一ノ倉沢烏帽子奥壁凹状岩壁

1992/6/27
メンバー:鈴木(直)・本郷  本郷 記


6月26日夜、直樹氏と荻窪駅に集合し一の倉へ向けて出発する。
途中で中央カンテを予定している秦さんら四人と合流する。
今回我々は二の沢右壁を目指すが、一の倉に近づくにつれ路面が濡れてきて明日の壁の状態が心配される。
結局、あんまり一の倉が濡れているのと天気が長くは保たないということでルートを変更しようということで意見が一致した。
さてどこにしようかという話になり、直樹氏は幽の沢の直登ルートがいいというが私は、濡れてる幽の沢は恐くていやなので手ごろな凹状がいいのではないかということで話は決まった。
翌朝テールリッジを登っていると思いの他、天気がよく凹状ではもったいないかとも思った。
7時に中央稜取り付きに到着し、ギヤを付け一服してからトラバースを始める。凹状の取り付きには、1パーティ先行がいて「中央カンテですか。」と聞いたら、「凹状です。」と言われ、失礼ながらあまりうまそうなパーティには見えなかった ので続いて同ルートを登っても待たされるだけだと思い、奏さん達に先に登ってもらう。
秦さんと村上さん、直さんと私、根布さんと佐藤さんの順で登ることにする。
1、2、3ピッチと快調にザイルを伸ばし、わずか30分で核心の4ピッチ目のビレ一点に着く。ここで先行にしばらく待たされ、登るのを見ているとトップがアブミを使い回収できずに残直していく。つづくフォローもアブミが回収できずに苦労している。
確かに濡れているので難しい感じがして我々も苦労しそうだなと思ったら問題なくフリーで登れた。直さんが先行と話をしてみたら彼らは、凹状と南稜を継続の予定で今年エルキャピタンのシールド(5.11A3)へ行く予定だという。実はすごい人達なのであった。
さて、4ピッチ目は直さんのリードで垂直に近い凹角(左のフェースの方が楽)を登り、5ピッチ目は本郷リードで凹角を回り込んでハングを越してピナクルに上がる。私はルートファインディングが悪くハングを直登してしまったが(AO)、ハングを左から巻いた方が楽らしい。(直樹氏談)
6、7ピッチ目は順番待ちしながら、フェースと草付きを登ったのであまり憶えていない。
最終ピッチがなかなか面白く、フェースを左上してクラックを登ったら終了である。衝立の頭へ行って、食事をしながらこの沢を見るとまだでっかいブロックが上部に残っていてやっぱり右壁に取り付かなくて正解だったと思った。
北稜を懸垂して前沢を降りて午前中に出合に戻ることができた。みんな降りてくるまで時間がありそうなのでビールを買いに行き、昼寝をしながらボーツとして過ごす。なんだか藤原雅一みたいな気分だなあと直さんと話す。
そうこうしているうちに秦さんから南稜を懸垂中だと連結が入った。最近は、以前のように暗くなってから帰ってくるという人がいなくなった。やはり早起きは、いいことなのだ。前の晩の飲み過ぎには、注意しましょう。(私だけでしょうか。)

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