甲斐駒ヶ岳赤石沢Aフランケ毒蜘蛛ルート

1994/8/5~8
佐藤 記


8/5
甲府より広河原でバスを乗り換えて、北沢峠へ。
仙水峠を経て、甲斐駒から黒戸尾根に差しかかると雨が降ってきた。それもそのうち止み、八合目の岩小舎にたどり着く(尾根を登って来た人にとっては、石の鳥居をくぐり、広場から100mほど行って左に降りた所が岩小舎)。
今年は、八丈バンドをかなり降りないと、水を得ることはできなかった。
8/6
とりあえず取付へ下る。踏跡は何本かあるのだが、マーキングもあるので、問題なく行けるだろう。
13:30過ぎに取り付く。1P目は40mということなのでどんどん進む。そろそろビレイポイントがあるはずだが、上にはテラスがあるようだ。行ってみると、そこは泉州会左ルートの2P目の終了点だった。
今日のうちに、ロープだけ延ばしておこうと考える。左ヘトラバースし、毒蜘蛛3P目に合流して大テラスヘ。こちらでビバークしようと思い直し、残業で荷上げをした。
8/7
7:00をかなり回ってから、4P目開始。フリーの後は残置ラダーと思っていたら、自分でセットしなければならなかった。でもピトンスカのおかげで楽だ。
5P目。ここもピンスカが多い。ストッパーが有効だ。そのまま6P目のボルトラダーも続ける。
7P目も残置ギ多い。
8P目は荷上げが大変。バカヤローとクソッタレーの連発で、終わったら17:00。
ボロい9P目は、ラインの都合上、ホールバッグを担いでユマーリング。またも汚い言葉が口を突く。
薄暗いブッシュ帯の10P目を終えたのは、19:30近くだった。そのまま終了点でビバークする。
8/8
ホールバッグをあっちこっちに引っ掛けながら、1時間ほどかけて八合目に戻る。普通ならその半分の時間か。
かったるい黒戸尾根を下り、夕方に横手駒ヶ岳神社に着いた(ところで黒戸尾根は、登るにしても下るにしても冬の方が楽だと思う。特に笹ノ平の上のあたりの道は雪があった方が歩きやすい)。
バス停はここからさらに歩いた集落の中にあるのだが、本数が少ない。神社からタクシーを呼んで日野春駅へ(中型で約3600円)。

Aフランケは日当たりが良いので、この時季は非常に喉が渇きます。私は壁の中だけで、水を4.5L消費しました。

使用ギア:
ロストアロー1セット、アングル(1/2)1~2本、ナイフプレード1~2本、ストッパー1セット、キャメロット(#4を除く)1セット、エイリアン(3/8~3/4)1セット、リベットハンガー

《参照》『岩と雪』128号

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