谷川岳一ノ倉沢南稜フランケ

1996/8/4
メンバー:木元・宮城 宮城 記


とうとうこの自分も、南稜フランケという大舞台に挑戦する時がやってきた。パートナーの木元さんと前々より計画していて、その頃からの緊張感が今最大級となっている。

8/4、AM4:10起床。ほとんどの人間がまだ眠っている。それにしても素晴らしい残雪の多さで、楽々にテールリッジに取り付いてVERY NICE。我々が当然一番乗りだ。快調に飛ばして、AM5:40くらいに取り付き着。自分にとって一ノ倉沢は昨年の10月以来であり、しかも烏帽子沢奥壁方面に来たのは学生時代に単独で登った2ルンゼ以来でもあり、何もかもが新鮮である。見上げる奥壁は意外と傾斜がねていて、プレッシャーはほとんど0となっていた。AM6:00 START。

1P目、宮城リード: カチホールドがたくさんあり、猛烈なランナウトを覚倍してたが、問題なく適度にピンがあり立派なB.Pにたどり着く。このピッチ間違いなくⅣ+程度。
2P目、木元リード: 見た目ですぐに分かる草付きの凹角を登る。ランナウトしながら左上し、行きづまったところで右にトラパース。1本完璧なロストアローが打ってある。バンドは浮き石多く注意。
3P目、宮城リード: 出だしでリングボルトにクリップし、続いて下向きのリスに打たれたピトンにセット。カチホールドぱっちりで楽しいの一言。後半に15m程ランナウトしてしまった。が乾いている為、不安無し。フェース・クライミングの楽しさを教えてくれるピッチだ。
4P目、木元リード: 細かいフェースをバンドまで上がる。そしてトラバース。右上後、安定したテラスに上がる。トラバースがイヤらしい。実はこの辺トポは異なり、ルートファインデイングに注意したい。
5P目、宮城リード: 頭上にYCC右ルートの大クラックを見ながら、傾斜の強い最後のフェースを登る。すぐ隣には南稜パーティのコールが聞こえ、フィナーレも近い。変化の無いフェースに飽きて、途中草付きの踏跡をたよりに南稜にトラバース。いやいや、南稜フランケはあっけなく終わってしまった。

登攀時間3時間10分

* ショート・ルートではあったが、素晴らしいい所であった。だが間違いは絶対許されぬルートであり、ラインを聞違えても決して動揺しない心と自信を持って取り付いてもらいたい。

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