衝立岩正面壁雲稜第一ルート

1991/7/6
メンバー:尾原・本郷  本郷 記


7月6日、前夜の大雨でほとんどあきらめていたため、朝あまりの天気のよさにびっくりして起きる。すっかり出遅れである。
急いで車をとばして出合へ行き、いつものようにテールリッジを登る。天気が悪いという予報のため、衝立には雲稜第一に1パーティいるだけである。YCCの女性二人パーティーで一人は、小柳美佐子さんであった。
グリズリーをやるというので、しばらく中央稜基部で観戦するが濡れているのであきらめたらしくアブミをだしたところで我々も出発する。
アンザイレンテラスよりの1ピッチ目本郷リードでスタート。傾斜は、強いがホールドも堅い快適なフリーである。しかし前日の雨で所々濡れている。ここで先行がつかえているため、しばらく待つ。
2ピッチ目尾原氏リード。第1ハングの乗っ越しである。3m程の張り出しでピンも所々遠く結構腕にくる。
ここで尾原氏が先行に追いついたのだがなにやら小柳さんと話をしていて意気投合のようである。しばらくすると二人で2ショットの所を撮ってくれという。しかたないので、カメラを構えると二人でアブミに乗ったままピースしている。ぱかばかしくなったが、しょうがないので撮ってあげる。
尾原さんは小柳さんがたいへん気に入ったようで「小柳さんはかわいい」を連発していた。ついに尾原さんにも春がくるかどうかはこれからの腕しだいであろう。
3ピッチ目本郷リード。このピッチは、第2ハングまでのトラバースのピンが悪い。第2ハング自体はピンも近くてやさしく特に印象はなかった。
4ピッチ目尾原氏リード。A1で左上のピッチでここは軽くクリアする。
5ピッチ目本郷リード。第3ハングの乗っこしだが、見た目は岩が脆そうであまりリードしたくなかったが、行ってみると結構しっかりしていてピンもよく効いていた。
そのまま凹角を登りボサテラスヘ到着。ここは、たいへん安定していて眺めもいい。よくここまで登ったもんだと一人いい気分にひたってしまった。
6ピッチ目尾原氏リード。今回ここがたいへん悪かった。ビショビショに濡れていてたいへんむずかしく、残畳もあまりない。洞穴テラスに到着。上から水が滝のように落ちてくる。
7ピッチ目本郷リード。洞穴ハングの乗っこし。ピンは近いがルートの最後のハングであるためとにかく腕にくる。
8ピッチ目尾原氏リード。傾斜の落ちた草付きを慎重にのぼり、もう1ピッチ本郷リードで草付きを登って、ついに衝立の頭へ到着。たいへん充実した気分であった。
下降は、北稜を6ピッチの懸垂。コップスラブへ降り立ってますますうれしさが増してきた。雲稜第一は、ずっと登りたかったルートなので今回登れてたいへん幸せであった。パートナーの尾原さんにも心からありがとうと言いたい。

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