992/8/29
メンバー:松岡・遠藤 遠藤 記
つつと進まない、足踏み状態の前線やら台風やらで、夏合宿が未消化のまま過ぎ、夏後半ガツガツと週末を埋めにかかる。3、4ケ月ぶり復帰の松岡さんとⅤ字左が土曜日、木元さんと正面フェースが日曜日やっとお腹いっぱいになった。どちらも私の提案でない。
明るく開けたという文章とは裏腹に写真に見る幽ノ沢は、絵になるもののオドロオドロのイメージ。必ずしも良くない。考えても見なかったルートだ。4時20分未だ暗いなか、三スラ組を夢の中で送る。もうひと寝入り。
6時出発、少し遅いか。聞くしにまさる、何ともお粗末な薮がらみの出合い。しかしそれにつながるすばらしいナメ床の連続、一挙両得沢登りと楽しんだ。と思いきや朝一のひと滑り。雪渓の消えた水はなまぬるく一ノ倉とは大いに違う。松岡氏は、アルコール発散にひたすらエネルギーを注ぐ。
ぱっと開けたカールボーデン、誰もいない(この日はわれわれのパーティのみ)広さのためか傾斜が良くつかめない。ザイルを出すか否かで何となく登ってしまうところだ。岩は真っ白に乾いていて快適だ。振り返れば結構な高度感だ。右に見えるⅤ字の壁だけは、黒く濡れ型をなしている。
どこまでがアプローチなのか、適当なところでザイルを出す。右俣リンネからトラパースしたところで、ほんの少しの懸垂。十年前の記憶をたどる松岡氏、少々取り付きを探してウロウロ。ないようなあるようなピンを頼りに、とりあえず核心部の下まで行く。まな板状の壁の右端に、2、3ピンが見え隠れすも。結局右端カンテ状を右から廻り込んで左上。
流れてはいないものの、しっかり濡れている。アブミの掛け変えで、上の小ハング下を左にトラパース。見えなくなったところで声がかかる。
ピンは本のとおりしっかりある。ハーケンの音も聞こえた。慎重な松岡さんのこと、安心してセカンドを楽しませてもらった。ハング下かぶりぎみのトラパース、落ちたらふられる。しかしながらガバガバっと、スタンス、ホールドともあり。これで、草付混じりに入る。
ほぼ終了か?とんでもなかった。スラブ状の岩があるうちはまだしも、笹をつかんでのゴボウには消耗し、尾根に出るのに大分時間を費やした。
芝倉沢経由、出合着5:30。三スラ組写真班の下野氏とチューハイで乾杯。無事に帰れて良かった。松岡さんに感謝。