北岳バットレスクライミング

1992/8/9~13
メンバー:成田・他2名  成田 記


 8/9
23:00入会以前の仲間の小野君と八王子で集合。
  8/10
白根御池小屋にテントを張り、バットレス下部岩壁を下見に行く。今年は残雪が多く、Cガリー末端に着くまでに雪渓で手こずる。やっとの思いで雪渓を回り込み、クライミングを開始する。1ピッチ目はルートが良くわからず、ビレイポイントを見つけるのにも苦労した。
2ピッチ目は4級ということであるが、これもルートが良くわからない。今日はこれで終了にし、下降する。明日のアプローチはb沢から入り、C沢の右端から雪渓を回り込み、Cガリーの大滝に取り付く。
  8/11
予定通りアプローチするが、よく見ると昨日の1ピッチ目は左に巻き道があることに気づく。昨日の1ピッチ目はまったくのおまけであったわけだ。本当の1ピッチ目は下見のおかげで難なく通過。2ピッチ目は右のブッシュ帯に抜けるはずだが、ルートが良くわからないため左に逃げる。(先行パーティがそうした)3ピッチ目は右にトラバースした後直上してブッシュ帯に入る。緩傾斜帯を歩いて四尾根の取り付きにつくが、2時間を要する厳しいウォーミングアップであった。
四尾根主稜に入ると急に楽しいクライミングに変るが、先程からの腹痛がひどくなり、岩にへばりついたまま立ち止まってしまうこともあった。よくこんな体調で登っているものだと我ながら感心してしまう。それにしても、ここは大変素晴らしい景観だ。雲がわいているため、遠望はきかないが、中央稜や三尾根、眼下の雪渓など、クライマーみょうりにつきる。  3メートルの垂壁は腹痛がひどいのでアブミを使う。ラッペルも無事終え、3ピッチ登ると楽しかったクライミングも終了だ。テントに戻れば細雪嬢と入会以前の仲間のレイバック岩田が待っている。肩の小屋で彼らのビールを買い(御池小屋では売り切れていた。)テントへ直行すると彼らがいない。今夜以降の食糧は彼らが持ってくることになっている。6時にトランシーバーのスイッチを入れると連絡が入った。トラブルがあって出発が遅れたとのこと。また、大樺沢は増水しているため、屋根道に戻ることになる。途中で何度か交信したが、気が付くと熟睡していた。24時頃に彼らがへとへとになってたどりつき、ビールとおでんの食事を済まして眠る。明日は、予定変更し、ピラミッドフェースにし、明後日中央稜ということにする。
  8/12
雨のためクライミング中止。小野は下山する。小野は結婚のため、これが最後のクライミングとなる。
  8/13
雨のためクライミング中止。停滞しても、8/14の朝は下山しなければならないため今日下山する。
今回は予定の3分の1しかクライミングできず、しかも、矢野嬢とレイバック岩田は何もしないで下山することになってしまい、心残りの山行になってしまった。

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