2019/4/28-鹿島槍東尾根

今年のGW前半は、会のメンバー3名で鹿島槍東尾根を企画。

4月28日(金)
夕刻、大町に集合。天候はイマイチで、鹿島槍方面は雲で覆われ何も見えず。近くの低山の上の方にもうっすら雪が付いているので、鹿島槍は降雪に違いない。ひとしきり宴会の後車中泊。

4月29日(土)
翌朝は好天で、北アルプスの山々を一望。コンビニで朝を済ませ、大谷原駐車場へ到着したのが6時半頃。準備をして7時過ぎ出発。今季アイスクライミングに熱中してほとんど歩いていないため、歩き出しからかなり辛い、、リーダーS氏も「こんな重い荷物を持ったのは去年のGW以来」だそう(ちなみに昨年のGWは杓子岳双子尾根)。うっすら雪の積もった林道を登ることしばし。道が大きくカーブした少し先にピンクテープが。しかし、薄い雪がついていて踏み後はなく、「こんなところ登るのか」という感じ。ズルズル滑る藪の急登、重い荷物が足に来る、、ようやくちゃんとした雪が現れはじめるけれど、注意しないとズボッと穴にはまります、、トレースはしっかりあり。

11時過ぎ、一の沢の頭着。暑いし荷物は重いし、もうヘロヘロです。テン泊予定地の二ノ沢の頭と思わしき高点は遥か彼方、あ、あそこまで行くのか、、ここでテン泊でもいいんじゃないっすかね~

一ノ沢の頭から先はナイフリッジがいくつも現れ、中には足の幅くらいしかない所も。落ちたら間違いなくお陀仏です。

13時頃、ようやく二ノ沢の頭着。先行パーティーが一組(2人)、テントを張ってのんびりくつろいでいました。結局、今回の鹿島槍東尾根はこの先行パーティーと我々の二組だけ。他の方々のGW中の記録を見ると渋滞していたと書いてあるものが多かったのでちょっと拍子抜け。ただ、そのおかげでテン場はほぼ貸し切り状態。暖かいので外に雪のテーブルを拵えて大宴会となりました。豚キムチーズ、エビ水餃子、ピェンロー鍋でお腹一杯となり、18時頃には就寝。

4月30日(火)
3時起床。朝から良い天気。でも午後から下り坂の予報です。軽量化のため、夏用シュラフ+シュラフカバーで来たけれど、やっぱりちょっと寒かった。朝飯は各々カップラーメンをすすり、お茶を飲んで準備して5時には出発。

いくつかの急登、ナイフリッジを過ぎ、第一岩峰着。半分以上グズグズの雪壁という感じ。支点まで50mロープでギリギリ。支点から上も急な雪壁なので念のためロープを使用。Wアックスはあってもなくても。

第一岩峰から第二岩峰も結構な歩きで、第二岩峰到着は9時頃。

チョックストーンの手前でピッチを切り、リーダーが空身で核心を突破。他の方の書いた記録に、「左壁にアイゼンをかけられるところがある」とあったので、よく見てみると、あるある、足の短い私にはちょっと遠くて股裂きになりそうだけど、あそこに足がかかれば大丈夫。で、足はちゃんとひっかかり、楽々突破!したのに、その後なぜか体があがらない。な、なんでだ!ふと下を見るとヌンチャクからロープを抜くのを失念している、、私はセカンドだったのでロープ途中のエイトノットにカラビナをかけて登っていたのだった、、どうにか抜こうと試みたものの、抜けない。もうちょっと、というところで左壁にかかっていた足がすっぽ抜け、、リーダー曰く「大物が釣れた」。後続のK氏も苦戦の模様。リーダー曰く、「また大物が釣れた」

