浅草岳~鬼ガ面山

  2009/10/10-11
桜井  桜井 記


以前から行きたいと思っていた南会津と新潟の国境の山、浅草岳と守門岳を縦走してつなげる計画を立てた。

まず浅草岳は車で田子倉口から入りその後、桜曽根から大白川まで一旦下り翌日に守門岳をピストンして大白川駅から只見線に乗って田子倉駅まで戻るという計画を考えた。
この場合一番のネックが1日3本しかない只見線のダイヤに合わせられるかということであったが大白川駅14:04発の列車があるのでこれに間に合わせるべく2日目の行動計画を立てた。
前夜大田原の自宅を車で出発する。3時間半ほどで田子倉駅に着いた。早速駅前に車を停めて中を覗いてみる。この駅は12月から翌年の4月一杯まで封鎖される無人駅である。大きなガレージのような建物の中に入り階段を下っていくとこの地方の道路に良くあるスノーシェードにホーム全体が覆われていた。
車に戻り少し行くと浅草岳登山口の看板に導かれ駐車場の広場に着いた。3連休だというのに他に止まっている車は1台しかない。まだ時間が早いのだろうか。車の後部座席を倒して一夜の宿とする。

10/10
5時起床6時出発とするが出発の準備をしている時にテントポールを忘れて来たことに気づいた。これでは縦走は出来ないので計画を変更して浅草岳から鬼ケ面山を廻り一旦この駐車場まで戻ってから車で大白川まで移動し守門岳を登ることにする。
駐車場の正面奥に「越後三山只見国定公園 浅草岳登山口」の大きな標識が立っている。ここからしばらくブナの樹林帯の沢沿いを行き幽ノ倉沢を渡る。樹林の中を高度を上げていくとやがて展望が開けて正面には浅草岳、振り返ると田子倉湖が雲海の中に見下ろせる。
さらに登ると中崎尾根は細くなってきて両側が切れ落ちてくる。雪のある時はするどい雪稜になるんだろうなと想像しながら行く。剣ケ峰(1131m)と呼ばれる地点からは鬼面山の絶壁が良く見渡せる。紅葉がちょうどいい時期で絶壁に映える景色は最高だ。
所々岩場も出て急な所も出てくるが古いフィックスロープがあって問題ない。本当に雪の時期は厳しいのだろう。

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急登が終わり傾斜が緩くなってくると頂上も近い。草紅葉の稜線を見ながら左に折れると浅草岳頂上(1585.5m)に着いた。しばらく休憩したり写真を撮ったりして時間を過ごす。 見下ろすと田子倉湖が見渡せ駐車場も見えるのではないかと思う。
頂上からは一旦下り木道が敷かれている道を進み前岳(1568m)へ至る。この周辺は展望が開け草紅葉がすばらしい。
前岳からは針路を南に変えて鬼ケ面山を目指す。この先で鬼ケ面山方面から来た登山者に出会った。気づくと今日初めて人と会った。人気があると聞くが静かな山である。
浅草岳の登りで対岸に見えていた鬼ケ面山へのゴツゴツした稜線を行く。さっき見ていた時はどこを歩くのだろうかと思う程の険しさだったが実際こちらに来てみるとさほどでもない。ただ所々細くなって切れ落ちている所があるので気が抜けない。
行く手の右側は緩やかな山稜で左はスパッリ切れ落ちている。さらにその下には田子倉湖が常に望まれている。ここから先程登った中先尾根も望まれるが急峻な稜を立ち上げて雪が付けばどれ程の雪稜になるのかと思わせる。いくつかのギャップを上り下りして鬼ケ面山の頂上(1465.1m)に着いた。ここからも田子倉湖が望まれる。この稜線上はちょうど福島県と新潟県の国境稜線になっている。しばしの休憩後に縦走を続ける。天気予報では午後から悪くなる予報が出ているので先を急ぐ。

nakasakitagokura  onigaturakaraasakusa

南岳を下り平らな尾根を辿ると送電線の大きな鉄塔がありそこから角度を変えて急な下りを過ぎると鬼ガ面山登山口に着いた。13:00
ここには数台の車が停めてあったが252号の国道を少し行くと六十里超のトンネルの脇に大きな駐車場があった。
このトンネルを抜けると福島県だ。車のおいてある所まで田子倉湖岸ぞいの国道を2時間程歩いた。峠の途中にこの道路が出来た時の碑があり当時の総理大臣田中角栄の言葉でこの道路の完成が新潟と福島を結ぶ一筋の光になると標されてあった。
駐車場に戻り時間もあるので再び歩いて田子倉駅まで行き写真を撮る。車で252号を走り大白川を過ぎて関越国際大原スキー場の中の道を登り最後は守門岳登山口の駐車場に着いた。夕方から天気も悪くなり明日の天気は雨の予報が出ている。車の中で食事を取り寝転がって1人酒を飲んでいると何もすることもなく時間をもて余す。

10/11
朝から雨のため予定していた守門岳は登るのは止めた。朝食を済ませ9:40に到着する小出行きの下り列車を見るべく大白川駅に向かう。この駅も最近無人化されたようである。ホームでしばらく待った後2両編成のディーゼルカーがやってきた。鉄チャンになって写真を撮った。
今日はもう帰るだけなのだが只見の町に温泉があるので立ち寄ることにする。途中田子倉ダムに立ち寄る。ダムを見学したりお土産屋を覗いたりして過ごす。パンフレットを見ると只見の先、会津川口に東北のマッターホルンと呼ばれる蒲生岳がありその先の会津塩沢にある河井継之助記念館があることに気付き行ってみることにする。
蒲生岳は標高差はさほどでもないがその名の通り尖がった山である。
また記念館は河井継之助が戊辰戦争の際に越後から八十里越を通り会津に逃れる際に終焉の地となったことでここに建てられたとのことだ。司馬遼太郎も小説「峠」執筆しここを訪れているようだ。
記念館の裏にある河井墓を見終えて帰ることにする。途中「只見温泉保養センター」の温泉に入り手打ち蕎麦を食べてJR只見駅に立ち寄ってから帰宅する。

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