横岳西壁大同心ルンゼ “垂直の城砦を攻略せよ”は最高!

1995/12/31
メンバー:村上・宮城  宮城 記


楽しさグレード:☆☆☆☆☆

12/30、八ヶ岳冬合宿の為、赤岳鉱泉に入山。この日は吹雪の中、村上さん、吉江さん、宮城でジョウゴ沢で遊ぶ。
12/31、阿弥陀岳北稜に行く鈴木博さん、鈴木直さん、坂口さんを見送った後、字賀田さん、村上さん、吉江さん、宮城で大同心ルンゼに向かう。トレースは途中から小同心稜に続いているため、大滝までラッセルが必要であった。パーティは僕達の他に奈良のパーテーだけである。
さて、ルートは廣川健太郎の“アイスクライミング”に載っているように下部が容易で上部10M程が垂直でとても難しい。ペツル・ボルトとリング・ボルトが3~4本打ってあるテラスまで宮城リードで登り出す。がこの間前の奈良の4人パーティーの内最後の2人がえらく遅いオヤジ達でトータルで2時間程は待たされたろうか!
先に書いたテラスまでは4程度だろう。村上さんを迎え吉江さん、宇賀田さんを確保していたら、今回は断念するとの事。では先に急ごうと思っても奈良の遅オヤジがずっとねばっていて特に一番最後が質悪かったね。だって無数にテンションがかかるのはあきらめがつくが、テンションをかける度に「折角登ったのに落ちてく、落ちてく・・・。」や「僕を応援してくださいね。がんはるから・・・。」とまあ呆れたもんで村上さんと2人で能書はいいから早く登っとくれ!と陰口をたたいてしまう。
やっと順番が回ってきた。村上さんがリードで垂直の城砦に挑む。ルートは左ルートである。彼にとっては登りたかったルートの一つに違いない。1m程トラバースし、直上に入る。そこから2~3m登ってスクリューとピトンを固め打ちをして「宮城、行くぞ。」のかけ声で破壊力抜群のダブルアックスで登っていく。
更に2~3m登ったたところで1本決め、アイゼンのツァッケを確実に蹴り込んでいく。その姿を見ていると人間のパワーもバカにはできん、と思う。
しばらくして「ビレイ解除!」。とうとう僕の出番だ。めちゃくちゃ緊張しているが、下では宇賀田さん、吉江さんがカメラを構えているからカッコ悪くはできないし、当然さっきのオヤジのようになる訳にはいかぬ。
トラバースを終え少々登った所で早くもテンション。情けないけど結構キツイぜ。本当に垂直なのよ。V+ともなると足の立ち込み以上に腕力(握力も入る)が相当必要になってくる。めちゃくちゃ四苦八苦しながら第2ポイントのピン抜きにかかるが腕力に限界がきてしまった宮城くんはここでもテンション。ここを抜けるとやや頃斜が緩くなり、村上さんの顔が見えてくる。
先行パーティーの都合で少々手前でピッチを切っていたためそのまま従来の右岸にある大木まで上がり終了。
核心部を越えたのでここよりロープダブルでアプザイレン。鉱泉で祝杯を上げ、この日の内に字賀田さんと宮城は下山し、今回の冬合宿は終わったのである。

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