米子沢

1995/9/29~10/1
メンバー:山本(裕)・佐藤・小林・杉野  佐藤 記


金曜の夜、新宿を発ち米子橋先の駐車場に着いたのは夜中過ぎていた。
天幕の中で少々飲んだあとシュラフへ潜りこむ。
目が覚め外を見渡すと、登山教室の方々と共に、山口さんの姿が見える。行動は別の予定であるが嬉いものである。私たちは、これから朝食の準備であるため出発はだいぶ後になってからだ。空は薄日が差す程度でそれ程よい天気とは言えないが、日焼け止めクリームは塗らなくても良さそうだ、と思いつつ河原を歩けば、最初からもうヨロヨロである。
1時間程歩いた後出会う、30m滝と3段40m滝は遡行図どおり。しっかりした巻道を行く。続く小滝や滑滝を越していき、途中何度かロープを出してもらう。
上部ゴルジュも入口の6m滝は右から超えると本に書いてあるのだが、滝の落ち口にトラバースするその一歩がどうしても怖く、入ってはならぬと書いてある左岸の踏後に入るしかない。実はこの場所は、私が学生のときあやまちをおかした場所であり、その踏後から沢に隆りることができずに。稜線へと追い上げられてしまったのだ。結局は。そのままヤブを漕ぎ続け巻機山稜まで辿り、米子沢のメインイベントである大ナメは見ずじまいであった。
今回も少々迷ったのだが。どうも山口さんの話によるとこの踏後から沢に隆りることも可ということがわかり、なんというかとことなしに沢に隆り立つことが出来た。
そしてこのゴルジュ帯を抜けると待望の大ナメである。このあたりになると。段々と紅葉が、彩り鮮やかにのってきていてこの時期にしか出合うことのできない姿を見せてくれる。山肌にフカフカと茂る枯草も、夕刻になると収穫期の稲穂色に染まり。熊笹の緑やナナカマドの赤がいいコントラストだ。こんなとき、ボキャブラリーの少ない私は「rわ。わ。キレー、スゴーイ」としか言えず、一句詠むこともできないのが悔しい。
ナメも終わり、辺りの稜線が目線に近づいてくると二俣に出合うが。本によってはそのひとつ前の技沢が記されていないものもあるので。ややもするとその技沢を二俣と勘違いするかもしれない。この二俣で巻機の稜線と小屋へ直接出られる方に分かれるようになるのだが。元気な若いいお兄様達(山本、小林、杉野)は、稜線まわりで、私は楽をして。登山教室の方々と直接小屋へ上がることにする。
この二俣から小屋へは20分とあるのだが、途中紅葉を堪能し、野生するヘビ(?)イチゴやブルーベリーをたらふく口にしながら道草をくったため、結局小屋に着いたのは稜線まわりの3人と同時刻であった。(17:00頃)。
天幕を立てたときは、もう辺りは闇の中であったが、翌日は1~2時間の下山のみということで、ゆっくりと飲むことができた。米子沢は。是非一度訪れたい沢です。あー、この山がこの沢を作り、その清冽な水は田を潤し。新潟のおいしいお酒を造っていくのだなあと。しみじみ思うことでしょう。

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