赤岳西壁主稜

1997/3/2
メンバー:田島寛・相原  相原 記


3月1、2日で石尊稜と赤岳主稜に登る計画だったが、1日は悪天で登攀出来ず翌2日、主稜を目指して出発した。遭難稗の所からトラバースすると聞いていたのでとりあえず遭難碑まで登ってしまったが、他のパーティは30mほど下からトラバースしていたようだ。遭難稗を見ると、「赤岳西壁に眠る 享年二十三歳」などと書いてある。僕と同じ年齢だ・・・。最高にブルーな気分で登攀開始。
素直にトラバースしていくと、主稜の側壁に突き当たった。側壁に沿って登っていくと、ハーケンが一本打ってあり、そこを登ると4mくらいの垂壁の下に出た。
垂壁の上には傾斜の緩い雪壁が続いている。田島さんが取りつくが、なかなか厳しそうで登ったり下りたりしている。この日は風が強く、昨日降り積もった雪が絶えまなく滝のように流れ落ちてきて、目出帽や手袋がバリバリに凍り、のっぴきならない状態になった。田島さんが「ザイル出そうか?」と言うのでザイルを出してもらって登る。しかし流れ落ちる雪のために足元を見ることもままならず、腕に頼って強引に登った。ここだけで僕は結構弱気になってしまったが、田島さんは「じゃあ、このまま雪壁をリードしてくれるかな?」と、あっさりと、しかもにこやかに言うので、僕も気を取り直して雪壁を登っていった。雪壁を登りきると稜線であった。正しく取りついたパーティーが左から続々と登ってくる。
ここから易しい雪稜、雪壁を3ピッチ登るとⅡくらいの岩場がある。岩場を抜けてから再び雪稜、雪壁を登ると、終了である。すぐ上が一般登山道で、5分ほどで赤岳北峰の頂上に着いた。
最初のピッチだけが強烈に印象に残ってしまった。文三郎尾根を登りながら、もっとルートとか取りつきを確認しておくべきだった。主稜自体は、ノーザイルで登る人がいるほど易しいルートである。

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