2019/9/13-23 スコーミッシュ

スコーミッシュ

福田晴子

花崗岩の岩場、カナダ・スコーミッシュのクライミングツアーの記録です。

◆日程
2019年9月13日~23日 11日間
うち 登った日7日、雨でレスト2日、移動2日

◆登ったルート(登った順)
トポは、Squamish Select 2012edition 、( )はルート番号。
※このトポは現地で購入できず玉田さんからお借りした。現地では「Squamish Rockclimbs」というトポのみ販売していた。Squamish Selectの方が見やすい。

■Paul’s Crack 10a ★★★ 26m マラムートエリアP96(37)
9/13PM 到着日の夕方。雨上がりなので、乾きの良いエリア、マラムートへ。道路から懸垂で取付きに。TOP100のHigh Mountain Woody 5.9を目指すが、45mのロングルートで時間も時間なので、隣の濡れたフィンガークラックを登ることにした。Yちゃんがトップで登り、フォローで登る。下部の濡れたところで1テン。

Paul’s Crack 10a

■Mosquito 5.8 ★★★★ 25m スモークブルフ・モスキートエリアP247(23) FL。
9/15PM 14日は終日雨で買出し等。15日も雨で、ウイスラーの岩場巡りののち、夕方に乾きの良いエリアで1本。

Mosquito 5.8

■The World’s Toughest Milkman 5.9 20m 【Top100】 ムーリンパーク・ミルクマンエリア P60(63) FL。9/16AM
ガバのハング。でも、トラッドなので登り応えがある。男子の好きなやつです。

The World’s Toughest Milkman 5.9

■Horrors of Ivan 11c 20m 【Top100】 同上 P60(60)TRで一部A0。9/16AM
S木さんが、下部は江戸川橋の赤(11a?)だというので、やってみた。出来なくはないが、中間のクラックが濡れておりゴボウで上がる。乾いていたら、また。

Horrors of Ivan 11c

■Flying Circus 10a 25m 【Top100】 スモークブルフ・ニートアンドクール P252(14) FL。9/16PM
きれいなフィンガークラック。

Flying Circus 10a

■Neat and Cool 10a 25m 【Top100】 同上 P252(18) FL。9/16PM
ダイナミックなムーブが楽しめる。水平クラックのカムがきめ辛いので2個固めて、右に移ってから流れを良くするため外した。見た目より登りやすい。

Neat and Cool 10a 25m

フリーソロのおじいちゃんがクライムダウンで現れ、フランス語のチャンネーに「見てたよ!素晴らしいクライミングだったね。もっとたくさん登れば、上手くなるよ!」。どこの国にもこの手のおじいちゃんがいるものなのね。

フリーソロおじいちゃん

■The Reacharound 5.9 25m 【Top100】 ムーリンパーク・Lakeside in the Woods P65(11)  FL。 9/18AM
雨上がりで、どこも絶望的に濡れている。比較的ましなハングのルートを登る。見た目より簡単とトポに書いてあるが、ガバハンドもビショビショで、手を雑巾で拭きながら登った。

The Reacharound 5.9

■High Mountain Woody 5.9 45m 【Top100】 マラムート・Starr Wall P96(38) FL(ピンクポイント)。9/18PM
乾いた岩を求めてマラムートへ。45mルートを上からアプローチなので、1本フィックスして下降し、トップは普通に登り上にいてロープダウン、2番手はピンクポイントで登り、3番手がフォロー回収という段取りで。私は2番手。ロープは2本必要。

High Mountain Woody 5.9 45m

■Seasoned in the Sun 10b ★★★★ チーフ・The Grand Wall P142(24) FL。9/18PM
明日のマルチの下見を兼ねてグランドウォールへ。Yちゃんは「上は天国」と言っていたが、足ジャムが痛すぎ。足に力が入らずズルッと落ちること数回。何度もテンションと言いそうになりつつやっとFL。紫リンクカム重宝。上は赤から緑。

Seasoned in the Sun 10b

■Exasperator マルチ2P(10a、10c) 【Top100】 同上 P138(9) ×、×。9/19AM
1P目10a。25m トップで登らせてもらう。シンハンドからハンドになる手前で、右のスタンスをうまく使うことができずクラック通しで登るが、足ジャムが痛すぎて赤を入れて掴んでしまった。2人は右のスタンスを上手く使ってノーテン。
2P目10c。25m 下部が、やっと入るフィンガーと右足スメアでとても悪い。上部はスタンスが出てきて楽になる。フォロー。下部で1テンション。

Exasperator

■Peasant’s Route マルチ3P目~6P目 同上P138(10) ★★★★ 9/19PM
Exasperatorからの継続。杉野さんのおすすめルート(T村夫妻情報)とのこと。
3P目10b。15m 10bもあるように思えない(簡単)。フォロー。
4P目5.0。10m 水平移動。ロープは必要。
5P目5.8。30m トップで登る。右のフレーク5.9を選べるが、濡れていたので素直に左の5.8。アンダーからのガバフレークをレイバックで登る楽しいピッチ。

