皆で入れば柿くないと我々もあわてて天幕を撤収して車で林道に入り、。荒川出合まで僅か30分の楽ちんドライブで到者、悩むことはなかった。
出合で3ルンゼに行くという他のパーティと別れ、我々はネルトンフォールに向かう。ネルトンフォールは、出合手前に連続するトンネルのうち「驚住随道」の側壁にかかっている氷瀑で、アプローチはこの「驚住随道」の次の「蝮山随道」の入口手前の林道が広くなって駐車ができる場所から野呂川の川原に隆り、左岸に渡り少し戻ると良い。
左岸の広い川原で準備し、10時40分、川を渡って右岸のネルトンフォール基部の緩傾斜の氷を10mほど登り、氷瀑左寄りに取り付きスナーグ2本でアンカーを取る。
1P目、宮城さんリードでⅡ級程度の氷壁左寄りを快適に登る。プロテクションはスナーグとスクリュウーの3本、水質はやや軟らかい。40mで氷瀑左寄りの露岩のボルト2本でビレーとなる。
2P目、宮城さんリード。上部左壁に見えるビレー点のスリングを目指して直上する。上に行くに従って傾斜も増してきて、ビレー点直下では80度、Ⅳ+となるが、登っていると垂直に感じる。プロテクションはスナーグとスクリュウーの3本、上部に行くと氷の表面を水が流れている部分もある。45mで左壁にあるボルト2本のビレー点となるが5mほどのトラバースが非常に悪い。
3P目、このルートの核心で、ビレー点から氷瀑中央部にトラバースして直上するが80度・Ⅴ-の25mが苦しい。水質が軟らかくスクリュウーを打っても効いていないようで落ちられない。トップの宮城さんの新兵器22本爪のアイス用アイゼンがバス、バスと音を立てて氷壁に食い込むが、楽ではなさそうである。スナーグとスクリュウー併せて5本のプロテクションを取り45mで落ち口上の潅木でビレーとなり終了。13時20分。下降は同ルート懸垂。
氷は軟らか目ですが、ビレ一点はボルトで安定しており。適度な緊張感の素晴らしいルートです。

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