富士山雪訓

1989/11/25~26
メンバー:松元・秦・中川・桜井・松野・立木・浦野・尾原・鈴木(直)・(滝口) 鈴木(直) 記


先発隊ということで3時に新宿で待ち合わせ、中川さん、松野さん、浦野さんと山口さんからお借りした車で出発する。道は快適で、富士吉田までは順調に行くが、林道がものすごい。前後左右上下に船のように揺られながら進み、7時過ぎにようやく佐藤小屋に到着。早速車内では宴が進み、さっさとシュラフにくるまってしまった。後発隊は12時過ぎに着いたようだ。
翌朝、寒さをこらえながら仕度をして、8時に出発。じぐざぐの道を登り出す。幸運にも空は青く、風すらない。悪評高き突風を覚悟していたが、実に穏やかな天候である。北アルプス、八ヶ岳、丹沢等が遠く見渡せる。
6合目を過ぎ、7台目の小屋に着いたのが10時過ぎ。ここらで、頂上を目指す組と雪上訓練を行なう組とに分かれる。我々雪上訓練組(松元、松野、浦野、尾原、滝口、鈴木)は、大沢のなだらかな雪の斜面に向かって降り、滑落停止の訓練でごった返す?中に割って入る。
さて、松元指導員の指示のもと、登山靴でのキックステップ、アイゼンを着けての歩行訓練から始める。“このくらい、別にトレーニングなど積まなくても出来る”とたかをくくっていたが、なかなかどうして難しいものである。やはり、何に限らず基本が分かっていなければダメということか。
次に耐風姿勢を学ぶと、いよいよ滑落停止。大事なゴアのウェアを身にまとう我々はボロボロになるのではと恐れたが、そんなことはおかまいなく、訓練は始まる。
背中から滑るのを止める基本的な型から入り、頭から突っ込んだ場合、横から倒れた場合等、考えられる様々な転び方からの滑落停止を学ぶ。
やはり、わきで見るようには中々止まらないものである。わきがあまくてピッケルに体重が乗っていなかったり、アイゼンを付けた足が雪面に着いてしまったりとその度に注意を受ける。
我々が自ら転ぶ姿は、まるで柔道の受身の練習の様であったが、最後には松元さんに突き飛ばされての滑落停止という荒修行もあった。ひととおり訓練が終った2時頃にちょうど登頂組が帰ってきて合流、佐藤小屋へと戻る。
眼下に見える山中湖と、富士吉田の市街地には、午後の日差しを受けた富士山の影が台形状にのび、この山の大きさを見せつけていた。
小屋に着いた後は、車で真っ先に富士吉田にある焼肉食い放題を目指し、10時前に無事新宿に戻り着く。

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