ばてばての赤石沢

2006/7/12-15
羽場  羽場 記


メンバー:羽場単独行 、登攀道具一式(ツエルト、20mロープ×1)

7/12 20:30自宅発- 7/13 13:15畑薙第一ダム着 車中泊
7/13 9:05赤石沢入渓 -10:55取水堰堤 -12:25門ノ滝通過 -14:30シシボネ沢 30-15:10間ノ沢 -16:05 大雪渓沢 幕営
7/14 6:00幕営地発 -7:35裏赤石沢出合 -8:50大滝 -10:15百間洞山の家-15:35赤石小屋 泊
7/15 5:35赤石小屋発 -7:50椹島ロッジ着 -10:00同ロッジ発 -17:30自宅着

7/12
ゴル突山行も日程の都合で、参加できないことになり、あれこれと検討した結果、大井川赤石沢に行くことに決めた。心ときめく美渓に心爆ぜいざ出発。出発してから、ふと「東海フォレスト」のバスは確か明日から運行していたよなあと、いやな思いにとらわれる。
静岡までの高速はいたって順調。静岡のはずれのコンビニで家にTEL。ここで、ビールを仕込んでおけばよかったが、まだそんな山の中でもないので次のコンビニで買おうとしたのが、大間違い。途中、山根町、千頭駅周辺もコンビニもなく、自販機は午後11時以降シャットアウト。思わず、ダウン。
畑薙ダムでは、翌々日は山小屋だと意志固く、少ない寝酒を飲み就寝。

7/13
いやな予感が当る。朝一番で「おたく予約入れてるの」と東海フォレストの方に質問される。あれ、10人以下は予約不要じゃなかったっけ。「それは明日から。」つげない返事だが、予約3人組がいて、セーフ。持つべき者のは、沢登り仲間である。
1席だけ余ったところに神妙に乗り込み、予定通り牛首峠までバスで入山。
3人組が入渓の準備をしている間に、お先に失礼して赤石沢に入渓。渓は明るく楽しめそうな予感はするが、取水堰堤の影響なのか水量が少ないのが気がかりである。今回は一人旅でもあり、極力体力温存の方針で、「泳ぎ」は最小限とした。
まずは平凡な河原歩き、暫くするとイワナ淵と思しき釜がでてきた。残置もあり濡れずに右側をへつる。ここから渓相も変わり、ニエ淵、神ノ淵、名も無い釜、曲がり滝等次々に絵になる関門が多くなるが、水量も少なく意外とあっけなく通過できてしまい、やや拍子抜けの感は否めない。残置も極力使わないこととしたが、どう見ても残置を使った方が難しそうなところもある(不思議だ!)。巨岩帯も抜け、暫くすると取水堰堤に到着。右側の梯子を上り、そのまま堰堤をまっすぐ進むと、楽に堰堤を降りることができた。水量も段違いに増え、堰堤がなかった頃は、厳しくも更に楽しい沢だったであろう(但し、その場合は一人では困難だろうが)。
堰堤から河原を少し歩いた北沢の出合いで小休止。天気がよければ、ちょっと昼寝でもできそうな明るくて、気持ちのよいところだ。

今日はできれば大雪渓沢あたりまで行きたいと小休止で出発。暫くすると門ノ滝20m、右岸白蓬沢F1まで登り高巻く。次に出てくる5m滝がやっかいである。空身で左岸の2つの大岩の間を残置シュリンゲに助けられ、A1でやっとのおもいで突破。人数がいれば、アブミを一つ持ってくると便利だ。ザックは2回に分け吊り上げ。つぎの大岩をくぐると手がかりの少ない大岩が出現、なんとかだましだましこれもクリアー「ああ、疲れた」。
これからザレとガレの崩壊地、大岩の連続でほとほといやになり、ゴルジュの随分手前で間違って高巻きに入ってしまった。間違いに気が付いた時は遅く、どんどん上に追いやられ、小雨は降ってくるわで、泣きたくなってきた。やっとの思いで、本来のゴルジュ突入点であるシシボネ沢に出合うと、そこにはsnow bridgeが。間違った高巻きも結果all right。ゴルジュ帯の高巻きも少々間違ったが無事通過。越後の沢や丹波川の高巻きを考えるとさほどの高度間と難しさはなかったと思う。小雪渓沢にも雪渓が残っており、夜は寒いのではといやな予感。足も重くなり出した頃に大雪渓沢に出合う。もう歩くのは嫌、テン場を探すと、すぐに好都合な場所を発見。落ち着いて、まずは酒を飲む。あとはだらだらと寝仕度にかかり、焚き火に当りながら、少ない酒をだましだましで夕食。夜は寒くて熟睡できず。

7/14
今日は、百間洞の小屋泊まりの予定だから、のんびり行こうと出発するも、性格は変えられず、いつものペース。大淵ではヘツリで突破とあったので、最後までヘつろうと頑張ったが、途中であえなくドボン。今日は、泳ぐ気がまったくなかったのに。このあたりから、赤石岳の由来たる「赤い石」もなくなる。裏赤石沢出合いで小休止。ここも開けていて気持ちの良い所だ。ここからも、幾つかの大小の滝を越えて行くと徐々に水流も少なくなり、草原のお花畑の雰囲気が漂いだすともう気は小屋で休むことばかり、でも、ここからが意外と遠かった。
百間洞の小屋には意外と早く到着。まずは、ビールで自分に「お疲れさん」。小屋開きの準備をしていた小屋番の青年に、椹島までの所要時間を聞くと、ぎりぎり夕方には着けそうだが、夕方4時30分ごろまでに着かないと嫌な顔をされるか、飯がないかもしれないとのこと。目標は、椹島でエスケープ赤石小屋とし、出発。
途中から、やたらへばってきた。このつらさは、冬の富士山か裏銀座の槍の登りと同じだ。ひょっとして、赤石岳は3,000mあるのかしらと思いつつ、五十歩百歩の牛歩でやっと頂上着。やっぱり、3,000mあったんだ。今回が2度目の登頂だが、今迄良かった天気も、頂上は雨。あまりの牛歩に、今日は赤石小屋泊まりにとここで決定、下りも捗らず、花の名前を思い出しながらも、やっとの思いで、赤石小屋に到着。「あーくたびれた」。
一泊少なくなった分ビールも大量消費、小屋に貢献。飯も久しぶりにお代わりをし、また太ってしまった。

7/15
南アルプスの小屋の朝は早い。5時に朝食。熟睡したにもかかわらず、久しぶりの山行で疲れはとれず、足はガクガク息はヘロヘロ、同行者がいたら泣きが入ったところである。
ともかくも、椹島に無事帰着。ビールを飲みつつ帰りのバスを待つ。
久しぶりに充実した沢と一人旅であった。

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