谷川岳 雪訓

2015/4/25-26
松元、宇賀田、桜井、山本武、飯田、A、阿部、N、三好、横井、田中、斉藤、他1


5月の連休前のトレーニングとして谷川岳白毛門登山口の周辺で雪上訓練を行いました。
当初マチガ沢で行う計画でしたがトイレやアクセスの関係でそこまで入らなくとも良い場所があればということでここで行いました。
松元名誉会長のご指導により2日間、基本技術から応用技術まで様々なメニューをこなしました。
残念ながら翌週の春合宿はあまりの雪の少なさから五竜岳から小川山に変更してしまったけれど・・・。
松元さん、貴重な技術指導ありがとうございました。この雪訓は毎年この時期に恒例にしたいと思います。

1.ピッケルバンドとリストバンドの使い分け
 ・ピッケルは進行方向山側、谷側で右左に持ち返るので肩から掛けるピッケルバンドは基本的
  に使用しない。
 ・長さ調節できるリストバンドを自作で良いから作る。
 ・ピッケルを落とす心配がある時はリストバンドに細引きを利用してピッケルバンドとする。
 ・スリングをダブルにして肩掛けしカラビナを掛けて止める。いつでも外せるようになる。

2.懸垂下降と支点構築
 ・短い距離の懸垂下降ではハーネスなどの準備がない場合、肩がらみ懸垂が有効。
 ・用意のない時の短い懸垂では覚えておくと時間短縮になる。
 ・ロープを跨いで左足に掛け前に回して肩に掛ける。
 ・足からロープが外れないように左側を向く。
 ・左手は順手になる方が力を入れやすい。

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 ・懸垂の支点は立木、スノーボラード、ピッケル、スノーバーなどが利用できるが回収方法を
  考える必要がある。

  デューホー
   ロープの片方を(交互に)引くと開放できる。
   4ル-プ以上作ることが必要。
   下降は1本のロープで行う。(下降側のロープを間違えないようにする)
   オーバーノットかカラビナを使用してバックアップを取っておく。

 02_thumb.jpg 03_thumb.jpg

 ・スノーボラードの支点
  ①先ず、立ち位置を中心に円をピッケルで描く。
  ②円に沿って溝を掘る。
  ③溝に沿ってロープを回して懸垂下降支点とする。
  ④小枝を立てるとロープの食い込み防止になる。

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 ・アックスを2本使い回収できるアンカー
  横に埋めたアックスにメインロープを通し懸垂する方法と縦に刺したアックスにメインロープを
  通す方法がある。
  懸垂で降りた後片側ロープを引くとスリングが縦に刺したアックスを引き抜き、横アックスも掘
  り起こされ2本とも回収できる。
  (右の写真は横アックスにメインロープが掛かっているので間違い。ガイドマニュアルが正解)

  13 12_thumb.jpg
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 ・スノーバーとデッドマン
  立て打ちのスノーバーはほとんど効いてなかった。
  横埋めのスノーバーは埋め方によって有効であった。
  デッドマンは2本あるワイヤーの角度が有効で下方に力がかかると雪面を食い込んでいき
  有効であった。(デッドマンは埋没後の回収用に細引きを付けておくと良い)

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3.スタンディングアックスビレイ
  ①アックスを雪面に打ち込むみスリング、カラビナを掛ける。
  ②アックスの頭を足で踏みカラビナにロープを掛けて肩がらみで確保する。
  ③トップが落ちた後、墜落距離を短くするためロープを手繰ってやると良い。
  ④衝撃が来たらロープを徐々に流す。(急に止めると衝撃が掛かり飛ばされる)

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 ・アックスのシャフトが深く刺さらない場合
  シャフトにかけたスリングを踏み付けシャフトを山側に倒すようなイメージで左足を置く。
  カラビナを通ったロープが鉛直方向になるように構え、ロープに衝撃がかかった時に
  下に引かれるようにする。

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 ピックを刺してヘッド部を押さえ込む。  ピックを刺してシャフト部を押さえ込む。

 14_thumb.jpg  15

 4.歩行練習
 直登の場合で登る時は進行方向に靴先を向ける。曲がっていると方向が違ってしまう。
 斜行の場合山側の足を進行方向に向け谷川の足は開き気味にする。
 急斜面の登り方。アックスのブレード部を押さえつけピックを雪面に突き刺す。(ピオレ・パンヌ)
 急斜面の前向きの降り方。アックスのピックを刺しシャフトを手すりのようにして降りる。(ピオレ
 ランプ)

5.滑落停止訓練
 右手にアックスを持ってる場合と左手に持っている場合の両方でできるよう練習をする。
 前向きに落ちて体を回転させて体勢を整える。(鬼教官に後から突き落とされる。)

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