八ヶ岳・横岳西壁・石尊稜、ジョウゴ沢

1995/12/9~10
メンバー:立木・本元・杉浦・小林  小林  記


山に登るにはまず形から入ろうと思い、さかいやスポーツに行き(小川さんすいません)ピッケルとバイルとアイスクライミング用アイゼンを買い込む。そうなるとどうしても「魔異世羽流の法則」が働き、山に行きたくなる。そこで今回は木元さんにお願いして、石尊稜に行くことになった。果たしてどのようになることかと思う。何故なら私は、恥ずかしいことではあるが、まだ冬壁に登ったことがなかったのである。まあでもこれからは、登ることにしたので皆さんどうか誘ってやってください。
9日の朝美濃戸を出発して、赤岳鉱泉にテントを張る。そこでギアの確認をして、いざ出発。しかしあまり体の調子が良くないので、少しペースが落ちる。雪の斜面をラッセルしながら登り、木が立ち並んでいるところでアイゼンを付ける。どうやらここかららしい。
まず下部岩壁からだ。立木・杉浦パーティが先行して、そして我々のパーティの番である。1ピッチ目、2ピッチ目は問題なく通過するが、3ピッチ目は少し難しそうだ。木元さんリードで通過するが、自分の番になるとなかなか登れない。この時は「もっとアイゼントレーニングをしておけばよかった」と心に反省の二文字を刻み込んでしまった。まず右上しながら8mはど登ると支点が一つ見つかる。所々岩が脆いので、注意しながら登りたいところだ。そして今度は左上しながら行くと、支点が一つありさらに上がビレイ点である。好きな木から、ビレイを取ると良い。ここで下郡岩壁は終了する。
ここからは、コンテイニュアスで移動することになった。下部岩壁で時間を取ってしまったので、先行パーティが豆粒のようになってしまった。そして上部岩壁にたどり着く。
上部岩壁は、はっきり言って私でも簡単に登れるところだった。ザイルを出したのはわずか2ピッチである。左上しながら登っていくとビレイ点があり、そこからは少し右上気味に登る。そうすると終りである。あとはガレ場を登っていくと稜線に出る。
今回は非常に天候がよく、快適な山行日和であった。もっと練習を積んで、他のところにも行きたいと思う。

— これより第二部の始まり —

さすが12月にもなると、八ヶ岳の寒さは一層拍車がかかってくる。晩飯を済ませ、そしてお楽しみの「お酒タイム」である。しかしあまりにも石尊稜で遅かったので、少し自信をなくしてしまい、酒が進まない。木元さんが「明日は中山尾根に行こう」と声を掛けてくれるが、どうも行く気が起こらない。それにアイスクライミングをやりたかったので、木元さんには申し訳ないのだが、ジョウゴ沢に行くことにしてもらった。そしたら急に酒が美味くなり、心地よく眠りにつけた。
朝眠い目を擦りながらテントの中で朝飯を食べていると、「ドカーン」「キャー」とおもての方から何か悲鳴が聞こえてくる。とっさに私は「解決、魔異世羽流マンとしては、助けに行かなくては」と思ったが、朝飯の途中だったので次の機会にすることにした。木元さんの報告によると、三軒隣のテントが中でガスコンロを爆発させたらしく、テントは穴だらけだったそうだ。
さて気を取り直して出発することになり、立木さんたちと別れる。ジョウゴ沢は、アプローチがとても短くて、すぐに取り付けた。しかし物凄い人であったため、木元さんと唖然としてしまい、取り敢えずF1で練習するがすぐにF2に移動することにした。だがジョウゴ沢は許してくれなかった。ほとんど東京ドームの巨人戦のように満員御礼状態。そのため、左に分かれる沢があったので、そこにエスケープすることにした。そこには5~6mぐらいの滝があり、そこで少しアイスクライミングを楽しむことにした。その後に、沢を詰めていくが途中で、やはりと思い斜面を掛け降りジョウゴ沢に戻ることにした。そこからもやはり混んでいて、なんか気が抜けてしまいF4まで行って戻ることにした。降りていく途中にF2上部の右に沢があり、そこを詰めていくと何と大きい滝が出てきた。折角だからということで、取り敢えずキジを打ってから登ることにした。
氷の状態が良いので「やっぱりこれがアイスクライミングだな」と嬉しくなってしまい、バイルを打ち込む手に一層気合いが入ってしまった。そこの滝は、1ピッチしかないのでトップロープで楽しみ、少し満足して下山することにした。

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