一ノ倉沢中央稜

1989/9/24
メンバー:鈴木(博)・立木 立木 記


9月の会山行は連休を利用し、初日は基礎的訓練、2日目は、登攀ということにした。今回、鈴木、立木の両名はまだ未熱ではあるが、簡単で2人で登れるルートをということで、烏帽子沢奥壁中央カンテに目標を定めた。
ザイルを組むのは、今回が初めてのパーティーである。いざ当日、前夜のバーベキュー・パーティーが盛り上がり過ぎて、皆2日酔いぎみで出足が遅れた。3ルンゼ、雲稜第2グループとテールリッジをつめる。中央稜基部についたのも遅く、時間的に中央カンテは無理と判断、てっとり早く目の前にある中央稜に変更する。
右手の衝立では、不思議ルートを登攀中のパーティーが見える。しかし、中央稜基部より見る衝立のものすごさ、正直怖いと思う。
さて、1ピッチ目、左上して40m上のテラスまでザイルをのばす、テラス下がⅣ級となっているが、Ⅳ級という感じは受けない。鈴木氏がのぼってくる。2ピッチ目、鈴木氏が左へ回り込みすぐ見えなくなるが、しばらくザイルがのびない。
ルートが判らないので登って来てくれとコールがくるのでそこまで行く。私もよく判らなかったが烏帽子側の壁が上までスラブ状で続いている。白い残置シュリンゲがゆれている。まよわず少し難かしそうだが、左へ回り込みながら、小さなカンテを越え、そこから右へ3ピッチ目のテラスへとのばす。
さて、3ピッチ目カンテを右に回り込み、第2フェース側を登る。だんだん高度感も出てくる。AOで登る。4ピッチ目、凹角を登る。チムニー状のところはぬれているのでフェースを登る。上のテラスに出る手前がきついAOで突破、下まですっぱり切れていて高度感抜群である。その上は、3級の草付帯を登る。
その上で、2時をまわる。トランシーバーで交信して下にいる松野氏に相談する。行ってしまえばとのことで続行する。6ピッチ目を終え、そろそろ降りないとまずいと思い、トランシーバーで交信していると、3ルンゼの中川氏よりもう下降しろと入ってくる。仕方がないが2~3級の150mを残し、下降する事にする。
5ピッチの懸垂で中央稜基部につく。ちょうど3ルンゼ組も合流、全員6名でテールリッジを下降する。
しかしヘッドランプをわすれており、テールリッジ下部にて真暗となり、ヒョングリの滝の高巻き付近では何も見えない。中川氏のヘッドランプを借りて降りる。山での基本である。2度とこんな事のないように気を付けなければなるまい。
それでも、今回自分達だけで登れたという気分は最高である。これで、今年の一ノ倉はもう終りか、さて、来年はダイレクトカンテへでも行ってみたいと思う。

追記) このあと10/10に中川、桜井、立木の3名で雲稜第2に行ってしまい、見事に私の実力不足で敗退してきました。
桜井、中川両氏は、6m程のはり出しハングを見事に越えて行きました。下から見ていても、もの凄い高度感、ハングでぶら下がっているともっと凄い高度感、やはり簡単には登らせてくれない衝立だった。

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