谷川岳一ノ倉沢衝立岩雲稜第2ルート

1992/8/23
メンバー:山口・佐藤(寿) 佐藤(寿) 記


当初の予定では桜井さんと佐藤で本庄ルートを登るはずであった。が、紆余曲折の未にテールリッジにおいて、山口さんと佐藤の2人が雲稜第2ルートを行くこととなる。中央稜基部までは、南稜へ向かう桜井さん・本郷さん・立木さん・下野さん・杉浦さんと同行する。
7時過ぎに登り始める。1ピッチめは山口さんのリードで雲稜第1ルートのラインを進む。第2のオリジナルを行く人はほとんどいないらしい。
2ピッチめ、佐藤。右へ移って、折り返すように少し左へ。アブミを取り出し、ハングにぶつかるまで直上。そこから右手にある鳥のくちばしを目指す。ビレイ点はそのすぐ向こう側にあった。ぶら下がり気味なので、ビレイシートを忘れたことが悔やまれる。
3ピッチめは核心の大ハングである。ロープがすっきりと流れていくのを見るのは気持ちがよいものだ。自分ならあの様にランニングが取っていけるだろうかと考えつつ、写真を撮る。
4ピッチめは、A1とⅣが適当に交じっていて、ここがいちばん楽しかった。このピッチの終了点では、木の根元に座ってビレイができる。
5ピッチめは左へ寄って、1mほどのハングを越える。山口さんの姿がハングに隠れるころ、中央稜の基部から本郷さんがエールを送ってくれた。つづいて下野さんも姿を現わす。他の人たちは稜線回りで下山するようだ。
6ピッチめ。もうアブミは要らない。ついうっかりと1本めのピトンを見落とし、注意されてしまった(何しろビレイ点がヤワだから)。途中でピッチを切れる場所があったのだが、このまま最後まで行ってしまおうと思い、直上する。草付をホールドにしながら7-8m行ったところで、山口さんから「そこはルートではないだろう」との御指摘が入る。右のカンテの陰に終了点があるようだが、トラバースで行くのはきつそう。指示により、そこにあったリングボルトを使って、テンションで降りる(このあたりから衝立の頭に抜けるラインがあるらしいとのこと。他にハーケンも打ってあった〉。
とばしたビレイ点から右へ行き、それから上がる。ルートの終わりだ。山口さんが両肩にロープを振り分けながら登ってくる。おっちょこちよいの新人が降りた後、ロープが引っかかってしまい、1本は外してきたためである。どうもすみません。あれさえなければ、6時間半もかからなかったはずです。
しかし考えてみれば、そのようなことも含めてのコースタイムなのだ。まだまだ修行が足りませんな、と思いながら北稜を降りた。

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