湯檜曽川・東黒沢~宝川・ナルミズ沢

2010/7/31-8/1
坂口、山本武 桜井、他1名 桜井 記


narumizusokouzu 夏の暑い日は沢登りだ!ということで当初グッチと前夜の宴会をかねて丹波川本谷へ行こうと計画していた。
ところが参加者のエントリーも無くどうせ2人ならもっと遠くへ行こう。谷川のナルミズ沢はどうかということで私はノープランだったしこの沢は昔からいい沢だと聞いていたが行く機会も無かったので2つ返事で了解した。
ルートは多くのパーティが行っているが湯檜曽川東黒沢を遡行し白毛門山の東尾根を乗り越してウツボギ沢に下降してナルミズ沢に入るというルートにした。このルートにすると宝川からの単調で長いアプローチが軽減できるし縦走して土合に戻れるメリットがあるが朝日岳、白毛門を縦走する長い道程がある。グッチの奥さんと急きょ参加が決まった武さんを加え4人で出発となる。

 

 

7/30
鶴川駅10時集合、中央道から圏央道経由で関越道へ入る。水上インターで高速を降り、谷川ロープウエイの駐車場で軽く酒を飲んで仮眠となる。

7/31
今日の行程は余裕があるのでロープウエイ駅を6時に出発する事にする。車で白毛門沢出合いの駐車場まで戻る。準備をして7時出発とする。予想通り人気のナルミズ沢へ入るパーティが何組も準備している。
登山道から暫く行くと沢を横切るようになり白毛門沢に入る。30分も行くとハナゲの滝に着く。25mのスラブ滝は解放的で美しい。先行パーティもいたのでのんびりと休憩することにする。水流の左側を辿り落ち口は更に左のブッシュに入って越える。踏み跡はしっかりしているのでノーザイルでOKだ。
白毛門沢を左に見送り大岩の滝を右から越え幾つかのナメ滝を越して行く。1ケ所二股でどちらへ行くか迷う所が出てくるが本日は頼もしい味方GPSがあり2万5千地図と合わせて迷い無く辿ることが出来た。緑の葉のトンネルの中を気持ちのいいナメが続く所があり武さん曰く「まだここは本番でない前菜の所なのにこんなに素晴らしいのかね」という。
やがて東黒沢の二股になり1本入れることにする。(10:00)ここはあまり解放的ではなく木々に覆われて鬱蒼としている。我々が辿る右股はここから大きく東に曲がりそこから先は北に曲がる。
そのまま詰めていくと水流はだんだんと細くなり沢の源頭の感を呈してくる。やがて水も枯れ更に踏み跡と時折出てくる赤布を頼りに薮漕ぎをしていくと多分ここらが一番高くなっただろうと感じる平坦地の乗り越しに着く。
展望も無いので一本取らずにそのまま薮漕ぎし反対側の沢を降りる道を探す。明瞭ではないがなんとなく低い方に導かれる感じで進んでいくと最初の一滴が現れ沢に入った事を確信する。
ここから3、40分ほど下降して行くと正面に尾根が見え初めその下がウツボギ沢の予感がしてくる。平坦な河原に到着するとウツボギ沢に出合いここで休憩とする。(12:00)
ここから下流に向かい(右手)すぐにナルミズ沢に出合う。この周辺は河原が開けていて絶好のビバークサイトである。釣り師のものと思われるテントもあり焚き火の跡も幾つか合った。
ナルミズ沢を遡行しようかと言う意見もあったがその脇にある登山道を辿ることも出来るのでもう早く宴会やろうよとの思いで後者をとった。
この登山道も道がぐちゃぐちゃにぬかっていて沢靴ならいいが普通の靴では歩きたくないような道である。沢とほぼ平行に登る道を1時間ほどで今日のビバークサイトとする。
人気の沢で入渓しているパーティが多そうだったのでビバークサイトの争奪を心配していたがの選んだ場所は大石沢出合いの少し下で沢から少し上がった所で増水には心配ない。焚き火の跡があり薪も少し残っていたのでさらに少し集めて使わせてもらう。少し上流の大石沢の出合い辺りには先行パーティが何張りかテントを張っている様子だが沢に近く我々の所が良いように感じた。
時間的には早いが(14:00)沢で冷やしたビールで乾杯とする。つまみは武さん持参の生ハムとクリームチーズである。さらに赤ワインとナンを焼いてキーマカレーも出てきた。至福の一時である。
1時間ほどやって第一部の終了、岩の上でそれぞれがお昼ねタイムとする。
今回の宿はグッチ持参のモンベル製タープであるが軽量で暑い時の沢には快適である。第2部はこのタープに入り日本酒と焼酎でバジルのパスタと乾燥トマトを使ったスープが出てきた。
焚き火を囲んでと思っていたがいまいち天気も悪く小雨も降ったりしたので残念だが外にでる気にならなかった。

8/1
ぱっとした青空は望めないが何とか天気は持つだろうという曇り空である。
天場を出てすぐに大石沢出合いである。ここに昨日止まった様子のタープが残されて人影は見えなく出発した様子である。彼等は朝日岳経由でまたここに戻ってくるのだろう。
昨日の東黒沢に比べると樹林が少なく沢が開けていて解放的な明るさがある。ナメは少ないが水量が多く少ゴルジュもある。幾つかの滝はあるものの難しいものはなく全て巻き道は明瞭なので我々は最後までロープは使わずに済ませた。
正面に三角形のピラミダル状のピーク(1757m峰)が見え出すと二股も近い。崩壊地を右に曲がりさらに左へ曲がると斜め滝と呼ばれる7×15mの滝が現れる。この滝も三角ピークが丁度正面に現れるアングルなので素晴らしい景観となっている。左から水に入りヘツリをしてから水流沿いを右に渡り上っていく気持ちのいい登りだ。
これを越すと二股である。(8:00)右股へ入ると茶色いスラブ岩に変わる。ここから続くスラブの景観も素晴らしい。ここを越えると最後のクライマックスである天国へ続く草原となる。
「ここはたぶんヘブン」、「実はこれは夢で我々はもう死んでいるのだ」とか馬鹿な事をいいながら詰めて行く。水も枯れて草原の中の踏み跡を辿っていくと小さな池糖がありここをバックに上から撮った写真を撮る。各自決めポーズでもう最高で~す。(9:00)
と、ここまでは良かったもののやがて踏み跡は薄くなり熊笹の薮漕ぎとなる。ガスで視界も悪く地図とGPSを頼りに稜線を行く。新潟と群馬の県境で巻機山へ連なるこの道は地図上では登山道となっているがなかなか厳しいものがある。 水から上がった暑さでやっとの思いでJPに到着する。(10:40)ここの道標には「巻機山・難路 道ナシ」という何とも言えない標識になっていた。
ここで大休止をしさらに朝日岳を越え、笠ケ岳を越え、白毛門を越え白毛門沢の出合いの駐車場に辿り着いた。(15:30)
昔からいいよいいよと言われ気にはしていたのだが中々行く機会が無かったのだが今回良いパートナーと行く事が出来て最高の山行が出来ました。まだ言ったことの無い方は是非ともお勧めいたします。

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