鹿島槍ヶ岳 東尾根

2011/5/7-8
玉田、久保田、黛、他1  久保田 記


GW中、北アルプスでの遭難や事故があった。

残雪時期とはいえ、天候が悪化すれば致命的な事故に繋がりかねない。
天気予報は刻々と変化しており、直前まで行くかどうか迷ったが、低気圧は北の方へ若干それてきていたので、とりあえず行ってみることに。
下界の天気は悪くはなかったが、山頂付近となるとさすがに雲がかり、天候は決してよいとはいえなかった。
■ 1日目 5月7日(土)
東尾根は、いきなりの急登と藪こぎから始まる。
フリークライミングばかりやっている、なまった体には堪える。
尾根に出てからはぐさぐさの雪を歩いたり、ところどころ崩壊しそうなリッジを通過する。
kasima01

11時半頃に一ノ沢の頭に到着。小休止。
当初、一ノ沢の頭で幕営の予定であったが、まだ時間も十分にあるし、二ノ沢の頭の手前まで進むことにする。
4人用テントも十分に張れるスペースがあった、もちろん混んでいなければという条件付きではあるが。
東尾根は混むというイメージであったが、今回は我々しかいなかった。
さすがにGWの最後に1泊2日で行く輩はいないか。
201105_kashimahigashi03

天気があまりにも良いので、こんなことならビールを担いでくればよかったと、めずらしく山に酒をもってこなかったことに後悔した。
夕方まで外でうだうだと飲む。
寒くなってきてからテントに入ってからは、今回の山行で一番の目的である、すきやきをする。
無言で食い続け、1kgの肉は瞬く間に胃袋へと消えていった。
山では多少食いすぎがちょうどいい。それでも、下山後には2kgほど痩せていた。
201105_kashimahigashi04

昼の好天が嘘のように、夜は豪雨、雷、暴風。
テントが吹っ飛びそうなくらい風が強く、おまけにテントが浸水し夜中に何度も目が覚めた。
夜に天候が悪化するのは事前の予報でわかっていたけど、ここまでとは。

■ 2日目 5月8日(日)
夜中の豪雨は悪い夢だったのではないかと思うくらい、朝は晴れていた。
しかし、喜んだのもつかの間、次第に雲が出てきて、吹き飛ばされそうなくらいの強風となる。
長年慣れ親しんだ私の銀マットは、気持ちよさそうに宙を舞い、谷底へと消えていった。さようなら。
稜線ではホワイトアウト、そして、遠く響く雷鳴。
先日の鹿島槍での落雷事故を思い出し、身をかがめながら稜線を歩いた。
kasima02 7時頃、第一岩峰に到着。ほぼ雪の急斜面を登るだけ。
ダブル1本で50mいっぱいまで伸ばし、立ち木でビレー。
後続2名はタイブロックとロープマンで登り返し、最後の1名はフォロー。
kasima03第二岩峰までは、滑ったら絶対止まりそうもない急斜面を小一時間ほど歩く。第二岩峰は遠目に見ると、こんなところ登れるのかっ、て思うのだが、近くまで来ると、岩の弱点があることに気がつく。でも、ほとんど浮いてるんじゃないかってくらい、岩は脆い。チムニーの出口が若干悪いがそれほど難しくはない。中山尾根の方が全然難しいと思う。
kasima045分ほどで南峰、さらに50分ほどで北峰に到着。
山頂付近は、ほとんど雲に覆われており視界はよくない。
標高が低くなって雲間からは脱出できたが、稜線では相変わらずの暴風。
人生最大に相当する強風。そのまま下界まで飛んでいけそうな勢いだった。
kasima05しかし、ここからが長かった。
第二岩峰に登ったことなんて、忘れてしまうほどだった。
結局、南峰から冷池小屋を経由し、赤岩尾根を下り、駐車場まで5時間かかった。
赤岩尾根は急斜面でしかも穴ぼこだらけで閉口した。
kasima06

薬師の湯で疲れを癒し、ほとんど渋滞のない中央道を行き、無事に帰宅。
翌日はもちろん全身筋肉痛。
今回、天気はあまりよくなかったけれど、すっきりと晴れた日に、もう一度登ってみたくなる、そんな尾根だと思う。

■ 日程
2011年5月7日(土)
8:00 大谷原
11:20 一ノ沢の頭
12:30 二ノ沢の頭(手前)

2011年5月8日(日)
5:40 二ノ沢の頭(手前)
7:00 第一岩峰取り付き
8:40 第二岩峰取り付き
10:30 北峰
11:20 南峰
12:35/13:05 冷池小屋 (大休止)
15:40 赤岩尾根取り付き
16:30 大谷原

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