日原川本流

2006/5/27-28
松野(L)、鈴木(S.L)、山本(裕)、矢野、横澤、玉田、土屋  松野 記


2006年度の活動報告

第1回ゴル突山行(訓練山行) 5月27日(土)~28日(日)
奥多摩:日原川本流
メンバー:松野(L)、鈴木(S.L)、山本(裕)、矢野、横澤、玉田、土屋
5月27日(土)

前の晩は二年前と同じ場所で入山祝いをする。
明けて翌日、朝から雨が降っていて出発を遅らせる。予定では日原川で訓練後、唐松谷に向かうことにしていたが、本日は訓練のみとした。
最初は「末端交換三角法」による渡渉訓練をする。
ひととおりシステムについて説明し実演した後、グループに分かれて訓練をした。特に疑問点は無かったので、最後にスリングを残置しない方法を実践して終了した。

つぎに「ロープを使用した高巻きのシステム」について訓練をしました。
高巻きの典型的なパターンを想定して、トップが真っ直ぐ登ってからトラバースをして滝の落ち口に出るという形です。

松野オリジナルの「ターンバック方式」(どの技術書にも書かれてない)のシステム説明と実演をした。
この方式はラストがトラバース部分で墜落した場合に、滝の水流に入ってしまうのを防ぐために考案したものだが、大人数における高巻きでのシステムとしても良く機能すると思う。
ふたたびグループに分かれて何回か訓練をした。
システムについての疑問点は特に無かったが、セルフビレイの取り方が、基本的な考えに基づいていないメンバーがいたので、クライミング技術はシンプルであることが望ましいと説明した。
沢でも岩でも基本的な考えに基づかないと、間違った技術を覚えてしまうと思う。

小雨の降るなか昼食を取り、午後は「懸垂下降」訓練を実施した。
40メートルのロープと20メートルの補助ロープで30メートルを下降するシステムについて説明と実演をした。
沢では登攀にダブルロープを使用することは、まず無いので、30メートルの懸垂下降が予想される場合、40メートルロープを2本持っていくよりも、40メートルロープと20メートル補助ロープを持っていくこの方法のほうが、現実的に思われる。
ただ、シングルロープでの下降になるので、エイト環の小さい方の穴を使用したほうが制動力が増して、よいように思われた。

訓練終了後、奥多摩の温泉に浸かり、夜の焼き肉の買い出しをして宴会場を設営した。
ゴル突共同装備の焼き肉コンロ(うち1台は今回のために矢野が自作)を囲み反省会を実施、あまりにも激しい反省会で、私は昔を思い出して久々に名曲「出すロープない」を歌ってしまった。
玉田は意識不明の重体。
鈴木会長の下ねた話が出なかったのが、不幸中の幸いか。
5月28日(日)

目が覚めると、激しい反省会の残骸がころがっていた。
又今日も朝から雨である。天気の様子をみながら、会長と今日の行動について話し、昨日行けなかった「唐松谷」に行こうと決定する。

奥多摩駅の近くで行動食を買い出すが、玉田が意識不明の重体のため、同行せずに帰ると言い出す。
彼を駅まで送り、我々は「唐松谷」へ向かった。

昨日の訓練場所を過ぎてしばらく行くと、林道が崩壊していてそれ以上車では行けなくなった。
ガイドブックを見ると、そこから歩いたら相当時間がかかることがわかった。
時間的にも無理なので、予定を変更してすぐ近くの「巳ノ戸谷」に行くことにした。
しかし、対岸の出合を探しながら林道を行くが、しばらく行ってもそれらしきものは見えない。
地形図を見ようと思って土屋に出すように言ったところ、なんとあの意識不明の重体男が、持って帰ってしまったことが判明した。
みんなで右往左往するが見つからない。仕方なしに出合の上流と思われる踏み跡から日原川本流を下った。
距離的には近いが、昨日からの雨で増水していて、泳ぎ下りをしながら1時間もかかってやっと出合に到着、寒くて震えがくる。すでに遡行する意欲をみんな失っていた。
そのまま林道にあがり車まで戻り、本日の行動は終了した。

3年前にゴル突のメンバーで訓練をして「渡渉」と「高巻き」の標準的システムを確立しました。
今年は、新入会員も入会したため、会全体の遡行技術のレベルアップとゴル突山行参加者が全員そのシステムを理解していることの必要性を感じ、今回の訓練実施となりました。
今回の訓練に参加した会員が、その成果をゴル突山行だけでなく、沢の遡行で発揮してくれれば、リーダーとして嬉しいかぎりです。
今回の訓練山行に参加してくれたメンバーに、そして貴重な訓練の場を提供してくれた日原川に感謝!!

「ああ!日原川」

訓練メモ(会報第3号より)

「末端交換三角法」
1.トップはザイルに頼らずに半分流されながら行くと良い。
(ザイルをつかみすぎると固定点に引き寄せられてしまう。)
2.確保側もザイルを張りすぎないようにする。
(予め、「ここ以上下流に流されたら張ってくれ」という限界点を確認しておく。)
3.セカンド以下は原則的に張られたザイルにセルフビレイを取らない。
(セカンド以下が流されてしまうような状況では、トップの渡渉は不可能との判断より。)

「ターンバック方式」
1.トップ以外の人は、セルフビレイ用とアッセンダー用のスリング、安全環付きカラビナを残して全てのスリングとカラビナをトップに渡す。
2.トップは屈曲点をしっかり判断し、そこには必ずランニングを取る。
3.セカンドは屈曲点の固定を忘れないこと。
4.ラストはトラバース部分は確保される。ノーマルな確保なのかターンバックによる確保なのかしっかり確認を取り合うこと。

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