Peasant’s Route

6P目10b。15m フォロー。
スラブに乗り込むところが出来ずに、A0で登る。男子2人は軽々フリーで。ここまで登ったところで顕著なハング下に到達。14:30。ちょうど雨が降り始めて、ラペル3回で地上へ。
帰りがけに、安間君が登れなかったという、ドリームキャッチャー14d★★★★ P152(6)を見学。雨でもトライできるぞ。ヌンチャクもかかったままだし。

ドリームキャッチャー14d

■Slot Machine マルチ2P 【Top100】 チーフ・Bulletheads South P115(36) 9/20AM
1P目 5.8 30m 2番手、ピンクポイントで登る。 トップのYちゃんが出だしで苦労していたが、右手カチに水が溜まっている。テンションしてみると、上からでは見えない位置に右足を乗せるスタンスがあるではないか。それにしても5.8でテンションするとは。
2P目 5.6 20m フォロー。 傾斜も更にゆるくなり、小川山にありそうな感じ。てっぺんでお昼を食べる。

Slot Machine

■S-M’s Delight 10b ★★★ 25m スモークブルフ・モスキートエリア
P246(22) フォロー、ノーテン。9/20PM
マルチのThe Smoke Bluff Connection(Top100 P247(24))を登ろうということになり、1P目のモスキートは9/15に登っているので、隣の10bを登る。核心は、フィンガーからシンハンドで足がないゾーン。2人はレイバックで登ったが、私は正体でコーナーにつま先を押し付けガマンガマンで登る。次はRPしたい。

S-M’s Delight 10b

■Phlegmish Dance 5.8 ★★★★ 15m 同上 P248(34) フォロー。9/20PM
ぐいぐい登れる。

■Jabberwocky 10b ★★★★ 20m 同上 P246(21) ×、×。 9/20PM
OSトライさせてもらう、が、出だしでクラックに届かず。トポには「リーチ」のアイコンが。Yちゃんは左足の粒を拾い、右カチ引き付けで登った。2便目真似してみたが辛すぎる。出だしだけできればあとは大丈夫。トポP249の写真がCool。

Jabberwocky 10b

■Wonderland 5.9★★★★ 30m 同上 P254(1)フォロー。 9/20PM
先行のおばちゃんが絶叫していた。フォローなのに。登って納得。ツルツルの水平クラックのヘリをほふく前進(半身しか乗らない)するほかなく、手はフィストでほとんど効かず、トップのYちゃんプロテクション4番1個(半開き)でよく頑張った。フォローなので楽しめた。

 

Wonderland 5.9

■St. Vitus’ Dance マルチ6P 10a 【Top100】 チーフ・エプロン P165(29、30)
9/21AM
1P目 5.7 25m 半分木登り フォロー。
2P目 10a 22m フォロー。 先行パーティーが遅いので、並行しているバリエーションを登る。
3P目 5.8 50m トップ。 後続が来ていたのでカムの準備もそこそこに私の番。50mのピッチと分かったのは離陸してからで、早々に#2を使い果たし、奥のほうに0.75とかきめながら登る。途中めずらしくワイドがあり、リービなどして突破。トポでは途中の傾斜が緩んだところでギアビレイとあったが、そこを過ぎてアンカー打ってあるところまで登りピッチを切る。
4P目 5.9 フォロー。 31サウスアレートのオリジナルラインをアンカー頼りにYちゃんが登るが「くそスラブ」すぎてロワーダウン。左のクラック沿い、ダイレクトラインを登る。
下降はトレイルで降りるが、悪いトラバースがありロープを出した。徒歩で30分。

St. Vitus’ Dance 3P目

■Quarryman 5.8 【Top100】スモークブルフ 25m p257(35) 9/21PM
土曜日なので混雑。準備をしているとロープを首にかけた男性が「君たちはこれから登るのかい」と話しかけてきた。見るとパツ金のチャンネーを3名帯同しており、彼は「スコーミッシュのK坂さん」ということになった。

最終日、チーフをバックに

◆総括(クライミング編)
7日間で、ショートルート10本、マルチ4本(17ピッチ)。
ロープは、シングルダブル兼用のエーデルリッド8.6ミリ60m×2本とシングル70m×1本。30m以上のラペルはしないので2人なら60m2本でよいと思う。
カムは3人で6セット余になったがもちろんそんなに使わない。2人なら3セット(オフセット込みで)。ナッツ使う。大きいのは2人なら#4を2個でよいと思う。
マルチの難しいルートの場合は、ダブルロープで登らずに2番手が3番手のロープをバックロープで引いて登った。(トップは登りに専念できる) よって、一人ずつ登るのでグリグリが重宝した。
靴は、ミウラー2足。39.0と40.0。
服は、ヒートテック長袖インナー+半袖Tシャツ+ソフトシェル。マルチは上部で寒いことがあるので長袖必要。
天気予報はよく当たる。

ダイニング

◆総括(生活編)
ホテルはSquamish Adventure Innに9泊。ドミトリータイプにしたがホテルタイプの部屋もある。共同のダイニングとキッチンがあり、部屋ごとに冷蔵庫と食品庫の割り当てがある。残置の調味料がふんだんにあるので、チェックしてから買出しに行くとよい。結局今回のツアーもオール自炊、外食なしであった。

夕食

◆会計
エアカナダ11万、eTa申請600円、海外旅行保険1.3万、レンタカー+宿+食費+WiFiで7.8万、成田往復2600円で、トータル約20万円。プラスお土産代。

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