海金剛 スーパーレイン

2010/3/22
久保田、平塚  久保田 記


前日の強風が嘘みたいに、穏やかな1日だった。
このところ週末は雨が続いていて、1ヶ月近く延期を余儀なくされていたのだが、3連休の最終日にようやくスーパーレインに登る機会に恵まれた。
2008年に一度登っているのだが、その当時クラックを始めたばかりだったのと、フォローだったこともあって、実はあまり覚えていない。
次来るときがあればリードで登ってみたいと思っていた。
一番突き当たりにある雲見オートキャンプ場に駐車。前日に電話を入れておいた。
駐車場に到着すると、山屋らしき車が一台。どうやら先行パーティーは一組だけらしい。 一度来ていることもあって、アプローチはなんとなく覚えていた。
アプローチ途中のFixロープがなくなっているという噂を耳にしていたのだが、残置はあった(2010/3/22現在)。
残置用のロープを持ってきていたので、ロープを残置して懸垂する。15mと少しあれば十分。 しかし、今にも切れそうなFIXは下までとどいていないし、他の残置は先行パーティーのものかもしれない。 というわけで残置用のロープは持っていった方がよさそうだ。
岩がかなり脆いので、登り返すときは注意が必要。また、今回はシングル1本で懸垂したため、帰りはグリグリを使って登り返した。
9:00登攀開始。
1P目(5.8) 久保田リード
凹角を登る。ところどころに木が生えてて登りにくい。
大フレーク下の2本目の立木でビレイ。こっちの方がしっかりしている。
2P目(5.8) 平塚リード
ナッツを決めてのスラブのトラバース。フォローだと恐怖。
ここでカムが入らないのでナッツは必須。
3P目(5.10a) 久保田リード
フィンガーサイズのクラックをたどる。
バランシーなムーブが要求される。奇数ピッチでは一番悪い気がする。
上の松の木からスリングで伸ばしてビレイ。
ここで先行パーティーに追いつく。先を譲ってもらった。
4P目(5.10a) 平塚リード
松の木から右上する。上部のワイドではプロテクションがあまり決められない。
フィスト以上のサイズなので、腕とか膝とか入れてずりずりと上がる。リードだと怖そう。
ここが全ピッチを通して最も難しいと思う。キャメ5番があれば心強い。
5P目(5.10a) 久保田リード
先人クラックと呼ばれるピッチ。快適なフィンガークラックが続く。
3P目よりやさしい気がする。要塞直下のテラスのリングボルトでビレイ。
6P目(5.8) 平塚リード
立体的なムーブのクラックで面白い。少しワイド。
キャメ#4をずらしながら登ったそうな。
7P目(5.8) 久保田リード
出だし核心。ハンドがよく決まる。上部のスラブでプロテクションがほとんど決められない。
残置ハーケンがあったが、ここまでナチュプロできたのだからと思い、マイクロストッパーを浅いクラックにねじ込んでランナウト。
12:00終了点到着。あっけなく終了した。もうこれでおしまいなのかという感じで、なんだか物足りない・・・。ヨセミテのクラックマルチと比較してしまうと、どうしてもスケール、内容ともに見劣りしてしまうのが哀しい。
でも、太平洋をバックにしてクラックのアルパインができるのは、ここくらいではないだろうか。
ロケーションは抜群。貴重な一本だ。
■ コースタイム
7:35 雲見オートキャンプ場着
9:00 スーパーレイン 登攀開始
12:00 スーパーレイン 終了点到着
12:15 下降開始
13:30 スーパーレイン取付
■ 下降
60mシングル1本で同ルート下降した。
7P目を下降しロープを引き抜いたさいにロープがスタックした。
平塚さんが登り返して回収し、ジャムでクライムダウン。ロープは岩の隙間にはまり込んでいた。
ロープは真下に引かずに、右か左に振りつつ抜くといいかもしれない。

2P目からの下降では、2P目の終了点直下のジェードルを使用。 ジェードルの途中に支点あり。
■ ギア
キャメ#.75~#2まで2セット、#.3、#.4、#3、#4を1セット、
エイリアン青~赤 1セット、ナッツ1セット(+マイクロストッパー)
(キャメ#5は、あった方が心強い。)
■ 参考資料
・日本の百岩場③
・Rock&Snow 47号
・日本の岩場(上)

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