一ノ倉沢 4ルンゼ

1993/3/7
メンバー 桜井・立木 立木記


冬の4ルンゼ、決してむずかしいという印象はないが、雪崩の通り道であるということと、ミスをおかせばそのまま本谷のシュルンドへすいこまれてしまうというプレッシャーはある。
実はこのルートへ取り付くのは2度目で昨年はガスの中で夜間登攀をしたため、まちがって二の沢へ入ってしまうというミスをおかしてしまった。いわゆる今回は雪辱戦というわけだ。パートナーは同じく桜井氏、といってもアンザイレンはしない。ビレイポイントもなく、トップが落ちればセカンドもろともシュルンド行きとなってしまうからだ。
今回は月あかりの中、自然と我々を本谷へとみちびいてくれる。シュルンドをさぐりながら4ルンゼをつめると段々と傾斜もでて、雪崩にみがかれて雪もかたくなる。
F1~F3は問題なく、ただしF4は完全な氷登りとなるので緊張させられる。F4より上部はカール状となりルートを右へとりながらあとはひたすら、一ノ倉岳めざして登ってゆく、一ノ倉岳まで実質的5時間程であった。
決してむずかしいルートではないが、夜間登攀というまるでヨーロッパアルプスを思わせるような雰囲気がある。長いルートを休むことなく、一気にかけぬけて、稜線を歩いて帰ってくる。これぞアルピニズム本来の姿ではないかと思わずにはいられない。

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