八ケ岳赤岳西壁主稜(センターリッジ)

1988/3/6
山口・中川・桜井・松野


5日午後、早めに東京出発。美濃戸口からは雪道となる。4WD車を見るとチェーンなしで走っているが我々はチェーンを装着して先へ進むものの、結局1km程しか行くことが出来なかった。美濃戸山荘までおよそ40分、山荘から行者小屋に向かって1時間程ライトを点けて歩きテント設営。夕食はスキヤキである。
6日(日)4時起床、出発6時。行者小屋着7時30分。行者小屋から眺める赤岳西壁は岩稜などが複雑に入り組みどこがセンターリッジやらわかりにくい。しかし文三郎尾根の左側、西壁中央にくい込んでいる沢をそのままつめて行くにしたがい、リッジの姿が明瞭になってくる。
滝に行くてを遮られる所で雪壁を左にトラバースし、岩稜上に出た地点が取付である。
取付き点には先行パーティが2組いた。この2組4人はおなじ仲間のようで2人ペアで登っているのは良いのだが、それぞれダブルのザイルでキッチリと時間をかけて登ってくれている。このまま後についていたらたまらないため、途中、3ピッチ目でリッジの右側の岩場を回り込んでこの先行パーティを追い越すことにした。
ルートはほとんど岩稜通しに登るためルートを間違えることもなく、日陰で寒いことをのぞけば快適な登攀に終始する。(今回、登攀中の気温は-15度であった)
終了点まではピッチの切り方にもよるがおよそ8ピッチ前後である。核心部は5ピッチ目あたりに出てくる岩場で、一旦右側壁に回り込んでから岩稜上に抜ける凹角部である。傾斜も強く高度感の出る所だ。
凹角内には残置ハーケンが1本あるものの、雪に隠れていたためにトップの中川は気づかなかったようで、多少緊張させられたようである。
登攀終了12時。実質の登攀時間は3時間ほどだったが休みなく行動を続けたためかなり疲れを感じた。
下降は石室小屋経由で途中シリセードを交え、またたく間に行者小屋に着く。下降の楽なことは八ケ岳の特徴といってもよい。むしろ、行者小屋から美濃戸までの方が長く疲れる。
途中、テントを撤収し美濃戸口着16時。

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