鋸岳

2016.03.19-21
高坂、渡邊(智)  高坂記


3/18 調布(22:40)-道の駅南アルプスむら長谷
3/19 戸台(10:01)-(12:00角兵衛沢出合(12:41)-(16:34)岩小舎
3/20 岩小舎(06:11)-(08:40)角兵衛沢のコル-(10:09)第一高点-(12:33)鹿窓-(15:14)第二高点-(16:06)中ノ川乗越
3/21 中ノ川乗越(07:33)-(10:06)熊穴沢出合-(11:43)戸台

3/19 前夜に東京を出発し、道の駅にて仮眠。天気予報通りの雨は朝も続いていた。戸台で仮眠して雨が上がるのを待ち、10時頃に出発。黙々と河原を歩き、11:40頃に対岸に大きなケルンが見えるところに出た。角兵衛沢出合はあれだったっけと思ったが、登山道にあった標識が見えない。ケルンに行くには渡渉しなければならず、とりあえず河原を歩き進むと熊穴沢の標識に当たってしまった。引き返して20分のロス。
朝まで降っていた雨で戸台川は濁流となっていた。前回使った金属の梯子は見当たらない。渡邊さんは果敢に登山靴のまま突っ込んで沈。ただ、防水性能に助けられて中までは浸水しなかったそう。自分の年代物ではそうはいかないので裸足で渡渉する。
角兵衛沢の登りは相変わらず地形がはっきりしない。ベタベタに付けられたピンクテープを追って行く。1900mを越えたあたりで樹林帯から右手のガレ場に出たが、岩壁に阻まれてこれ以上は上がれそうにない。方角を確認しようとコンパスを取り出すと自分のは壊れていた。渡邊さんのを借りて右に来すぎたことを確認し、暫く戻って目印を発見。その後は慎重にコンパスで方角を確認しつつ岩小屋に到着。時間的に今日はここまで。
岩から滴る水滴から採水し、テントを張って早々に宴会。
寝る段になって床下の岩角のゴツゴツが気になったので、自分は外で寝た。途中で目を覚ました時に見えた大きな月が綺麗だった。

3/20 4時起床、6時過ぎに出発。ガレだと歩き難そうだったが上部でザックを下ろすところもなさそうなのでハーネスとアイゼンを装着して行動を開始。
部分的に脛から膝下のラッセル、またはガレ場でどちらも楽ではない。5分おきに先頭を交代する。いつまでも変わらない風景を黙々と登り続ること2時間半で角兵衛沢のコルに到着した。岩陰で風を避けながら脹脛を休める。

大休止の後に第一高点への登りに取り掛かると予想外の腿から腰のラッセルになり、ワカンを車に置いて来たのをちょっと後悔した。トポのCTの三倍、一時間以上掛かって第一高点。
少し歩いて小ギャップへ懸垂。ここからの登り返しは左から尾根に上がったが、出だしの雪面が立っていたので短くロープを出した。上からみると右の草付きから取り付けばロープは不要だったかも。その先に岩稜の通過は戸台側がすっぱり切れていて、浮石ホールドもあったりで緊張する。さらに青いフィックスに誘われて稜線上を進んだ先で行き詰まってしまった。
どうやら鹿窓の近くに来ているらしいのだが、稜線の先はガレた痩せ尾根が落ちており降りられない。戸台側から懸垂して鎖の見えるルンゼに降りると鹿窓の下に出たので、ここを登り返して冬期ルートに復帰した。第三高点は気付かずに通過したようで、目の前に大ギャップが見えてきた。稜線の左側をクライムダウンして偵察に行くと降りすぎてしまい、渡邊さんには上で待って貰ってルートを探ると戸台側へのバンドを発見し、その先でフィックスロープも見つかった。さらに6~7m下には残置スリング満載の枯れ木があった。心情的には上の生きた木を支点にしたいところだが50mロープ一本だと足りないはず。枯れ木に頑張って貰うことにする。
氷化した緩い凹角をクライムダウンした後、岩壁を左手に見ながらルンゼを下降するが、雪が深すぎて進まない。トラバースに入るまではバックステップでもぞもぞと降りる。
ひたすらラッセルで右から合流する尾根に乗り、ひと登りで第二高点に到着した。

稜線の甲州側をバックステップで降りてゆくと道標があり、広いルンゼを下って中ノ川乗越に到着。甲斐駒はとっくに諦めていたのでテントを設営する。前日の岩小屋ほど太くはないが、ここでも水滴から水が採れた。今夜は平らで快適な雪面で、自分は寝袋に入って数分で寝落ちしたらしい。

3/21 今日は下るだけなのでゆっくり起床。ガレて歩きにくいと聞いていた熊穴沢は、今回は積雪に助けられた。時々踏み抜くことはあるものの雪の上をアイゼンでカリカリと降りられるところはペースが良い。1,900mくらいまで降りて土の上に踏み跡が出たあたりでアイゼンを外す。1,650mで沢から上がって右手のガレ場を横断して樹林帯に入った。ピンクテープと踏み跡を追って戸台川に出合う。
戸台川は水量も落ち着いて飛び石で渡渉が出来た。だらだらと河原を歩いて駐車場に戻った。

装備について: 今回は降雪直後だったために第一高点への登りと大ギャップからの登りでまとまったラッセルになった。ワカンがあれば楽が出来たかもしれないが、これ以外の箇所では岩稜歩きも混じるので不要だった。甲斐駒まで行けていたらあるいは重宝したのかもしれない。ロープは大ギャップの懸垂で枯れ木支点から50m折り返しは残り3m。枯れ木の上の生きた木からだと60m折り返しでギリギリか。

nokogiri

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