衝立岩・右フェース

1998/6/21
メンバー:木元・宮城  宮城 記


このルートは今回が2度目のTRYである。
前回はテールリッジで起こった滑落事故の為、群馬岳連の名塚さんと共に遺体搬出で終わってしまった。
今回はそんなアクシデントも無く、無事取付きに木元さんのリードでたどり着いた。それにしてもこの日の衝立は素晴らしい賑わいで左側から古門ルートに龍鳳登高会の西沢・上辻パーティー、不思議ルートに登稜会の長島パーティー、本庄山の会ルートにA.R.Iの河角・宮川パーティー、ダイレクトカンテに伊平・山口・田島パーティーともう1パーティ、そして我々。ダイカンの1パーティ以外は全て友人であり、恐ろしい事である。こんな事は滅多にないだろうな!そして結果的にはお互いコールしあいながら登れてとても楽しかったなぁ!

1P目 宮城リード、木の生えているピナクルレッジまでⅣのフリーで登り、そこから左上するコーナー沿いに人工となる。残置がつながっており、 エイドとしての楽しみには欠けるが状態はどれも極悪で、ふと雲稜第一の事故を思い出す。ピンを5本程打ち、最後 V+のフリーでレッジに上がる。ピレイ点は貧弱なのでロストアローとカム類で補強し、ビレイヤーはフォローで登って来てもらう。なお、我々は衝立岩の右端にいるので、なかなかみんなとコール出来ずにシクシクしてしまう。
2P目 木元リード、レッジより左のコーナーに出てV+くらいのフリーで直上し、枯れ木目指して左にトラバース気味に左上。コーナーにはガッチリとリングボルトが打ってあり安心出来るが岩はやはり脆く緊張する。
枯れ木は浮いており、通過に少々気を使う。このピッチはピトンは打たなかった。
もう我々は難所が終わりウキウキ気分。古門、不思露ロード、本庄山の会ルート結構苦労してます。
3P目 宮城リード、クラックの横に根元までしっかり打ってあるリングボルトによって快適かつ複雑な気持ちで高度をかせぎ、ダイカン3P目終了点に合流。ここで頂番待ちになり、20~30分程ロスする。それにしてもあまりにもボルトの間隔が近くて、そうか初登者の木浪さんて身長80cmくらいの人なのか……と思ってしまう。1、2 P目の緊張感はどこにいってしまったのだろう。
4P目 木元リード、ダイカン4P目を登る。年々ピンが増えて安定してきたこのピッチをあっという間にかたずけ、終了。下降は北稜をアブザイレン。

総合:
1 P目は人工主体、2 P目はフリー主体と適度な緊張感と楽しさが味わえるこのルートは中級者がTRYするのに良いルートだと思う。ジャパニーズエイド化に近いラインだが、単純なエイダーの掛け替えではないのでそれなりに楽しめると思う。
ギアは各種ピトン7~8本とカム類1setくらいあればOK。

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