第二岩峰を超えたらすぐに北峰到着かと思いきや、次々と続く急登。ようやく北峰に着いたのは11時半。

泊予定地の冷池山荘まで行くには更に南峰を越えないと。これがまた遠いのです、、南峰には12時50分到着。南峰からしばし下った布引山付近で軽装の女性に遭遇。これから鹿島槍に行って冷池山荘に戻りますとのこと。ナップザックみたいのしか背負ってないし、何かあったらどうするんだろう、ヘッデンとかちゃんと持っているのだろうか、と心配しつつ更に下ると、今度は何も背負わず両手にストックで登って来る男性に遭遇。ここは高尾山じゃないんだけど大丈夫かな。

冷池山荘まで広い雪原をダラダラ下ります。なかなか山荘は見えず、もういい加減にしてくれ~と何度も思った頃に冷池山荘のテン場に到着。なぜかテン場だけ全く雪が積もっておらず、岩がゴロゴロ。明日は雨みたいだし、テン場も寝心地悪そうだから山荘に泊まりますか~と満場一致で即決定!テン場から山荘まで結構距離があり、テン泊の手続きをしてビール買って戻るのはちょっと大変。14時40分冷池山荘着。山荘では小屋開け記念ということで一人一本、缶ビールをいただきました。

荷物を片付けて早々に飲み始めます。テン泊を想定していたので、夕飯は持ってきた食材で自炊。干し野菜、干しキノコ、レトルトを使ったブデチゲもどき、鶏ゴボウサラダ。辛ラーメンのスープは激辛で、顔から汗が噴き出ます。我々が夕飯をとっていると、先ほどすれ違ったお二方が戻ってきました。ちゃんと帰ってきてよかった。

夕飯後は談話室でストーブにあたりながら残ったウィスキー、しょうちゅうを片付けて早々に就寝。山荘は空いていて3人で一部屋を使わせてもらいました。部屋は広くて綺麗で快適です。

5月1日(水)

翌朝は予想どおり霙交じりの雨。山荘の朝食は5時。自炊の我々は6時起床。カップラーメンの朝食の後、お茶を飲んで準備して7時半頃出発。皆さん早立ちで我々が一番最後でした。

雨で雪の状態も悪そうなので下山は西沢ではなく、赤岩尾根を下る予定でした。ところが、道標のあるトラバースの分岐に至ったところ、かなりの積雪でトレースはなく、どこを通ったらよいのか全く分からず。少し先から尾根伝いに行けるかもと、赤岩の頭からロープを出し突破を試みるものの、ホワイトアウトとなり、安全を考え爺ケ岳経由柏原新道で下山することに決定。

爺ケ岳方面の登山道にはトレースがしっかりついており、ルートは問題なし。でも悲しいかな延々と登りが続きます。爺ケ岳南峰からは、トレースを追って種池小屋方面の登山道ではなく尾根伝いに下降。途中で整地されたテン場がいくつもあり、テントも数張り。皆さんどこに行っているのでしょう?

尾根が登山道にぶつかるあたりで、それまでしっかり付いていたトレースが、ぷっつりと消えてしまいました、、地図、GPSでは登山道上にいるはずなのに。GPSを頼りに登山道のとおり進もうと急で下が切れている雪壁を何か所もトラバース。漸くはっきりした踏み後にぶつかる頃にはみんなもうヘロヘロ。どうやらこの柏原新道は積雪期と無雪期のルートが違うようです。その後敗残兵のごとく登山道を下り、16時頃柏原登山口に到着。昼には下山して温泉浸かっておいしいものを食べていたはずなんですけど、、山荘で下山ルートを良く聞いておくべきでした。

柏原登山口でタクシーを呼び大谷原駐車場まで移動。タクシーは呼んでから20分くらいで到着。歩いている時は暑かったけれど、タクシー待ちの時間はとても寒かった。登山口から大谷原駐車場までは約30分、料金は6,500円くらい。その後は、大町の薬師の湯で汗を流し、温泉の食堂でそばを食べて解散しました。いろいろあったけれど、振り返れば楽しい山行でした。参加したメンバーの皆さんお疲れさまでした!来年は不帰に行きましょう!。

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