3峰B尾根登攀を振り返って

鈴木 博道 記

5月4日午前7時、昨日の荒れた天気がうそのような快晴の中、BCを出発する。
唐松の稜線を経て、急な下りを降り、C尾根の基部に着く。そこで一服しながら登攀の準備をすまし、B尾根の取り付きまでトラバースをし、午前9時に登攀を開始する。
と、ここまでは極めて順調であったのだが、雪稜の登攀等というものは、生まれて初めての経験であり、慣れないことやとまどうことばかりの緊張のし通しで、精神的に参ってしまい、途中で何回引き返したいと思ったことか。ただひたすら無我夢中で、山口さんと松元さんの後をついて行き、木登りと雪壁のトラバースを何回かくり返したら、終わっていたというのが正直なところです。
いま振り返って見ると、最初から最後まで山口さんと松元さんにお世話になり放しではあったが、大変学ぶことの多い貴重な山行でありました。また、全員登り終わった時に松元さんが言った、「登攀終了3時半」という言葉が大変印後に残っています。

古川 佳男 記

クライミングと言う言葉、良く耳にする言葉ですが、「実際に体験」と成ると不安が高まるものを感じました。そんな自分が不帰東面をアンザイレンで体験できたことは、先輩の皆さんの良き指導があってのみ可能だったことは言うまでもありません。
そんなクライミングで起きてはならないことが起きてしまった。それは「滑落」という出来事です。その瞬間自分を失いました。目に入って来る状況は「雪渓の雪が線と成って、私の目の前を通過していく」そんな様でした。その間、何秒かわかりませんが、「ふと」自分に返ると滑落停止の態勢をとっていなかった事に気ずき、次にザイルが有んだ!!と思ったことです。
何メートル滑落したか後でわかった事ですが、15メートル~20メートル程ではなかったかな?!と思う。
滑落停止と言う行動!!それは一瞬出来るものではなく、様々な体験の中で教えられるもので有り、決して訓練だけで完成されるものではないことも実感しました。
今回の山行でクライミングの面白さ、そしてスポーツなんだ!!と感じた事は有りません。ルート山行は味わう事の出来ない感激が有る事も知りました。「やみつきに成ってしまう」そんな言葉がキャンプの中でとびだす程だった。又行動中の中で使う言葉もだんだん理解出来る様な気がした。早く理解できるだけでなく会話に参加出来る日が来る事を願って自分のはずかしいクライミング山行の一話と致します。

戻る

Bookmark this on Yahoo Bookmark
Bookmark this on Google Bookmarks