丹沢玄倉川小川谷廊下

1993/6/19
メンバー:木元・山本・立木   記


消防署での救護訓練の前日、沢でも登ろうという話になり遠藤さん、裕さんと一緒に玄倉に向かった。
当初の予定ではモチコシ沢に行くつもりだったが朝起きると雨、何となく登る気がしなくなってしまう。同じ登るなら下山の楽な小川谷にしないかと相談したら「うん、いいよ。」と、二人とも気持ちよく同意してくれたので、すぐに車に乗って穴ノ平橋に向かった。
以前裕さんは小川谷廊下に来た事があると言うので取り付きはすぐわかるかと思ったが、あまりに昔のことなので(嵓に入会する前との事)よくわからず荒れたルンゼを降りるはめになってしまった。そこから堰堤をはしごで三つばかり降りると小川谷の出合いとなった。
心配していた増水もなく。水温も高くて水の中に入るのはぜんぜん苦痛ではない。沢を登るのに最適のコンディションだった。遡行を始めてすぐに沢をふさぐ大岩に行き当たった。ここは裕さんが前に来たとき越えられずに敗退した場所だというが、今回は右側の倒木をたどって簡単に登ることができた。あまりに楽すぎて裕さんは納得がいかなかったみたいだが、倒木がなかったら苦労したにちがいない。
そこから先は楽しい遡行が続いた。もっと簡単な沢かと思っていたが意外とそうでもなかった。私も滝のリードに失敗して釜にはまったし、高巻でも一歩が悪くてザイルを出したところもあった。しかし、難しいい所は遠藤さんがトップで登ってくれたので助かった。クライミングはうまいし水も恐れない。いつの間にこんなに積極的になったのかと驚いてしまった。
また、上部の釜や淵にlま魚の泳いでいる姿が見られた。放流ものだとは思うが何だか嬉しくなってしまう。昨夜も鹿やタヌキの姿を見かけたし、自然の豊かな場所なのだなあと感じさせられた。
しかし、そんな小川谷に今、大規模な治山工事が計画されている。というつり人社から発行されている「渓流93」という雑誌によると、堰堤が少なくても19コは建設されるらしい。そんなことをしたら小川谷はメチャメチャになってしまう。さらに、丹沢全体に道路網を作る「やまなみネットワーク構想」という計画もあるという記事を読んで、非常に暗い気分になってしまった。建設を進める側にもいろいろ言い分はあるだろうが、山は一度崩してしまったら元には戻らないものなのでもう少し慎重に考えて欲しいものだ。

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