奥秩父ヌク沢左股右沢遡行記

1992/6/12
メンバー:江本・字賀田  字賀田 記


一ノ倉の中央カンテヘM氏、N氏と行く予定となっていたので、数日前から、家で夜、ヌンチャクやビナの手入れをしたり、ルート図を見直したりしていた。
今年初めての一ノ倉入りということで自分なりに気合が入っているなあと思っていた。しかし、当日になってM氏より都合で行けなくなったので中止と電話連絡がありガックリ、捨てる神あれば、拾う神ありで、1時間もたたづに江本さんから奥秩父の沢に行こうよとのおさそいがあり、二つ返事でOK、目的の沢は現場で決めようと相談。
夜10時新宿を出発、中央高速は順調に流れ、12時に西沢渓谷の駐車場へ到着。酒を酌みかわしながら、明日の目的はヌク沢、左股右沢と決める。
明朝7時ちょっと過ぎに駐車場を出発、出合いの下から潮行開始。近丸新道の渡渉点を8時25分に通過、二又に9時30分、以前来たときにはなかった林道の橋が上部200m程の所に新設されていて、ここまで開発の手が延びたことを実感させられる。
このあと、核心部の三段260mの大滝となった。下段80mは右側を上る。あまり傾斜は強くないが、スケールは大きい。中段100mは中程の水流通しにルートを取った。ちょっと苔がついていてすべる。
最後の上段80mは江本さん(エモヤング)は水流左側から、私は右側から登り、中程でザラザラの砂まじりの凹角を登るが不安定きわまりない。マントリングでどうにか乗越したが、途中残置ハーケンもあったので、ロープで確保すべきだったと反省!するほど恐かった。落口の上から見下ろすとやはり260mの高度感はたいしたものである。
このあとうつくしいナメやナメ滝を遡行、ヤブこぎもなく、コケ蒸した樹林の中をたどって登山道へとび出した。時に11時30分。
このあと木賊山まで足を延ばし、近丸新道経由で下山、3時ちょっと前、ベテランの江本氏と、まだ中年とはいえ、若さの残る私、足のそろった2人パーティーのため、コース標準時間を2時間程短縮する快速であった。
また近丸新道の下りは石楠花の淡いピンクの花が満開であった。ここには何回も来ているが、こんなにみごとな石楠花を見たのは初めてであった。
又高度が高いためか、つつじの群落がたいそう立派な花をつけていた。これは今回の山旅のおまけであった。

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