八ヶ岳 天狗尾根

2013/2/10-11
玉田  記 玉田


自分的に八ヶ岳東面主要3ルートの最後となる天狗尾根。
先発8人組は2泊3日計画だったがそれはもったいないので城山後の1泊2日で追いかける。

万が一合流できなかった場合を想定したフル装備ザックは20kg程、駐車場からしっかり付いたトレースのおかげもあって約2時間で出合小屋に到着するも先発組は当然ながら出発済。
(後で聞けば先発組は駐車場出発時とほぼ同じ時間に行動開始していた)

出合小屋で一休みの後赤岳沢に入り、しばらく沢沿いに歩いていく。
一人なのに雪面を歩く気配がするなと思ったら、駐車場をほぼ同じ時間に出発した2人組ではなく遠巻きに対岸へ逃げていくまだ子供のカモシカの姿が見える。
微妙な距離感を保ちながらこちらはこちらで頃合いのいいところで左斜面に取り付き、木登りを交えながら登りきった尾根上でアイゼン装着。
尾根上をアップダウンしながら登ること3時間程で岩壁に到着、左上に見える集団が先発隊のようだが追いつくにも微妙な距離感なのでガイド本の通り右面から回り込んで登ることにする。

右面はそれほど難しいトラバースでは無さそうだがガイド本に書かれている「落ちたらダメージは大きい」はまさにその通り、滑ったら谷底まで止まらないと思える斜面を見てあっさり先行2人組にダブルロープ末端を渡し上部の木にフィックスをお願いする。

201302_tenguone01

コールの後ヌンチャク+マイクロトラクションをダブルロープにセットして登攀開始、トラバース部分は見た目より寝ており足場も良く、回り込んだ雪壁はダブルアックスがバスバス効いて気持ちがよい。
持参した35mのダブルロープではギリギリ雪壁終了点まで届かず途中の木にフィックスされていたが、そこから先終了点までの10m程は安定しておりさして困ることなく到着する。

2.3

あわよくばここで先発8人組と合流か?と思ったが左ルートを抜けて既に出発している模様。
距離は縮まっているはずなので休憩もそこそこに早足で追いかける。

5mほどの小岩壁で3人組に追いつき、聞けばこの先すぐに先発8人組がいるらしいので先に登らせてもらい尾根筋に出てみると見覚えのある姿がちらほら。
近づいて「どうもー」と声をかけるがあまり反応がない。
ヘルメットにでっかく会シールを貼っているからすぐにわかると思っていたが、後で聞けば「どこかの兄ちゃんが単独でやってきたと思った」そうだ。
やはりというか冬装備で固めていると個人識別は難しいようだ。

最後数メートルの小岩壁はガバホールドだらけでぐいぐい体を持ち上げてテラスへ。
新人組の引き上げは坂口さん/桜井さんに任せて一休みさせてもらう。
横目で新人組が登ってくるのを見ているとやはり荷物を背負ってのアイゼン登攀は苦労するところがあるようだ。
経験することで慣れていくとはいえ後続パーティを待たせ過ぎたことをふまえると、会としても会員個々としても様々な点で改善しなければならないだろう。

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登ってきた新人をテラスの右側に送り出しながら後はキレット小屋に下るだけと思いきや、縦走路まで続く登りに始まり登り切ったらハシゴと長い長いガレ場の下り、さらに八ヶ岳特有の強風のトリプルパンチ。
縦走路に出てからキレット小屋まで1時間程だったが気持ち的には2時間近く歩いていたような気がする。

5.6.7

キレット小屋にはほぼ17時に到着、新人組の手際は思っていたより良いようだ。
とはいえまだ効率化できるとことも散見され、日が長くなったこともあってぎりぎり明るいうちに外作業を済ませることができたのは幸いといったところ、今後の成長に期待したい。

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明けて翌日、強烈な西風を受けながら黙々とツルネまで稜線を歩き一気に下降する。
途中稜線を左寄りに曲がるところがあり、そこは権現東稜、旭東稜の帰りにも大木のピンクテープを目印としていたが、今年は積雪量が多いようで全く見ることはできず大木のシルエットを改めて脳裏に焼き付けるに留まる。
高い位置に取り付ける絶好のチャンスだったのにテープをおいてきたことを激しく後悔する。

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尻セードを交えながら下降を続け、毎度の林道歩きにうんざりしつつ駐車場に到着。
1本登るだけなら1泊2日が程よいトレーニングになるかもなぁと感じつつ合宿を終える。

日程
2013/2/10(日)
06:20 美の森駐車場 発
08:40 出合小屋
09:55 稜線上
12:50 岩壁
14:40 岩壁(ここで合流)
15:45 縦走路
16:55 キレット小屋 着
2013/2/11(月)
06:30 キレット小屋 発
07:25 ツルネ分岐
09:00 出合小屋
11:20 美の森駐車場 着

新人組への所感
テント設営時の整地作業がやや雑。
可能な限り固めて平面にすることを意識しておくと後々の宴会/就寝が非常に楽になるので丁寧に。
テント内作業は見ていないが聞こえてくる声の様子からして役割分担はうまくできていると思う。
他人のレシピを参考にしつつ食事バリエーションを増やしてもらいたい。

冬山だからという訳ではなく意識して体力養成してもらいたい。

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