谷川岳一ノ倉沢2ルンゼ~Bルンゼ

1992/9/14
メンバー:下野・村上 下野 記


出合出発:7:00
2ルンゼ取りつき:9:00
〃   終了:12:30
Bルンゼ 〃 :15:00
出合着 :18:00

前日の幽ノ沢は事故で駄目になり、唯一人、来るかどうかわからない村上さんをテントで待つ。来ない模様なので、一人でしこたま酒を飲んで夜を過ごした。
朝、キジに外へ出ると、村上さんが、ひよっこり立っていた。聞けば、タベ10:00頃に着いていたという。(一緒に飲めなくて残念)さっそく、何処へ行くか検討して、今日は2ルンゼ、明日は凹状と決めた。
2ルンゼは過去2度、挑戦しようとして、結果をだせなかったので、山本のかたきを取る為にも、今回は絶対にのぽりたいと思った。敗退は許されないと考えると、テールリッジを登りながら緊張が湧いてきた。
秋のせいか、一の倉の人の流れが、いつもと違う様で衝立に1パーティー、烏帽子に1パーティー、後は2ルンゼに1パーティー、3ルンゼに4パーティー、本谷にもいる様で圧倒的に滝沢側が多い。
南稜テラスで急いで仕度をして取りつく。天気も信用できず、時間も余裕なさそうなので、少々あせりながらのスタート。
1P目村上さんのリード、3Pで核心につく。濡れているので気持が悪い。そこを過ぎると、しばらく歩き再び4P程で、終了点のザッテルに到着。その頃には、ガスが濃くなっていて、ほとんど視界がきかない。広河原に降りてみても、滝沢スラブも見えなければ、上部のルンゼも見えない。自分もこの目で見たかったし、村上さんにも見せてあげたいと思っていたので、このガスには残念。
だいたいの見当をつけて、1つのルンゼに入ってみたがどうも違う様だ。隣りのルンゼにトラバースし、そこがBルンゼかどうか自信のないまま、快適な滝をのぽり、だんだんと草付へと入っていった。 それにしても嫌なガスですでに草はビショビショ。今日の核心はルンゼの濡れた草付と、そこのルートファインディングだと考えていたので気が重い。人が入っているはずのBルンゼにしては、踏跡がまばらで、要所のハーケン。ボルトも悪すぎる。
けさの出掛けには「悪い処は、全てザイルを出す」と決意していたにもかかわらず、自然とヤバい処へ踏み込んでしまい、少々アセる。慎重に、慎重に、身体を運びやっと稜線に抜ける。行動3時間、ガイドブックには、1.5時間とあるので少々かかりすぎか。ともあれ、抜けた時は正直ホッとした。例によって、新潟側は、ガス1つない快晴で、新ためて、この山のいやらしさを味った次第。
今回、念願だった本谷側のルンゼが1つのぼれて本当にうれしかった。ルンゼ自体滞れているのが悪いというだけで、特に核心の処はない。ないけれども、だから面白くないというのではなく、沢のぼりの様な大古典ルートの2ルンゼには、先人達の息づかいが感じられるようで、幸福な気持になれる。皆んなもなれると思う。是非オススメです。
ちなみにラバーソールより、フェルトがいいと思う。それと濡れた草付は、それなりの覚悟を持参していかないとアセる。

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