滝谷ドーム中央稜

1993/8/13
メンバー:山本・成田  山本 記


前日に第三尾根からドーム中央稜に継続する予定だったが、途中でルートを間違えて9人の神戸山岳会に追い抜かれて時間切れとなったため、やり残した分を今日やることになった。
起床4時。涸沢出発5時。南稜ののぼりは昨日の疲れもあってか、なかなかはかどらない。二人ともC沢は二度と下りたくないので昨日の第三尾根の終了点から逆行することにする。稜線に出てドームの頭を過ぎ、白いペンキでバツ印のある踏跡が第三尾根伝っているのを下っていく。踏跡が途切れて尾根が恐竜の背のように細くなってから、慎重にクライムダウンすると、やがてT1の懸垂下降点に着く。下降のザイルは2本繋げればT2から中央稜への踏跡に余裕で着く。
中央稜の1ピッチ目はそれらしいルートがたくさんあって解かりにくい。まず踏跡をたどって右手に見えるクラックは、のほると三尾根にいってしまう。左手の少しねた凹角が正しいルートで、そこの左隣の凹角にもピンがあって登れるが難しい。二人は結局難しいほうに入ってしまった。(取り付き9時)
最初は山本がリードするが、ルートの中程でカラビナが尽きてしまい、情けないがテンションでおりる。交代で成田が行くがやはり苦労している。次の5級のピッチは快適なフェースである。ガラガラの道をザイルを引っ掛けながら数十m歩いて、次のピッチは4級の凹角になる。
凹角の上部は直上するのと垂直の岩を左に巻く行き方とあるようだが直上する。人間くらいある細長いチョックストンをつかんでいくが、どうも動きそうな気がしてならない。こんな岩がおっこちたらビレヤーも、順番待ちの人も全滅だろうなとおもうが思い切っていく。
最後の5級のピッチで雨が降りはじめ、岩場がぬれないうちにのぼりきろうと焦る。
終了点から登山道までは割とすっきりしていて、クラック尾根のパーティーと交信をする。天気が崩れてきたのでドーム北壁に行くのをやめにして、クラック尾根パーティが待つという北穂の頂上へ向かう。

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