鹿島槍ケ岳東尾根

2015/5/02-04
田中、他 記:田中


あっつぅ。ここ夏山?
これが藪漕ぎかー!
朝の気温8℃ダッテサー。
ここからはアイゼンいりませんよ(鹿島槍の山頂で出会った人)
こんな,鹿島槍ヶ岳東尾根-爺ケ岳南尾根にいって参りました。
2015年は異常気象でとにかく暑い。なんと連続13日も晴れた北アルプス。
6月初旬に東尾根に行かれる方は,本稿が参考になると思います。(いないか)

◆5月2日(晴れ)
08:00新宿発あずさ
12:40簗場駅
13:00大谷原
13:30東尾根取付き
14:30尾根上に出た
17:30一ノ沢の頭

今日の行程は短い。ゆったりとした出発。タクシー(2700円)で送ってもらった駐車エリアには20台ほどの車で,釣り人もいるようだ。しかし暑い。風が無く,夏の上高地より暑いかもしれない。
取付きまでの林道ですれ違った方に東尾根の状況を聞くと,一ノ沢の頭を超えてからも藪漕ぎだったとのこと。
藪漕ぎは未経験であるが,雪稜が不得手な自分はちょっとうれしい。
といっても今回のパートナーNの計画なので,ロープのリードはすべて任せる契約済み。
取付きまでは川沿いの林道を歩き,大きな堰堤の脇の斜面に赤テープが巻かれていた。薄く踏み跡もある。踏み跡を辿ると,広大な笹薮の斜面にでた。赤テープもちらほらあるが,踏みあとは薄い(もしくは見えない)。
藪漕ぎで傷つく顔と腕。早く結婚したいと五月蠅いN。ストレスである。
斜面はどこでも登れるので,1時間ほどで尾根に出ると,雪が薄く残っていた。
前日より10日連続の晴れだったので,雪上のトレースはばっちり。ただし,たまに藪漕ぎ。
特に危険な場所は無かったが,垂直の藪漕ぎと,一ノ沢の頭への最後の急斜面は慎重に。ザックの外側の荷が藪に引っ掛かり閉口する。
一ノ沢の頭の広いテン場には1P6人がいた。先の稜上にも3つテントが見える。
そのPの会話で朝の気温が8℃と知る。こんにちは初夏。
渡邊さんからもらった豆腐チゲスープも,あったかいんだからぁ~。(ググってください)

◆5月3日(晴れ)
03:00起床
05:20発
06:00二ノ沢の頭
08:10第一岩壁
10:12第二岩壁(30分ほど待ち)
12:50北峰
14:00南峰
15:30冷池山荘

我々は出発準備が遅い。動きは緩慢で,トイレと歯磨きをしっかりやらないと動けない。
雪の状態は,昨日の日中と変わらない。ここからはアイゼンを付けていくことにする。得ていた情報通り,二ノ沢の頭までもハイマツと戦う。雪との割合は半々くらい。
第一岩壁への登りは,稜上ではなく急斜面にトレースが付いていた。かなりの急登で,新雪だと雪崩れそうだ。

★第一岩壁

1P目 30m(N)
取付きからは明確な凹角を5mほど登り,緩いルンゼに入り,傾斜の落ちた灌木地帯まで。緩いルンゼ部分を除き,ルート上に一切雪は無い。取付きの左壁にハーケンが有り,垂直の凹角を登るが,結構なランナウト。ここが核心なのに。凹角のすぐ左のフェースもルートが取れるようだ。朽ち果てたトラロープらしきものがくくりつけられている灌木でピッチを切る。

2P目 30m(N)
左に壁を見ながら登り,傾斜の落ちた斜面に出たところで適当に切る。リッジの右側を登っていく感じ。こちらも雪は無い。人工の支点はなく,灌木で取る。ロープを仕舞い,細かいザレとハイマツの斜面を登る。急なので,アイゼンはつけたままが良いと思う。100mほど登り,雪の斜面に出て稜上に戻る。トポにはない第1.5岩壁(ただの岩場だけど)を超えると,50m先に第二岩壁が見えた。

※当日の先行Pは全て,第一岩壁を左に巻いて急峻な雪のルンゼに入っていったが,緩んだ雪・シュルンドを見ると気が引ける。

★第二岩壁
1P目 15m(T)
取付きからハイマツのある細長いテラスまで。一応ロープを付けたが簡単だった。素手だからか。

2P目 25m(N)
テラスの目の前の大岩を右から回り込み,空中に一歩踏み出すような左トラバースをこなしてチムニーへ。頭上のチョックストーンは少しガタつく。ハーケンは豊富にあるが,やはりチムニー越えが難しいようだ。左足は縦カチにキョンした。チムニーを抜けるとすぐにハイマツがあり,そこで切る。ロープを仕舞い北峰までは雪稜をだらだらと歩く。長い。北峰には一般道からの方がたくさん。
北峰から南峰までは夏道が出ていたので,アイゼンを外す。2800mからの下山なのに,以降アイゼン付けず。冷池山荘までは夏道と緩い雪道を歩く。山荘のビールはまさかの売り切れ。日本酒でぐっすり寝る。

◆5月4日(霧雨,くもり)
03:00起床
05:20発
06:45爺ケ岳南峰
07:34ジャンクションピーク
10:20扇沢駐車場

爺の南尾根はGWの一般道と聞き,後は歩くだけとタカをくくるが,それが間違い。たっぷり藪漕ぎを行い,結婚したいと相変わらず五月蠅いNと下ってゆきました。
南尾根には縁(いい思い)がないが,下界でのNに良縁はあるのだろうか。

戻る

 

Bookmark this on Yahoo Bookmark
Bookmark this on Google Bookmarks