八ヶ岳旭岳東稜

1999/12/31~2000/1/2
メンバー:飯田・星山  星山 記


12月31日夜 翌朝一番の電車(6:09)を待つために,小海線ホームのログハウス風の待合室で眠る。2000年問題のせいか明かりはつきっぱなし、電車もエンジンをかけっぱなし。
1月1日 朝支度をしていると電車が入ってきて運転手が「お待たせしました」と呼びに来てくれた。清里で降りる(6:36)とさすがに寒い。7:00出発。清泉寮を過ぎ山道に入る。林道にぶつかり、その道をしばらく歩き地獄谷に降りる。雪は少ないし踏み跡がしっかりついているのでスニーカーで充分。2時間半程で出合小屋。無人小屋なのに薪がたくさん積まれている。中に入るとストーブがまだ暖かい。リュックが7,8個。少し休んでから出発。
すぐ赤岳沢を右に分ける。テントが2つ。権現沢に入ると右手に稜線に上がるトレースがある。あまり踏まれていないのでここで靴を履き替える。時計を落としてしまい、しばらく捜し回る。10:00発 急なルンゼを詰める。ガラ場は岩がもろくグズグズ。つかんだとたん取れてしまった。足跡を見失ってしまったが笹をつかみ直登する。尾根に出ると傾斜が緩む。しっかりした踏み跡が出てきた。樹林帯の中,雪は少ないしサラサラなので歩きやすい。しばらく行くと痩せた岩稜帯に出る。上を乗っこしたり右側に回り込んだりしながら進む。尾根が広くなったが急になる。始めは雪もついていたがそのうち消える。ロープで確保しながらブッシュをそろりと掴み,凍った土壁にアイゼンをくい込ませながら登る。息が上がる。針葉樹からダケカンバになり少し傾斜が緩むがまたすぐ急になる。3ピッチで右寄りの尾根に上がると、岩稜帯基部のやや小広い所に着く15:15。ビバーク適地とあったがテント場には何といっても狭い。ハイマツに雪がついていていどこまでが地面なのか分からない。ハイマツの枝でテントと自分の体を確保する。夕食を済ませて外に出ると、町の灯が見え空には満点の星。明日も天気はもちそうだ。気温が高く寒さは感じない。
1月2日 4時半起床。テントを出ると下の方は雲海で埋まり富士山がぽっかり出ている。いよいよ核心部の岩稜帯。朝日が当たり始める。6:50登挙開始。1ピッチ目、Ⅲ級というが2ピン目の上がなかなか微妙。2ピッチ目、徐々にやさしくなる。3ピッチ目、左へバンドを伝ってブッシュにはいるとあるが、右側から木をつかみ強引によじ登る。4ピッチ目、ナイフエッジ。念のためロープを使う。5ピッチ目、雪壁とあるがそれほどでもない。9:00旭岳頂上。360度の展望。風もなく暖か。しばらくボケーッとする。後は一般縦走路。少し下りクサリ場をトラバースし長いハシゴを登るとまもなく権現岳頂上9:50。権現小屋を過ぎ,次のピークを巻きグングン高度を下げる。
11:40青年小屋到着,荷物を整理。岩の上に薄く雪が着いているが夏道と変わらず。途中でスニーカーに履き替える。観音平近く笹原になると、しばらく雨が降っていないせいかほこりが立つ。14:45小渕沢到着。15:10始発の各停に乗る。ビールで乾杯。

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