八ヶ岳横岳大同心雲稜ルート

1992/12/6
メンバー:立木・平舘・佐藤(寿)  佐藤(寿) 記


前日、裏同心ルンゼを詰めて、確かめておいた取付に着いたのが7時頃。今日は暗いうちに大同心稜を登ってきた。天気もよく、先行パーティもいない。さらに雪もなく、壁は黒々としている。
1ピッチめ、佐藤。空身で取り付く。数回のアブミを使い、テラスに着く。ここはセカンド以降はユマーリングのため、ロープを固定する。
2ピッチめ、佐藤。「冬季クライミング」にはスラブ状のフェイスを登るとあるが、行けそうな別のラインを進むと、1ポイントのA1でこのピッチは終わる。オールフリーも十分可能だと思う。ただ残置は少ない。
3、4ピッチめは立木さんのリード。Ⅲ~Ⅳで問題となる箇所はない。バンドを右ヘトラバースすると、肩に出る。風当たりが強くなる。南稜を上がってくるパーティが見える。ドームの壁の方に目をやると、これは見覚えがある風景だ(CJ51号の表紙)
ドームは、はじめは平舘さんが行くはずだったが、腕があがってしまったため、佐藤がリードする。取付から少しフリーで、後はずっとアブミだ。途中でカンテヘ移ったところで、アブミが舞い上がる。ようやく冬壁らしくなってきた。暖かな終了点に出て、ロープを固定する。このピッチも後続はユマーリングだ。全員が揃って時計を見ると、取り付いてからほほ6時間が経過していた。
この後、稜線から硫黄岳経由で、赤岳鉱泉へ戻った。
今回、冬壁というのがためらわれるほどの好条件のなかで、6時間もかかってしまったのは情けないが、初めてのマルチピッチを通してのアイゼン手袋登攀で、いろいろと収穫があった(しまった、俺だけユマーリングしてなかった。そのせいか、大晦日の4尾根では泣かされた。

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